シエラレオネでの生活、そして日本帰国後の生活の記録。もし自分が交通事故や病気で死んだとき、取り残された子供たちがいずれこのブログを読んで私のことを思い出してくれたらいいなと思う。
ラミンのいとこの女の子が妊娠した。数年前、その子は、高校在籍時に妊娠したが、卒業間近であったこともあり、何とか学校に隠し通すことができ、卒業をした。当時は妊娠した女の子は学校に来てはいけないと教育相からお達しが出ていた。確か、「おなかが出ると制服が似合わなくなるから」という冗談みたいな理由だったと思う。衝撃を受けた。それだけが理由ではなかったはずだが、それが衝撃的過ぎてほかのは覚えていない。妊娠が発覚した当時、子供の父親はいったい誰なのかという問題が浮上した。「子供の父親はあなた」と彼女からご指名を受けたのは、すぐ目の前の家に住んでいた男の子だったのだが、その子が否定したのである。男の子の主張は、妊娠した時期、彼女は遠くの地域に住んでおり、会ってはいなかった、というものである。母親を亡くして以来、子供のころからずっと彼女は祖母の家に住んでいるのだが、一時期、少し離れて暮らす父親のもとにいた。だから、その近辺で知り合った誰かと浮気して妊娠したに違いない、と突き放された。前途多難である。どう考えても、そんな疑いをもたれる時点でふたりの関係は破綻している。それでも彼女は、その男の子をお腹の子供の父親だと言って譲らず、目の前に住んでいることもあり、男の子の家族とも仲が良いので、出産後も、家族として、その家に出入りしていた。高校は卒業したものの、大学に行くほどのレベルからは程遠く、職もなかったので、彼女は職業訓練所でテイラーとして手に職をつけ、なんとか自立しようとした。正しい選択であると思う。その時の子供は成長し、保育園にも通い始めた。(うちの子たちのお弁当箱を破壊したり意味もなく殴りつけたりしてくる問題児ではあるが。)少し落ち着いてきたち思った矢先に、第二子妊娠である。当然予想できることだが、子供の父親は一人目の父親とは違う。一緒に暮らすおばあちゃんたちは、さぞストレスを感じていることだろうと思う、母親を亡くした孫がかわいそうという思いもあるのか、どこで誰の子を妊娠しようが、味方である姿勢は変えないのである。美しい話ではあるのだが、うちの家族みんながそんな風に考えているわけではない。「また妊娠かよ・・・」と思う彼女のおじさんたちは、呆れかえり、これでまた一歩うちの家族は貧しくなったとストレスを感じながら、この問題を、しばらく放置していた。すると先週の日曜日、おばあちゃんがうちに乗り込んできて、おじさんたちを怒鳴り散らした。おかげでゆっくりと二度寝していた私も起こされてしまった。ちなみに、おばあちゃんは、ラミンと私には何も言わない。ラミンは孫だし、私は論外。だが、おじさんたちは実の子供(長男次男)なので、堂々と怒鳴り散らすことができるのである。その内容が、「あなたたちの死んだ妹の子供が困っているというのに何も感じないのか!」というものである。言い換えると、「こどもの父親のところに行って、出産にかかる費用をしっかりともぎとってこい」ということになる。母親には弱い男たちは、どうやらそのうち話し合いの場を持つことになるらしい。その子を高校卒業するまできっちりと育て上げたのは、間違いなくおばあちゃんであり、おじさんではないということを、うちの家族ならだれでも知っている。私でさえ。だから、堂々と自分で男のところに行って、「よくも私のかわいい孫に手を出したわね、どう責任取るつもり!」とでも言ってやればいいのにと思うのだが、どんなに女が稼ごうが、男の方が「上」であることが常識のこの国で生まれ育って80年近く経つおばあちゃんには、そんな発想はない。男がいかなければならないのである。何もかも間違っている。時々、その子のFacebookを見ていると、「世界で一番素敵で大好きなおばあちゃん」と書いておばあちゃんの写真を投稿していたりする。そんな風に思う年老いたおばあちゃんに、いまだに一日中働かせて食べさせてもらっているのかと思うと、いたたまれない。鬼のような孫だというのが私の本心である。とてもお友達にはなれそうにないので、Facebookのお友達は解除した。こんな国で、こんな家族に囲まれて暮らしていると、うちの子たちが二人とも女の子であるため、ついつい想像してしまう。もしかすると、この子たちもそのうち・・・と。ラミンは一切向き合いたくないようだが、私は結構本気に考えておくべき問題だと思っている。うちの子たちなら大丈夫だなんて、そんな保証はどこにもない。日本国籍を持つ(しかもかわいい)彼女たちを狙う男の子たちはいくらでも現れるはずである。ちゃんと考える力を付けさせることにもっと気を使わなければならない。会話をしよう。・・・・・。やっぱり考えたくないね、こんなこと。想像しただけで落ち込むわ。
2日前あたりからラマダンが始まった。今年は5月13日からなのだとか。正直、ムスリムの家庭に生まれなくて良かったと毎年思うくらい断食をする意味が分からない。ラミンのおばあちゃんたちはかなり敬虔なムスリムなため、すでに1週間前から断食を始めているらしい。改めてウィキペディアで調べてみると、断食することによって空腹や自己犠牲を経験した、飢えた人や平等への共感を育むことを重視する、と書いてある。世界の最貧国のひとつであるシエラレオネは、はっきり言って、飢えた人ばかりである。それにもかかわらず、さらに飢えを経験する必要がどこにあるのかと不思議で仕方ない。しかも毎年。飢えへの感覚とはそんなに忘れやすいものなのだろうか。経済が悪化し続けていて、近所を歩けばあちこちで、この政権のせいでお腹が空きっぱなしだ、とかなんとか言っている会話をよく耳にするが、実はまだまだ余裕があるのではないかと疑いたくなる。私はシエラレオネに来て、極貧時代を数か月経験した、2度と経験したくないと思っているし、子供たちにもあんなひもじい思いはさせたくないから、頑張って働いている。わが家では、リウのみが断食をしている。やめろ、と言いたい。明日にでもやめろ、と。小学校6年生であるリウは、来月には国の小学校卒業試験を控えている。この大事な時期に、朝から晩まで空腹なまま、学校でどれだけ集中して勉強できるというのか。家に帰ってきては家事の手伝いをしたあと、モスクに行き、夜9時ごろに帰ってきてご飯を食べて寝るという生活で、とても受験生とは思えないほど無駄な時間を過ごしている。アラーに祈っているのか?試験がうまく行きますようにと?アラーはテストの答えを教えてくれるのか?次の問題はBをマークしろ、とでも?やめろ。今すぐやめて来年改めてやればいい。飢えを知りたいならランチ代をいくらでも削ってやる。だからこの時期くらい勉強しろ。と、私がどれだけぶつくさ言ったところで、誰も共感なんかしない。一方でラミンは、今年は絶対断食すると宣言していたが、やはり例年通り、1日たりとも断食せず、なんなら酒も飲んでいる。いい加減自分がムスリムではないと認めればいいのに、と思う。無宗教万歳、と私は心の中で例年通り呟いている。
