何となく、ゆっくり競馬を観る事ができた日(土曜)。
何気に見かけた“白毛馬ソダシ”のレコード勝ちに新しい可能性を
観た私でした。
2020年9月5日 札幌競馬場で行われた
第55回 札幌2歳ステークスGⅢ(芝1800m)(14頭立て)(良馬場)
1着 ソダシ 吉田隼人騎手
2着 ユーバーレーベン 戸崎圭太騎手
3着 バスラットレオン 坂井瑠星騎手
ソダシ札幌2歳ステークス優勝ニュース
(↑netkeiba.comへ)
実はこの日の私は、事前のチェックなんぞせず、ただボ~っと競馬を
観るべくテレビをつけたのでした。
2歳馬たちのレースは、未知数な点が多く敬遠しがちで、それでも若い馬たちが頑張る姿にはやる気を貰えるため、何気に観ていたのです。
その時、ひときわ白いソダシが出走していました。
「白毛(しろげ)」と呼ばれる、とても珍しい真っ白な馬です。
「相変わらず神様のように純白な…頑張って!」と応援したのでした。
父クロフネ 母ブチコ(珍しい白毛である上、ブチ模様があった)の
2歳牝馬。
先々月の7月12日にデビュー戦を勝利し、この札幌2歳ステークスが
2戦目。
「どんなレースをするのだろう?」デビュー戦の勢いのある勝ち方から、期待もありました。
道中は、かなり早い段階でバスラットレオンに競りかけて行きました…
一瞬「これで最後までスタミナや脚が持つのだろうか?」と思いかけました。
しかし、晴れた日の雪原のように真っ白なソダシは、バテるどころか、
そのまま押し切ってしまうではありませんか!
いや~この粘り強さはスゴイ!!
しかも1分48秒2のレコードタイムで!!
(いつもと比べると)熱量低く競馬を観ていた私ですが、
この白毛のソダシの活躍に熱量上昇!
今後かなりの成長力が見込めそうだと感心したのでした。
白毛馬が、JRA重賞を勝つのは、昨年のレパードステークスGⅢの
ハヤヤッコ(ソダシのいとこ)以来、史上2頭目。芝では史上初。
そして、何でも「ソダシ」という馬名には、
サンスクリット語で「純粋、輝き」の意味があるそうです。
札幌競馬場の洋芝に適性があることは解りましたので、
今後、東京競馬場や京都競馬場などの野芝で走れるかが課題かもしれませんが、とにかく現時点では粘り強く、それに見合う精神力もあるように観えました。
…で、この話には、もう一つくっついた話がありまして、日付変わって
日曜日。
2020年9月6日に小倉競馬場で行われた
第40回小倉2歳ステークスGⅢ(芝1200m)(10頭立て)(重馬場)
1着 メイケイエール 武豊騎手
この日の1着馬メイケイエールも、ソダシと同じ「シラユキヒメ」の血統だったのです。
シラユキヒメというのは、この珍しい毛色の一族にとって最初といえる
牝馬で、突然変異で生まれてきた白毛でした。
競走馬としての成績には恵まれませんでしたが、母馬として優秀です。
シラユキヒメの事(Wikipedia)
ソダシにとっては母方の祖母。(上記先述のハヤヤッコにとっても母方の祖母)
そして、このメイケイエールにとっては母方の曾祖母にあたる馬です。
そして、このシラユキヒメから始まって、子供たちの多くや孫たちが
“白毛”を受け継いでいる。
遺伝の仕組みに詳しくはありませんが、何でも、シラユキヒメ自身は
突然変異でも、優性遺伝なので、彼女の子供たちは50%の確率で
白毛になるらしいのです。
ただし、このメイケイエールの毛色は鹿毛であり、白い毛色は継がなかった(母馬シロインジャーは白毛を継いだのですが)。
しかしながら、シラユキヒメから始まった「白毛ファミリー」にしてみれば、重要な2歳重賞を同時期に2つ制したという意味では、
全体の結果としてポテンシャルが高いという証。
白毛ファミリーに注目させられた週末だったと思っています。
今後も何となく注目してみようと思っています。
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一般的に競馬で見かける白い馬は、ほとんど「芦毛(あしげ)」で、
生まれた時は黒っぽかったり、鹿毛(茶色)っぽかったりするのですが、大きくなり年を取るにつれてグレーから白になっていきます。
肌の色は黒っぽく、毛色が白くなっていっても変わりません。
唇の周囲などの毛の薄いところでそれが解る。
そして、両親のどちらかが芦毛でない限り生まれてきません。
しかし芦毛同士の両親であっても、必ず芦毛が生まれてくるとも限りません。
一方、ソダシのような「白毛(しろげ)」は、生まれた時から真っ白なのです。肌の色は薄ピンク(こちらも唇の周りなどで解る)で、なおのこと
毛色が白く観えます。
とても珍しく貴重な毛色なので、頭数そのものが極めて少ない。
シラユキヒメのように突然変異で生まれる場合は1~2万頭に1頭の
確率。
サラブレッドではこの毛色の発現は十分解明されていない。
ただ確率は低いものの、どのような毛色の親からも出る可能性がある。