ちーっと、いっぷく。
・・・・連続・私小説・三姉妹のFX・・・・・⑤-8

 

 

 

海と空が僕の部屋を訪ねてきて以来、約一ヶ月が経過した。 僕は、あいかわらず自分のやり方でFX取引をやっていた。 大きな利益にめぐり合うことはなかったが、大きな失敗もなかったので、順調に利益の確保は出来ていた。

 

そんなある日、海から「遊びに行こう。」と誘いの電話があった。 海は長距離のドライブがしたいとねだってきた。 海と二人で行くドライブは楽しいのだが、長距離のドライブに僕の車が耐えられるかが大きな問題であった。 なにせ中古の軽自動車である。そこそこの整備はやっているのだが、ご機嫌斜めの時にはエンストでの自己主張をし、原因がわからないまま回復することもしばしばあったのである。

 

 

 

出発の当日は、雨であった。 僕は海たちが住むマンションの下で、海を待った。

 

「 ごめん。 空も行きたいって言ったんだけど、やめてもらったの。 この車の後部座席って言ったら、直ぐに引き下がった。 」

 

「 空ちゃん、呼べば良いのに。 」

 

「 じゃあ、誰が後部座席に乗るの? 」

 

「 そらぁ、乗りたい人。 まあ、女の子に後ろで長距離はかなりキツイね。 」

 

「 だから空も引き下がったってわけ。 」

 

「 そっか。 また空ちゃん拗ねない? 」

 

「 大丈夫だと思うよ。 出がけには健ちゃんに電話してたから。 」

 

「 そっか。 でもアイツ、今日は可愛い彼女とどっか行くって言ってた様なきもするけど、別にいいかぁ。 」

 

「 まだ続いているの? 」

 

「 みたいだな。 結局、彼女から折れてきたみたいだけど、もう健一郎も引いてるよ。 」

 

「 そうなんだ。 」

 

「 ほんじゃ、出発な。 お前、今は良いけど、俺が疲れてから寝るなよ。 」

 

「 うん。 たぶん大丈夫。 」

 

「 ところでさ、FXやっと倍になった。 2回、ロスカットにあって結構挽回が大変だった。 」

 

「 そう。 私は、最近は置きっぱなし。 何だか動きも鈍いし、資金の5分の1だけスワップ狙い。 」

 

「 なんだ、そうか。 まあ、無理する必要も無いよな。 」

 

「 俺は動き少ないから、目いっぱいの短期勝負でやっと倍ってとこ。 これで飯でも奢れるぜ。 」

 

「 ありがと。 でも、まだまだ先でいいよ。 」

 

「 なんか、お前、今日は大人しいな。 」

 

「 うん。 あとで話したいことあるから、相談にのって。 」

 

「 わかった。 んーじゃぁ、出発。 」

 

「 了解。安全運転でね。 」

 

 

 ・・・続く。。。・・・