先月あたりから、よくジュリちゃんがピザを食べたいと言うようになった。何年も前にピザを買って家に帰ったことがあるのだけれど、子供たちふたりとも口に合わなかったらしく、まったく食べてくれなかったので、それ以来買っていない。ところが、最近海外のキッズユーチューバーの動画を見るとあちこちにピザが出てきて、とてもとてもおいしそうに見えるのか、急にピザを食べたい、とジュリちゃんが言うようになった。リサちゃんは相変わらずピザは食べたくない、という。そもそも、ふたりともチーズが食べれないのである。「チーズ食べれないんだからピザなんか絶対食べれないでしょ」とジュリちゃんに説得を試みるも、「でも食べてみたいの!もし今度食べてみて無理だって思ったら、二度とピザを食べたいなんて言わないから!」と主張してきかない。しかしこの一か月結局、ピザは買っていない。どうせならおいしいのが食べたい、と思うものの、私の通勤経路でおいしいピザが売っていそうな店なんてない。どうせなら手作りするのもいいかもね、と思い(私には、ろくに普段料理もしないくせに、難しいことには挑戦したがる悪い癖がある。)、日本語の勉強もかねて、子供たちふたりと一緒にYouTubeで手作りピザの動画を見始めた。ひとつめの動画を見ていると、ふたりそろって、「こんなのピザじゃない!」とブーイング。アボカドとか乗せてるから?と思い、別のピザ動画に切り替えると、ふたりともさらに怒り出して、「これもピザじゃない」という。じゃああなたたちふたりの言うピザってどんなのなの?と聞いてみても、食べたことがないので(正確には食べた記憶が残っていないので)答えられない。答えられないふたりに、「ほら、知らないでしょ?あなたたちが知らないだけで、これはピザなの!ピザにもいろいろあるの!」というと、じゅりちゃんが、「っていうかさ!そもそも、お母さんも動画の人たちも、みんな「ピザ」って言ってるけど、ピザってなに?!それってやっぱり「ピッツァ」じゃないよね??私が食べたいのはピッツァなの!」と言われてしまった。(思わずサンドウィッチマンのm1ネタを見返したよね。)勝手にピザに脳内変換されてたけど、確かに二人はずっとピッツァって言ってた。ピッツァかーーー。そう言われたら、食べたことないのかもなぁと思い、またしばらく買ってあげるのは延期になりそう。
悲しいかな、うちの家族の誰かの盗み癖がなくならない。極力お金を家に置かないようにしたけれど、全く置いておかないとなると、それはそれで何かあった時に困るから、ある程度は置いてる。が、ほんのちょっとの隙を見せると、間違いなく無くなってる。複雑な気持ち。悲しい。うちの子たちじゃなければいいなと思うけど、うちの子達じゃなければどうでもいいってわけでもない。ラミンならいいなとも思う。でも、「ちょっとあれが欲しかったから、ちゃんと返すから」とか、ちゃんと正直に言うのよ、あいつ。今までの状況証拠で言うと、リウの可能性が高い。とはいえ状況証拠は証拠ではないので、誰を責めることもできない。うちの子たちと結託してる可能性もゼロじゃないしね。隙を作った私の責任、であることは間違いない。でも、やっぱり悲しいなー。一度盗み始めたら、抜け出せないんじゃないだろうか。死ぬまで続けるの?そうゆって生きていくの?努力することを諦めて?あなた自身と神様は見てるのよ。悪いことって、どうやったって続けられないのよ。絶対どこかでばれるのよ。あなたの将来が心から心配です。
シエラレオネの教育レベルは非常に低い。とにかく低い!かなり識字率は上がってきていると予想しているが、理数系は全然ダメ。教師の給料はとっても低く、多少優秀な人間は教師なんかじゃなく、別の職業に就きたがる。日本では数多いる「将来の夢は先生になることです!」なんて言葉は子供たちから聞いたことがない。かく言う私も、将来は小学校の教師になりたいと中学時代に言っていたものである。あなたの能力じゃ無理、と私より少し成績の良かったクラスメイトに言われてあっさり諦めた程度の気持ちではあったが。だが、シエラレオネでは、先生なんて、多少文字が読めれば誰でもなれる。本当に!大学を出た人間の中でも、落ちこぼれの部類に入るかもしれない。何人かの教師と話をしたことがあるが、ほかに仕事が見つかればすぐにでも辞めたいと言っていた。そんなわけで、シエラレオネのあらゆる学校で、その落ちこぼれたちが単なる腰掛として子供たちを教えているので、どう考えたって優秀な子供なんて出来上がらない仕組みになっている。(学費の高い私立はまた別の話。)うちの子たちは私立の学校に通っているのだけれど、やっぱり、そこまで優秀な人材はいないので、時々スペルミスを見つけたりもする。たまたまではなく、毎日同じスペルで書いているので、どう考えても間違って暗記しているパターンである。それでも、英語や社会などの、文系の科目はまだいい。なにせ、ある程度までは私が教えることができる。シエラレオネの小学校の教科書を、わりと楽しみながら一緒に読んで一緒に考えたり解説したりしている。ところが、算数を教えるとなると、迷いが出る。私は算数を教える資格がない脳を持った人間なのである。算数や数学ができなかったからという理由だけで判断したわけではなく(数学の成績は結構良かった方!だと思う)、数学ができる人間とはこういう人を言う、という友人と高校時代に出会ってしまったため、私みたいな人間が算数を教えては絶対にダメなことを知っているのである。ほとんど学校をずる休みして他の科目はめちゃくちゃダメだったのに、数学だけは公式なんか知らなくてもなんとなくできちゃってたSさん、あなたのせいですよ!!元気にしてる?将来的に、村に移住して、寺子屋みたいな小さな塾とかやって、少しでもシエラレオネの教育に貢献できたらいいなと思っているのだけれど、算数と数学に関しては、私に教えられても未来が無い。かと言ってシエラ人にも期待できない。現在私に教えられているうちの子供たちに関しても同じことが言える。今のところ、学校内で算数の賞をもらってきたりしている彼女たちだが、理系で花開くことは絶対にないのだということを私は知っている。だって、私に教えられているんだもの。恐ろしい。かわいそう。先生には教えられないから私が教えているのに、その私が可能性を潰している。悩みは尽きず、眠れない。(昨日寝過ぎた上にコーヒー飲んだせいかもしれない。)
