・・・・連続・私小説・三姉妹のFX・・・・・

海から、エフ・エックス取引についてのレクチャーがあったが、基本的には、僕がネットで調べて知っていることだった。意味の解らなかった「証拠金」なるものについては、「取引への参加料」といった感じで、不動産の「手付金」みたいな性格のものだと教わり、株の信用取引や先物取引なんかでも使われているシステムで、要するに市場に注文は出すが、必ず処分するものに限っては全額が要らずに、一部の「証拠金」を入れれば注文が出せる仕組みであり、少ない資金で大きな資金を動かしていることが、てこの原理と同じなんで、「レバレッジ」と呼ばれる所以であるということであった。

海は、軽い説明のあと、「じゃあ、カレー作るから、続きはあとでね。」と言い。冷蔵庫を開けながら、「ジャガイモの皮むくの手伝ってね。 たしか、ピラーあったよね。」と買ってきてあった冷蔵庫のお肉とたまねぎをテーブルの上に載せた。

「了解。」と返事をした僕は、流し台の下の引き出しから、ピラーを取り出し、買い物袋の中からジャガイモを出して、ザルで洗って皮を剥き始めた。

2つ程、ジャガイモの皮を剥いたところで、「ところでさぁ、陸姉ちゃんの『海まね』を攻略するには、どうしたらいいと思う? このままじゃ、笑いの種になるだけだしさ。いい方法ない?」と聞くと、「気にしてるの? それとも迷惑? 陸ちゃんのことはごめん。 でもね、遊園地に行ったりとか楽しかったよ。」との返事のあと、僕が黙っていると、「お姉ちゃんね、彼氏には、『リッキー』って呼ばれてるの、今度電話で『リッキー』って呼んでみれば。」と続けた。

「へぇー、『リッキー』って犬みたいだね。 そうか、陸姉ちゃんは『リッキー』かぁ。 今度試してみるよ。 怒られる筋合いもないし。」と言う僕に、海が「でも、気をつけてね。この前の彼氏と一件で、まだギクシャクしているみたいなの。」と「それは了解。時間を置いてから試すよ。」と答えておいた。

海は手際よくカレーの支度を始めているが、僕が持っているパスタ用に買ってあった寸胴鍋を持ち出して、「これにカレーをtsくりまーす。」とニコニコしながら宣言した。パスタ用の鍋だけに、20人前くらいの量のカレーが出来上がりそうである。 「お前、それって無茶だろ、そんなに食わねーって。 無理だって。」と僕が答えると、「バカねぇ、ウチの分も持って帰るの。ほら、空がカレー好きだし、今回の材料代は、私のポケットマネーだから。」と言いながらもちょっと不安な顔を覗かせた。

小一時間した頃には、寸胴鍋スレスレまで出来上がったカレーをパスタを混ぜるときのヘラでかき回している海の姿を見て、「魔法使いのばあさんが、魔法の薬を作っているみたいで、怖いぞ!」と言うと、「えヘヘっ、こんなのやってみたかったの。小学校の家庭科以来の力作でーす。」と楽しそうに、ゆっくりカレーをかき回す海は、無邪気な感じがして、たのもしかった。

・・・続く。。。・・・