ちーっと、いっぷく。
・・・・連続・私小説・三姉妹のFX・・・・・②-8
海が手洗いを済ませるまでの間に、釘でガッチリと打ちつけられたスリッパをはずそうとしたが、この恐ろしいイタズラを健一郎にも味わわせてやりたいという思いが沸き起こり、そのままにすることにした。
海が戻って、イタズラの心境を聞き出そうとしていると、玄関先の方からガチャガチャと音が聞こえてきた。玄関の鍵は空いたままであったので、開錠しようと健一郎が鍵を突っ込んで閉めて、また空けるを繰り返したせいであろう。
「 ただいまっ。 おわー、何これ、兄ちゃん? スリッパが動かん。 ああ誰か来てる、誰? こんな酷いことするの? 」と健一郎の叫びが部屋の中にこだました。
その様子を見ていた海は、口を両手で塞いだまま健一郎に近寄り、満面の笑みで、「 やったー、健ちゃん引っかかった。 任務完了。 」と叫んだ。 怪訝な顔をしながら、スリッパをみている健一郎は、「 海ちゃん、酷いよ。 このスリッパ、可愛そうだよ。 」と、苦笑いで答えた。
「 おかえり。 」と僕が健一郎に声を掛けると、「 兄ちゃん、スリッパ、釘で打ってるよ。ここ賃貸なのに大丈夫? 」と聞いてくる。 「 そりゃ、大丈夫じゃないけど、俺もやられた。 腹立つけど、ここまでやられると、もうどうしようもないだろ。 あとはどうやってごまかすかだな。 釘の穴にクレヨン溶かして流しとくよ。 」と答えると、「 言っちゃあ、悪いけど、海ちゃんが来てる時点で、何の悪巧みを考えてんの? 」と返ってきた。
健一郎からすれば、幼い頃から僕や海が考えたイタズラの実験台は、必ず健一郎で、同じ年の空は「女の子だから。」と言う理由で、イタズラを仕掛ける側だったことを思い出した。その頃のトラウマなのか、健一郎はこのイタズラの発案が “ 空 ”だと、直感的に悟ったらしい。 笑いながら海が、このイタズラは空と遊びに行く約束を反故にした健一郎への制裁であることを告白した。
空ちゃんの言い分では健一郎との約束で、ちょっと遠い地方にある遊園地に遊びに行く予定だったのを、彼女と約束をしたからといった理由でキャンセルされてしまい、結果的に延期されることなく今に至っていることに怒っているとのことだった。その時に、三姉妹の家で鍋をご馳走になった時に、空が健一郎の彼女のことを 「 かわいい彼女 」と揶揄した意味を理解できた気がした。
海は健一郎に、空にどっかで埋め合わせをする様に促して、これから僕とFX取引をして旅行に行くことを説明した。健一郎の関心はFX取引ではなく、海のこれからも「 ちょこちょこ来るよ。 」という言葉の様だった。
健一郎として、FX取引に関しては、今は時間的にも金銭的にも余裕がないという理由であまり乗る気ではないようだった。
・・・続く。。。・・・
・・・・連続・私小説・三姉妹のFX・・・・・②-8
海が手洗いを済ませるまでの間に、釘でガッチリと打ちつけられたスリッパをはずそうとしたが、この恐ろしいイタズラを健一郎にも味わわせてやりたいという思いが沸き起こり、そのままにすることにした。
海が戻って、イタズラの心境を聞き出そうとしていると、玄関先の方からガチャガチャと音が聞こえてきた。玄関の鍵は空いたままであったので、開錠しようと健一郎が鍵を突っ込んで閉めて、また空けるを繰り返したせいであろう。
「 ただいまっ。 おわー、何これ、兄ちゃん? スリッパが動かん。 ああ誰か来てる、誰? こんな酷いことするの? 」と健一郎の叫びが部屋の中にこだました。
その様子を見ていた海は、口を両手で塞いだまま健一郎に近寄り、満面の笑みで、「 やったー、健ちゃん引っかかった。 任務完了。 」と叫んだ。 怪訝な顔をしながら、スリッパをみている健一郎は、「 海ちゃん、酷いよ。 このスリッパ、可愛そうだよ。 」と、苦笑いで答えた。
「 おかえり。 」と僕が健一郎に声を掛けると、「 兄ちゃん、スリッパ、釘で打ってるよ。ここ賃貸なのに大丈夫? 」と聞いてくる。 「 そりゃ、大丈夫じゃないけど、俺もやられた。 腹立つけど、ここまでやられると、もうどうしようもないだろ。 あとはどうやってごまかすかだな。 釘の穴にクレヨン溶かして流しとくよ。 」と答えると、「 言っちゃあ、悪いけど、海ちゃんが来てる時点で、何の悪巧みを考えてんの? 」と返ってきた。
健一郎からすれば、幼い頃から僕や海が考えたイタズラの実験台は、必ず健一郎で、同じ年の空は「女の子だから。」と言う理由で、イタズラを仕掛ける側だったことを思い出した。その頃のトラウマなのか、健一郎はこのイタズラの発案が “ 空 ”だと、直感的に悟ったらしい。 笑いながら海が、このイタズラは空と遊びに行く約束を反故にした健一郎への制裁であることを告白した。
空ちゃんの言い分では健一郎との約束で、ちょっと遠い地方にある遊園地に遊びに行く予定だったのを、彼女と約束をしたからといった理由でキャンセルされてしまい、結果的に延期されることなく今に至っていることに怒っているとのことだった。その時に、三姉妹の家で鍋をご馳走になった時に、空が健一郎の彼女のことを 「 かわいい彼女 」と揶揄した意味を理解できた気がした。
海は健一郎に、空にどっかで埋め合わせをする様に促して、これから僕とFX取引をして旅行に行くことを説明した。健一郎の関心はFX取引ではなく、海のこれからも「 ちょこちょこ来るよ。 」という言葉の様だった。
健一郎として、FX取引に関しては、今は時間的にも金銭的にも余裕がないという理由であまり乗る気ではないようだった。
・・・続く。。。・・・