今日の夕飯はキャッサバの葉のシチューだった。子供たちのリクエストにより、ラミンが作ってくれた。わざわざリクエストをするくらいなので、ラミンの作るキャッサバの葉のシチューは美味しい。ところが、今日のはとても苦かった。一口目でみんなが感じた。とにかく苦い。ラミンは、冷蔵庫に入れていたから苦くなったのかもしれないとショックを受け、作った本人なのに、とても食べられないと言ってピーナッツスープを作り始めた。私は、ずいぶんと前に、ミキサーにかけたキャッサバの葉は苦くなる、という話を聞いたこと思い出した。ミキサーにかけることと苦味とどう関係があるのかと疑わしく思っていたが、ラミンに聞くと、確かに今日のはミキサーにかけてもらった、と言う。確かにそれが原因かもしれないとうなずいていた。みんながスプーンを早々にテーブルに置き始める中、私だけが食べ続けた。苦いからと言って、不味いとは思わなかった。懐かしいような気がして、なんの懐かしさだろう、と思い、ネットで、「苦い食べ物」と検索してみたら、ゴーヤ、ピーマンなどが出てきた。なるほど、と思った。ゴーヤの苦味にちょっと似ているので、おいしいと思えたらしい。ピーマンはちょっと違う。シエラには苦い食べ物とか確かにないかもしれない。日本にはこう言う苦い食べ物を好んで食べることもあるよ、と言うと、ラミンは驚いていた。そうなんだ!ありえない!と言って、出来上がったピーナツスープのかかったご飯を渡された。そっちの方が断然美味しかった。
さて、相変わらず時々近所のダンサーであるテクノたちのグループがビデオを撮ってくれとわが家にやってくるので、撮影している。なので宣伝。彼らの選曲が好きだったりする。彼らがダンサーとして生計を立てることができますように。。
今日は最近の憂鬱についての記録。老いたなーと感じている。心も体も。何にも興味を持てない。本能と直感だけで猪のようにやりたい事だけやってきた20代と30代前半。ほぼ一文なしでアフリカに来たけど、来る前も来た後もなんとかなるっしょと思ってた。(実際なんとかなってるのが問題なのかもと思っている。)でもね、もうそんな風に思えないのよ。やりたいことに突っ走れなくなったのよ。子供を産んだ責任感だけで生きてるようなもので。産んで良かったと毎日思うけど。でもなんだか疲れた。生きてるだけの毎日。子供たちには、こんな国で生きててくれるだけで、ありがたいと思うし、毎日仕事から家に帰るまでの間、ちゃんと子供たちが生きていますようにと祈り続けてるんだけれど。自分が生きてるだけの状態ってのはやっぱり嫌なのよね。生きるしかばねですよ、今の私は。アフリカにいて刺激が足りないと思うようになるとは露とも思わず。病気なんかもしれんな。と思って、ネットで「刺激 依存 原因」とか調べる始末。もうねー、頭ではこんなのないものねだりだってわかってるんだけど。あー。鬱やなー。とため息が出る。子供たちよ、お母さんは人生で初めて人生に飽きてきたよ。そんな日があなたたちにこないようにするためには、何を教えてあげるべきなのか、今、必死に考えてるよ。
今年の誕生日に思い切って冷蔵庫を買った。以前の冷蔵庫が火事で燃えて以来、4年ぶりくらいのはず。久しぶりに冷蔵庫を買ったものの、この数か月、冷蔵庫を生かすことが出来ていなかった。ほかのアフリカ諸国の家庭ではどうなのかしらないが、シエラでは、冷蔵庫の電源を一日中オンにしておくことに抵抗がある人が多いらしい。うちの家族も例外ではなく、4年前に持っていた冷蔵庫を買った当初も、一緒に住んでもいないラミンの家族がうちに来ては、私のいない間に勝手に冷蔵庫のコンセントを外していた。腐らせないための冷蔵庫が、電源を切った瞬間、ただの湿気の多い箱となり、あらゆるものが腐っていった。電気代がもったいないからと、良かれと思って、勝手にコンセントを抜くのである。電気代がもったいないと、数百円を節約し、その度に千円以上の食料が腐っていく。当然私はキレた。電気代を払うのは私であってお前たちではない、とにかく余計な気を使うのはやめろと。今年、久々に冷蔵庫を買うと、同じことが起きた。私が見ていない間にこっそりコンセントを抜くのである。当然、食料は腐っていく。そもそも、この国には365日、24時間電気があることなんて保証されていない。ここのところもずっと、夜になれば停電が起き、携帯のトーチライトを利用してご飯の準備をしたりしている。計画停電で何時から何時まで電気がない、と決められているのならともかく、いつ停電になるのか、どれくらい続くのか、まったく見当がつかないまま、さらに自分たちでも電源を切るということに全く納得が行かない。何度も説明しても、私が全て責任を持ってどんな金額になっても払うから、と言っても、ほとんど何も入っていないのにもったいない、と言って電源を切られる。こちらとしては、そうやってすぐに電源を切るから、食料を腐らせなくて入れたくないのである。だいたい、ほとんど入っていないと言うが、ほとんど、と言うことは、多少は入っているのである。それが腐っていく。家に帰って飲もうと思って買っていたビールも冷えていない。堪忍袋の尾が完全に切れた状態の私は、冷蔵庫を私の部屋に持って来させた。少なくとも私がいる土日、仕事から家に帰ってきてから翌朝起きるまで、オンである事を常に確認できる。前置きが長くなったが、この日以来、私はようやく冷蔵庫を活用し始めた。フルーツを凍らせたり、麦茶を入れてみたり。家に帰ると常に冷たいお茶やお酒が飲めるようになっている。凍らせたバナナをラップに包んで子供たちとバナナアイスを作るのは懐かしい気分になるし、チョコレートを冷やすので外の暑さで溶けたチョコを食べることもなくなった。土日に準備した食料を保存して、ランチに持っていったりして節約することもできている。そして今日、初めてバニラアイスクリームを作ることにした。子供たちと一緒にネットを見て作り進め、なんかちょっと違ってるかも??と思いながらも準備をして、冷蔵庫に入れた瞬間、停電になった。子供と一緒に泣いた。(ラッキーなことに、今回は30分で戻ってきたけど、なんだかしゃりしゃりしてて、アイスクリームとは言えなかった。)
