フランスアンティークの白いピシェ

いつ見ても美しい、フランスアンティークの水差し(ピシェ)。
久しぶりにクレイユモントローの美しいピシェに出会いました。
今の季節なら、桃などの枝物を挿しても素敵だろうし、チューリップをたくさん飾るのも楽しそう。
「アヒル口(Bec de canard)」と呼ばれる独特の注ぎ口のラインが、本当に愛らしいですよね。
この「アヒル口」の形状は、単なるデザインではなく、日々の暮らしの知恵から生まれました。
かつて水道が普及していなかった時代、ピッチャーは水を運び、注ぐための大切な道具でした。
注ぎ口を少し高く、そして突き出すように作ることで、「最後の一滴までキレよく注げるように」「注ぐ際に水が跳ねにくいように」という実用的な工夫が凝縮されているのです。
機能性を追求した結果、まるでアヒルが空を見上げているような、幸福感あふれるフォルムにたどり着いたのですね。
真っ白であることも、機能性に関連しているようです。
白い器は汚れがすぐに分かるため、常に清潔に保ちたい水回りの道具として理想的。
しかも、電灯がなかった時代、窓から入るわずかな光を反射して、部屋を明るく見せてくれる白い陶器は、暗くなりがちなキッチンを彩る貴重な存在だったのです。
どんな色の花や食材とも喧嘩せず、引き立て役に徹してくれる「白」の器は、フランスの合理性と美学の両方を体現している、と言えるのではないでしょうか。
これを、フランスアンティークのピシェからも感じます。
---------------------------------------------------
【好きな器を使うことは、自分を大切にすること】
4人の発達障害を持つ家族との賑やかな暮らしの中で、自分を取り戻すきっかけをくれたアンティーク。
忙しい毎日を送るあなたの心に寄り添う、物語のある器をご紹介しています。
- 前ページ
- 次ページ