今年もthanksgivingが無事に終わった。と言っても、コロナのせいで今年は街中でのマーチはなかった。毎年日曜日におこなわれて街中に飛び出してブラスバンドを鳴らしてみんなで歌って踊りながらマーチするんだけれど、今年は学校で全て完結。平日だから仕事もあるし、行こうかどうか悩んだけど、小学校時代なんてあっという間に終わってしまうのだから、こういう行事を大事にしようと思って仕事を数時間抜け出して参加した。ラミンは来なかったのだけれど、後から本当に後悔していた。なんと、リサちゃんがみんなの前でプリフェクトに任命されたのである!!私は劣等生だったし、ラミンは言わずもがな。記念に写真を撮りたかったけど、撮れなかった。というのも、先生に呼ばれた何名かの保護者代表が、プリフェクトに選ばれた子供達にバッジをつけてあげなければいけないのだが、今年は私がその保護者代表の1人に選ばれ、バッジを付けた数人の子供たちの中にリサちゃんが含まれていたのである。司会をする先生に、「ミセスカーボ!ミセスカーボ!」と呼ばれたときは、どうか私のことじゃありませんように、と祈ったけれど、「リサのお母さん!」と呼ばれたので観念して前に出た。そんなわけで、写真もビデオも撮れなかった。恥ずかしながら、緊張で手が少し震え、バッジを二回も落としては、ごめんね、本当にごめんねと謝る始末。それでも、リサちゃんにバッジを付けてあげるときは感慨深かった。頑張ってるんだね、と思うと心から嬉しかった。直後に、ラミンから電話がかかってきて、まだ終わらないのか?いつ迎えに行ったらいい?と聞かれたので、あなたはリサちゃんの大事な場面を見逃したわよ、と説明すると、めちゃくちゃ悔しがっていた。ラミンがこの手の学校行事に参加しないのは、入り口で名前や電話番号を記入して、署名をしなければいけないと思っているからである。名前も電話番号も署名ももちろん書けることは私も知っているけど、小学校を卒業していない彼にとって、何か全然知らない単語を見て何も書けない、なんてことが万が一起きて、恥を晒したくないという思いがあるらしい。今日初めてそれを聞いた。そういう記入が求められるのはPTAミーティングの時だけだから、もうちょっと学校行事に参加すべきと説得してみたけれど、期待はしていない。
シエラレオネに住んでずいぶんと年数が経つけれど、私はFGMがおこなわれる現場に立ったことはない。たくさん少女の通過儀礼として、まだまだ当然のようにおこなわれていると噂で聞くだけである。シエラレオネでは、FGMはボンド(bondo?スペルは分かんない)とかsecret societyと呼ばれており、そのため、こっそりと内々におこなわれるイメージがある。ところが、おそらく儀式(と呼んではいけないかな。)そのものはおそらく内々で行なわれるのだろうけれど、どうやら、その後は大々的に終了後のお祝いを行なうということを初めて知った。先週の日曜日、ダンサーたちがビデオを撮ってほしいと言うので外に出ると、大勢の人々がうちの目の前の坂道を大声で楽しそうに歌いながら降りていく姿が見えた。うちの子たちとそれを見ながら、結婚式の帰りかな?などと話をしていた。ラミンに、これってやっぱり結婚式の後?と聞いてみると、苦笑いして、「ボンドが終わったんだよ」と言われた。絶句した。しばらく坂道を降りていく集団を見ながら、なんでそうだと分かるのか聞いてみたら、合唱してる歌がボンド後に歌われる歌だし、ほぼ全員女性で、小さな女の子たちまできれいにアフリカンドレスで着飾っているから、とのこと。確かに・・・!! 結婚式だとこんなにたくさんの着飾った子供が参加することはない。男性だっているはず。坂道を降りていく彼女たちを、道ゆく人たちが拍手して一緒に歌いながら迎え入れていく光景に、私は絶望した。FGMはやめよう!とどれだけ外の人間が叫んだところで、きっと何も彼女たちには聞こえていない。
相変わらず応援してます、Tekno invisible dancersのみんな。テクノのスペルがいまだにどれが正しいのか知らないけど。technoだとら思ってたけど本人からもらうメモリースティックの音楽のデータにはTekno とtecnoが入り乱れてるから、よく分かんない。さて、数か月前に主要メンバーの1人が女性問題でトラブルを起こして警察に捕まったかなんかで、しばらく見かけなかったけど、最近またちらほらと姿を現し始めた。ダンスコンテストのためにお揃いのコスチュームを新調したいからと言われたので、数千円くらい渡したその直後にその子が捕まったものだから、その子を警察から出すのに使ったと言う。合わす顔がなくてしばらくは私のとこにはこないかもな、いや、しばらくどころかもう二度とこないかもなと思っていた矢先に、飄々と何事もなかったかのようにうちにやってきた。ビデオ撮ろうぜって。いいけどね。ダンスを間近で見れるのはやっぱり嬉しいから。人数が増えていて、ちょっとパワーアップしてた。昼間はそれぞれやることがあるせいか、夜から練習を始めるダンサーたち。だから雨季は練習量が減るのは仕方ないのだけれど、なんていうか、もう少し、環境を整えてあげたいなとは思う。できないんだけどね。やっぱりね。あれもこれもはできない。だから彼らには練習できるときに集中的に頑張ってもらうしかない。随分前に載せたYouTubeの動画に、ヘタクソがいるから頑張れというコメントを頂いた。ただ下手くそって言うだけじゃなくて頑張れって言ってくれるのが優しいじゃん。名前からしてシエラ人だと思うけど。その下手くそと言われた子はどうやら結構前にチームを抜けたっぽい。チームが大きくなったらまた戻ってくるのかな。私、テクノの選曲結構好きなのよ。観てね!!フーラーベイカレッジ付近で最近ビデオ撮るようになりました。広々としていいね。うちの子たちが走っているとこもちらっと映ってるよ。
3月末あたりだったと思うけど、シエラレオネはなんとコロナ感染者が国内で1人も出ていない段階で、空港を閉めるという決断を下した。学校も閉鎖にした。1人も出ていない段階で。教会もモスクも閉鎖。それでも、なんだかんだポツポツと感染者が出始めて、リベリアやギニアの国境はすぐに封鎖したけれど、県間移動を後回しにしたせいで、フリータウンからすべての県に感染者が広がることになった。これからどんどん南アやガーナのように増えていくのかな、隣国のギニアもどんどん増えてるし。と思っていたら、案の定少しずつ感染者数は伸びていった。エボラと同じだと思っている節のあるシエラ人は、どうやら具合の悪い人にのみ近づかなければ問題ないと思っているのかもしれない。フリータウンで周りを見ると、誰もマスクなんてしてやいない。してても顎に引っ掛けてるか、鼻を丸出し。そんな中、ECOWAS加盟国による強い圧力?により、なんと空港を開けることになり、国境もすべて封鎖解除。県を跨ぐ移動禁止も解除。小中高の最終学年の生徒は学校再開。モスクも教会も開かれることになった。もう一度言うが、フリータウンでは誰もなんの対策もしていない。店の前にバケツとソープを置いてある程度。いくつかのオフィスやお店ではマスクなしでは入店お断りと書いているのだけれど、顎にかけて入店しても問題ない。店員も事務員もみんなそうだから。どうやら地方は結構厳しく取り締まりをされているという噂は聞く。罰金も本当に取られるらしい。フリータウンも公共の場でマスクをしていなければ罰金を取ると通知はされているが、ほぼ全員していないので取り締まるとか不可能なのだと思う。警官がそもそも顎マスクなので、捕まえるにも説得力を持たない。そんな中、学校以外をほぼすべて元どおりの状態に戻した。これは一気に増えるのでは、と構えていたのだが、日に日に数が減っていく。感染者数ゼロの日もちらほら出始めた。いやいや、これは一体なんの茶番ですか?厳しく取り締まってる地方ばかりに感染者が現れて、フリータウンゼロって。これはもう、「勢いで全部を解除する決定をしてしまったので、そのせいで増えたと批判をされないために、数字をそれっぽく操作しちゃおう!」という方向に転換したということでよろしいですね?どんな数字だしても誰も何も気にしないですもんね。そうですか。よろしい、ならば、私も思い切ってその数字をあえて鵜呑みにして、清掃活動を再開しましょう。ナショナルクリーニングはまだ再開されていないけれど、そもそもお金がなくて継続できないという噂もあるし。私たちは私たちでやりたいようにやらせていただきます。早く再開して欲しいとせっつかれる度にチームがストレスを感じているようなので。ということで、8月から清掃活動再開しようと思う。かと言って、常識的な日本人として、なんの対策もせず通常通りやるわけにもいかないので、いくつか条件付きとなる。①マスクをしていない人からのゴミは受け取らない。顎マスク、鼻丸出しマスクもお断り。ボランティアも同様。それやったらお駄賃あげません。②ソーシャルディスタンスも絶対。いつも大勢で駆けつけてくるけど、それもしない。③家庭ゴミだけでなくストリートもきっちり掃除する。最低この三つを守ってもらうようにラミンにお願いした。そのかわり、マスクも清掃当日までにできるだけ多くの人に配布する。街中で販売されている手作りのマスクの価格が大体3000リオン(約30円くらい)だとラミンが言うので、じゃあ500個くらい買いましょうかと言ったら、自分たちで作るからそのお金をくれと懇願された。そうね、あなたたち、ミシン使えたっけ。布代作業代込み込みで一個3000リオンまでしか出さないけど全然問題ない、と言うので、お願いすることにした。今日早速64個完成した。1週間いらないかもね。そんなすぐできるもんなの?よろしいよろしい。円滑に清掃活動は再開して市役所になんの文句も言わせないように、ほかにもいろいろ対策を考えて成功させましょう!
最近ラミンがリウをしばくことが増えた。今までブツブツと言いながらも、しばくことろまではなかなかいかなかったのに、近所からのリウへの苦情が減らないことに対して、引き締めていかねばならぬと考えているらしい。本当にどこででも誰とでも喧嘩をするし、あちこちで物を破壊するし、問題児であることは間違いない。先日はリウにお使いにいかせたら、その帰りにリウがパンを買おうとしている友達に遭遇し、どういう経緯か分からないが、リウがそのパンに指を突っ込んでほじくったという。もうこんなパンは食べたくないから新しいのを弁償して欲しい、という苦情が来たのである。その苦情を受け、ラミンはリウを裸にし、しばき棒でめちゃくちゃにしばいた。朝ごはんは食べさせてもらったのかとラミンが質問し、もらいましたとリウが答えると、なのになぜ人の食べ物に手を出したとしばく。昼ごはんを食べさせてもらったのかと質問し、食べさせてもらいました、と答えれば、なのになぜ人の食べ物に手を出したのか、としばき、夜ご飯はどうだと聞いて食べましたと答えればしばく。おやつまでもらっておきながら、他人の食べ物にまで手を出すのはなぜかと問い、理由はありませんと答えてしばかれる。二度としないから、とリウが叫びながら泣いても手を止めなかった。最終的には間に入って止めたが、この件に関しては、リウは昔から何度も何度も注意されていたのにまだ繰り返していたので、一度痛い目に合わないと分からないという考えはなんとなく分かったのでしばらく遠くから見ていた。育ち盛りだから仕方がないと私は思うのだが、この国では子供がよその家でたくさんご飯を食べる事を嫌う。私たちがリウにろくにご飯を与えていないに違いないと噂されているに違いないと言って恥ずかしくて恥ずかしくて仕方がないらしい。今日は、夜ラミンが家に帰ってきてiPadで映画を見ようとしたら、いつもの場所に置かれていなかった。リウにiPadどこか知らないかと聞くと、「朝鞄の中に入れて学校に持っていった」と小さな声で答えた。その瞬間ラミンに部屋に連れていかれ、また裸にされてベルトでしばかれ始めた。その後、裸のまま外に連れていかれ、しばらくベルトでしばかれた。iPadはどこだ?とラミンが聞けば、リウは分からないと答えてしばかれる。どこに置いたんだと聞けば、リウが朝鞄の中に入れてからどこにいったか分からないと答えてしばかれる。その繰り返しだった。プチ家出を公言し、リウの勉強を見てあげることもやめた私がこの家族に何か言うのも違うような気がするが、そもそもそのiPadは私の所有物であり、画面がバキバキに割れてしまって反応も鈍いし音もほとんど聞こえてこない状態なので、もういらないと思っていたものである。私の所有物のせいでリウがしばかれていると思うともう悲しさでいっぱいで、止めさせた。もうその怖さに震えて震えて、パニックになっていたので日本語で、お願いだからやめて、と懇願した。今、少し時間が経って考えてみると、本当に納得がいかない。しつこいようだが、お前の妹は妻のいる男を寝取っておきながらのうのうと子供を産み、相変わらずその男から金を搾り取っているのに誰も注意しない。私のいらない壊れたiPadを不本意になくしたリウじゃなくて、意図的に妻のいる男を盗んだあの女をしばきに行けよ。と言いたい。言ったら余計に腹の立つ態度を取られるだけだから言わない。だいたいお前も私の許可なしに勝手にパソコン持ち出したりスピーカー持ち出したりしてるだろう!イライラするが、私よりもラミンの方がリウの事を好きなのは私もよく知っているので、とても複雑なのである。もうこの家族とは関わりたくないし引っ越したらリサちゃんジュリちゃん以外連れていかないとこの前言ったら、リウは連れていってあげて欲しいとラミンに言われた。赤ちゃんの時からずっと一緒にいるかわいい弟分であることには変わりないが、その分悪い事をしたら容赦なくしばく。時々、私はこの国の人間じゃないからこの国のしつけに口出しはするな、とラミンが言う。特に男の子を舐めてたら痛い目に合うぞと。大人に逆らうと痛い目に合う事を知っているこの国の子供たちに反抗期で親や先生に逆らうなんてことは聞いたことがない。日本の状況を考えれば、ある意味これは間違いではないのかもしれない。それでもね、やっぱり限度ってものがあると思うのよ。裸にする必要はないよ、絶対。
日曜日からここ数日、プチ家出中である。ラミンの家族とはいえ他人との同居、経済的に自立できない家族からのたかりでずっと蓄積されてきた小さかったり大きかったりするたくさんのストレスが爆発した結果、うちの家族との冷戦に突入した。ラミンとは話をするけれども、おかあさんとは話していない。そもそも今回私が怒り狂った原因はとってもとってもくだらないことである。隣に住むおじさん夫婦の家と、私たちは一つの電力メーターを使っていて、料金を折半している。例えば今日ユニットがなくなって私が3万リオン分トップアップしたら、次回のユニットは3万リオン分おじ夫婦が負担する、という感じ。3万リオンといえば今のレートだと約300円くらい。私は冷蔵庫もテレビも持ってないし、日中は仕事なので夜に豆電球二つを使い携帯やラップトップを充電するくらいだから一か月近くはその料金で何とかやっていける。ところが、おじ夫婦はおばさんの唯一の趣味がテレビ鑑賞であるからか、どでかいテレビを持ち、先月あたりから冷蔵庫も稼働し始めた。この冷蔵庫を使い始めてから、ユニットが異常に早くなくなるようになった。(ストレスレベル2)当たり前である。やたらと早くユニットがなくなるようになったが、私はそりゃそうだろうと思って特に文句も言わず彼らと同じ料金を払い続けていた。ところが、先月ユニットがなくなって彼らの番だと言うと、おじがブチギレて(ストレスレベル5)、私の番だと言ってきた。(ストレスレベル1)12月に入って私が一度も払っていないのに自分が立て続けに支払っていると叫び始めた。(ストレスレベル10)私はユニットを購入した証拠とそのユニット数を見せたが、誤りもしない。(ストレスレベル2)その上彼が買ってきたユニット数を確認すると、私がいつも買ってるユニット数より少ない。(ストレスレベル2)私でさえ我慢している冷蔵庫やテレビを使っているため、どう考えてもおじ夫婦の方が電力消費量が大きいくせに、私よりも少ない金額のユニットを買って素知らぬ顔をしていたのである。しかも私が払っていないとブチ切れた。それでも私は我慢してやった。ろくな人間じゃないなとは思っていたけれど、特に相手をすることはしなかった。おじ夫婦がトップアップしたユニットが少なかったので、ユニットがすぐになくなった。(ストレスレベル1)まぁそうだろうなと思い、私はまたトップアップした。そのすぐ次の週あたり、またユニットがなくなったのである。その直前、おじ夫婦の家ではでかいテレビでいつものように映画を鑑賞しており、ラミンの妹(高校卒業前に不倫した相手の子供を身ごもり相変わらず不倫相手に経済的支援をしてもらい食事はうちのをこっそりわけてもらい働きもしない)が私に隠れてこっそりおじ夫婦の家に入り、一緒に家がを見て楽しんでいた。ストレスレベル94(苦しむ)!!最高潮にストレスゲージが上がっていた中、また私が払う番だと言われた。冷戦突入の幕開けである。おかあさんからすると、なぜ自分が原因ではないのに無視されなくてはならないのか、とストレスを感じているに違いない。でも、ストレスレベルで分析すると、どう考えても私がストレスを感じているのは電力料金の支払いではなく、あの妹の存在であり、あいつを誰の意見を聞くことなく連れてくる決定をしたのはおかあさんなのである。無職のおかあさんがその妹の面倒を見れると思って連れてきたのは私の稼ぎがあるからこそであるにもかかわらず、私の意見を聞かずに連れてきたことを私はずっと根に持っている。そこにきてなぜ私があいつの娯楽のために無駄に電気料金を払わなくてはいけないのかと言う思いがあり、爆発した、という経緯である。実にしょうもないことで腹を立てていることは重々承知で、こうやって書きながら恥ずかしさで死ねるほどであるが、そういう人間なのだから仕方ない。二度とあいつらの電気料金を負担したくない、と思い、電気のない隣の家に引っ越した。朝出かける時以外顔を合わすこともあまりない。電気のない真っ暗な家の中で夜を過ごしているが、そこに対するストレスはほとんどなく、少し落ち着いてきた。でもだからといって関係性を今修復してしまったら、カモに戻るのはわかりきっているので、とにかく遠くに引っ越して距離を置けるように、ラミンががんばって部屋を探してくれている。唯一助かっているのは私だけでなくラミンもこの家族にうんざりして出て行きたいと思ってくれている点かな、と思ってほっとしている。早く引っ越しできますように。
アフリカのあちこちでまだまだ蔓延っているFGM、いわゆる女子割礼というものに対して、私はこれまで、それほど興味を持ってこなかった。せっかくアフリカに住んでいるのだし、女性の立場としてもっと興味を持って声高に「無知な少女たちに対してこんな暴力はやめろ!」とかそういう運動に参加でもできればいいのだが、それはつまり、実際何がおこなわれているか知らなければならないということに直結する。大学時代の同期が卒業論文のテーマにFGMを選んでいたので、その発表を通して初めてFGMについて知ったのだが、彼女の話を聞きながら、その痛々しさに途中から私は耳を閉じてしまった。大学の授業でビデオが流れたときもあったが、その時も固く目を閉じた。どう考えても無理だと思った。ところが、興味がないなんて言ってられないようなことが起きた。アフリカには、女子割礼のみではなく男子割礼というものもあり、これに関しては、ラミンも赤ちゃんの時にさせられたらしいという話をよく本人から聞くのだが、男でない私には痛みが全く想像できないので、興味津々で話を聞いてみたりする。ちなみにラミンは男子割礼推奨者である。男はみんなやるべきだ、とか言っている。つい最近、ラミンのお母さんは女子割礼経験者なのだろうかとふと疑問に思ったので、今日たまたま、その事を思い出し、ラミンに聞いてみた。ラミンのお母さんはフリータウンに生まれてるけど、おばあちゃんは村から来た人なので、もしかしたら世代的にもFGM経験者なのかもしれない。すると、「もちろんやってるよ。カディアだってやってるし」と言われた。なんと妹が経験者(というか完全に被害者)なのだということを今日初めて知った。さらりと言われたことに衝撃を隠せない。上の妹も年の近い従姉妹の女の子たちもみんな経験者なのである。ラミンの記憶によると、彼女たちは6歳くらいの時に女子割礼を強制されたのだという。今のリサちゃんと全く同い年である。どう考えたって、何をされるかなんか説明されても理解できるような年齢ではない。突然不安になった。まさかリサちゃんジュリちゃんにそんなことやろうなんて考えてないでしょうね!?と、顔面蒼白状態でラミンに問い詰めたら、そんなこと2人にやったら連れて行った奴もやったやつも全員殺す!と言っていたので取り合えず安心した。そう、彼は男子割礼は推奨するが女子割礼には反対なのである。すでにお母さんやおばあちゃんにも話してあるからというのだが、そんなことが議論に上がることそのものが恐ろしくてたまらない。こういう犯罪的な暴力を文化だとか伝統だとか言って娘にやってしまえる人たちなのだと思うと、お互いを理解するのが難しいのは当然であるということを改めて突きつけられたような気がした。
ラミンの妹がBECE(国の中学卒業試験)でとんでもない結果を持ち帰ってきた。酷いったらありゃしない。ほぼ全ての教科が不合格である。高校に上がる資格はないと言われたに等しい。勉強が全てではないのだし、シエラレオネだって日本と同じで、大学さえ出てれば職にありつけるとか、そんなものは幻想でしかないのである。文字は読めるようになったのだからそれでよしとして、勉学の道は見限って、さっさと手に職をつける方向に向かうのがいいのではないか、と私は思っていた。ところが、案の定、お義母さんと妹は今日2人であちこちフリータウン中を歩き回って受け入れてくれる高校を探してきた。ほとんどの学校には断られたらしい。いくつかの学校は、受け入れてもいいが、高校卒業試験は受けさせないがそれでもいいなら、との条件付きである。結局、アバディーンという、うちからとても遠いところにある私立の学校のみが受け入れてくれたそうだ。当然、交通費もかかる。それでも、大金を叩いてすでに制服や教材まで買ってきていた。ここまで基礎的な学力がない中、何を学びに高校に行くのか?どんな将来を期待しているのか?ちゃんと考えているように思えない。この状態で高校に通ったところで、結局何も変わらない。ただ毎日遠い場所に行って友達に会うだけである。また、義母が説明するには、その学校に通って、高校の勉強をしながら、来年また同じ中学卒業試験を受け直させてあげると学校に言われたらしい。私はそこに待ったをかけた。私は彼女がこの3年間毎日休まず学校に通っていたことも知っているし、家でもノートを開いて勉強していたことを知っている。それでも、結果を残せなかったこの状況から、どうしてあと一年勉強すればいい結果を出せると思えるのか?この状況を改善するために、どんな打開策があると考えているのか?その点について聞くと、神様がなんとかしてくれる、と言ったので私は激怒した。私は、彼女に何か将来的にやりたい目標があるのなら、高校でもなんでも行けばいいと思っている。それでも、基礎学力は必要だし、中学の勉強についていけない人間が高校に入って突然できるようになるとか、そんな奇跡を私は信じない。本当にやる気なら、小学校の勉強からやり直して、どこでつまづいているのかをちゃんと理解して、これまでの大きな大きな遅れを少しずつでも取り戻そうとする努力を見せて欲しいと伝えた。一番聞きたかったのは、彼女には将来的な目標はあるのかということである。彼女は、ジャーナリストになりたい、と呟いた。この国ではあまり聞かない夢である。みんなだいたい医者と弁護士をあげるから。だったら、真剣であることを証明するために、小学校の教科書を読み直しながら、新聞もどんどん読みなさい、と言った。字は読めるんだから。新聞を毎日読んで、要約をTwitterに載せるのもいいかもしれない、と思った。これはなかなかいいアイディアだと思う。学級新聞みたいな感じで独自のニュースでも、この国のニュースでも、何か自分で考えたりまとめた内容を伝えるYouTubeチャンネルを持つのも楽しそうである。どうせこのまま意味もなく学校に通い続けるのなら、なにか楽しいことややりたいことを自分で考えながら実践してみた方が有意義である。ジャーナリストの真似事をやってるだけでも、基礎的な勉強は大事だと府に落ちる瞬間がくるかもしれない。全然遅くないと思う。子供の遊びのようでバカバカしいかもしれないが、わたしはこういうバカバカしいことが大好きなので、携帯電話をプレゼントしてあげようと考えている。
今日の夕方、リサちゃんがスーパーマーケットに行きたいと電話をかけてきた。車を持たなくなってから一緒にスーパーに行くこともあまりなくなったので、たまにはいいかと思い、事務所まで来てもらい、一緒に帰ることにした。私の職場に来るのに、ラミンとリサちゃんジュリちゃんはバイクタクシーをとったらしい。もうすぐで到着するというところまで来て、事件が起きた。渋滞でバイクが止まっている時、後ろにいたバイクタクシーの乗客にリサちゃんが思いっきり殴られたのである。想像して欲しい。6歳の女の子が、成人したアフリカ人男性に突然こめかみのあたりを拳で殴られる姿を。失神しそうである。ことの経緯を聞いてみると、まず、ラミンたちを乗せたバイクが前にいたバイクを追い越して前に行こうとした時、前にいたそのバイクの乗客に少しぶつかったのだとか。それに腹を立てたその乗客が、追い越して直後、渋滞になって前に進めなかったラミンたちのバイクをめがけて走ってきて、ラミンたちのバイクライダーを殴ろうとしたところ、ライダーが避けたせいで、そのこぶしがそのままリサちゃんのこめかみに直撃し、バイクごとリサちゃんとジュリちゃんが倒れたのである。ぶちぎれたラミンはその男を思いっきり殴ってボコボコにしたらしい。その男もまさか子供を殴ってしまうとは思っていなかったので、ラミンに抵抗しようとしなかったらしく、殴られるがままだったため、かなり酷い怪我を負わせたという。リサちゃんたちによると、目の当たりから血が出ていたとのことだから、結構ひどい。大騒動となり、一部始終を見ていた人々も、状況は分かっているのでラミンを支持してくれていたみたいだが、さすがにここまで怪我を負わせると警察沙汰になるかもしれないから早く子供を連れて逃げろといろんな人に言われて事務所まで来たらしい。もう感情が追いつかないし何から考えたらいいのやら、頭がこんがらがっている。リサちゃんジュリちゃんが無事であったことに安心したり、また何か事故に合う可能性を考えては頭が真っ白になり、そもそもアフリカ人の馬鹿力で殴られて本当になんの影響もないのかと不安になったり、ちょっとぶつかっただけで人を殴ろうとするその野蛮さに苛立ったり、無抵抗の人間を血が出るまで殴ったラミンが怖かったり、身元を突き止められて訴えられたらどうしようと思ったり。見知らぬ男に殴られるわ、父親が突然暴力的になるわ、痛い思いも怖い思いもした子供たちに少しでも明るい気持ちになってほしくて、予定通りスーパーに行って2人が欲しいと思うお菓子やジュースを買ってあげた。スーパーに着くまではもうバイクには乗らないと言っていたリサちゃんも、スーパーを出る頃には上機嫌で、家に帰るのにラミンとバイクタクシーに乗って私に笑顔で手を振っていた。ジュリちゃんは私とバイクに乗ったのだが、道中、月を見つけたのが嬉しかったのか、私に「見て見て!」とひたすら指差して、そのまま寝てしまった。大物だと思った。当事者でもない私は、寝る前になっても、まだ興奮している。
今年の雨季は風邪も引かずマラリアにもかからず、仕事も日本での一時休暇を除いて全く休まず頑張ることができた!とTwitterで呟いた次の日に体調を崩してしまった。なんだかんだで時々雨は降っているのだから、調子に乗ってはいけないということを学んだ。毎年のようにマラリアにかかっている私くらいになると、そんなに大した症状も出ない。熱も出ていない。もしかしたらマラリアじゃないかもしれないという疑惑は置いておいて。昔から私は風邪をひいたくらいでは食欲を失ったりしないので、やはりマラリアだと思う。とにかく二日前の夜から食欲がなくなり、なにを食べても吐いてしまう。水を飲んでも気持ち悪い。でも、不思議と甘いものは飲めるし食べれるのである。そんなわけで、昨日からずっとジュースとチョコレートだけを食べている。今日の朝ようやくパンを食べることができた。どうやら糖分はマラリアにダメージを与えるという話を聞いたことがあるので、おそらく体が糖分を求めているとしか考えられない。やはりマラリア。さて、アフリカに長期滞在してマラリアにかかったら、薬を飲むのにとにかく何かを食べろと言われるはず。薬がとってもきついので、空腹のまま食べると副作用で頭が痛くなったりする。実際、昨日から、ずっと頭が痛い。そんなとき、フルーツなら食べれるかも、とか、野菜なら食べれるかも、とか思いがちだし実際食べれるのだけど、私の経験上、そういうのも結局吐くので、ジュースをオススメする。ビスケットとかもいいのだとか。とにかく甘いもの。そしてゆっくり休むこと。私は昨日ひたすらベッドに張り付いていた。もちろん初めてマラリアにかかった、というときは絶対に病院にいくべき。というか行かずにはいられないはず。私も初めての時は死ぬかと思うくらい苦しくて周りの人たちに病院に担がれたし、1週間くらい少し歩いただけで息切れがして夕方になると熱が上がって力が抜け、寝たきりだったのだけれど、それでもこの程度で済んで幸いだったと思っている。酷い場合は大人でも入院しなければいけないし、なんらかの障害が残ることだってある。子供なんかすぐに死んでしまう。うちの子たちが生きていられるのは手遅れになる前に病院に連れていくことができたからにすぎない。かからないように予防するのは当然。そんなことは分かっているけれど、長期でアフリカ滞在している身としては、さすがに毎日予防薬なんて飲めないのだから仕方ない。毎日蚊帳の中で寝てたって、かかるときはかかるのだから。さぁさぁ、ゆっくり寝よう。
昨日、バイクタクシーに乗っていて、久しぶりに交通事故に遭った。数年前に車が横転するという事故に遭って以来である。と言っても、車の横転に比べればとてもかわいいかわいい事故だったので、私も指にかすり傷を負った程度で済んだ。私は毎日バイクタクシーで通勤しているのだが、スピード狂のバイクライダーもいれば、安全運転に徹しているライダーもいる。安全運転に徹しているというのとは違うかもしれない。バイクが古くて、スピードが出ないというのがおそらく正しい。だから、シエラレオネでバイクに乗る時はあまり新しいバイクに乗ると怖い思いをする可能性があるため注意した方がいい。昨日のバイクライダーはそれなりに安全運転だった。(古いバイクだった。)「速すぎる!」と注意する必要もなく、私もイヤフォンから流れる音楽を口ずさみながら快適に乗っていたところ、前から猛スピードで軍隊を乗せたトラックが曲がり角でスピードを落とすことなくぶつかってきた。死ぬかと思ったがバイクも私も衝撃を受けただけで済んだ。衝撃のせいで、私が履いていたサンダルがトラックの前に飛んでいったので、拾おうとしたら、トラックはさらに私にぶつかる勢いで走り出したので慌てて逃げると、トラックは中の小道へとはいっていった。この国の軍隊は、自分たちは何をやっても許されると思っている。かつて私も車を持っていた時、軍服を着た明らかに軍隊の人がタクシーやポダポダを待って道端に立っている時には、積極的に乗せてあげることにしていた。彼らが乗っているだけで、警察は私たちに一切賄賂を求めて絡んでこない。ハラスメントを受けるどころか、無条件で「さぁどうぞ」と道を開けてくれる。そんな状況だから、軍隊も調子に乗っているとしか思えないのだけど、外国人ひとりがぶーぶー文句を言ったところで、誤ってきたりしない。しかも、なぜか国民も軍隊への敬意がすごい。事故が起きた現場には人だかりができたのだが、みんなトラックではなくバイクを責める始末。やたらと暴言を浴びせられていたバイクライダーが不憫だった。なんとか家の近辺までたどり着くと、バイクライダーは、「朝迎えに来るし、お金はいらない」と言った。次の朝、彼は本当に私が出かける時間にまちぶせしていたし、本当にお金を取らなかった。去り際、夕方6時に迎えにくる、と言った。それは迷惑だと思った。なぜお前の時間に合わせて仕事を調整しないといけないのか。でも私も大概いい人なので、6時に仕事を終わらせて彼に送ってもらった。月曜日の朝、また待ってる、と言われた。ちょっとした二次被害が起きている。