どうも生理学オタクの理学療法士藤原翔です

 

 

油脂のことについて

 

連続で投稿しておりますが

 

今回も油の話です

 

多くの方が名前は聞いたことがあるかもしれません

 

そう

 

トランス脂肪酸についてです

 

 

それではどうぞー

 

 

 

脂肪酸の二重結合部は

 

結合が弱く酸化しやすいという特徴があります

 

二重結合部が多い脂肪酸ほど酸化し易いのです

 

 

なので

 

二重結合を複数もつ不飽和脂肪酸は

 

非常に酸化しやすくて

 

扱いが難しい脂肪酸なのです

 

 

大量生産のこの時代

 

すぐに酸化して劣化してしまう油は使い物になりません

 

 

そこで考えられたのが

 

水添硬化油

 

もしくは硬化油と呼ばれるものです

 

 

 

これは

 

不飽和脂肪酸の

 

二重結合部に水素を結合させて

 

人工的に飽和脂肪酸を作り出す技術です

 

 

 

 

これで

 

酸化しにくい油ができて

 

連続加熱でフライを揚げても大丈夫!

 

一件落着

 

といけばいいのですが

 

そういう訳にはいかないようです

 

 

この水素添加の過程で

 

一部の脂肪酸は

 

トランス脂肪酸に変化してしまうのです

 

 

 

ここで

 

トランス脂肪酸の構造の話をしますね

 

 

通常の不飽和脂肪酸の二重結合部は

 

シス型という構造をとっています

 

 

 

 

 

上図を見てください

 

炭素の二重結合部の

 

両側の水素は同側に結合しています

 

この構造によって

 

不飽和脂肪酸は折れ曲がった形になるのです

 

 

 

 

対して

 

トランス型はというと

 

二重結合部の水素が

 

対側に結合する構造をとります

 

そのため

 

シス型と違って折れ曲がらずに

 

比較的真っすぐな形となり

 

見かけ上は飽和脂肪酸に近くなります

 

トランス型の脂肪酸であるため

 

トランス脂肪酸と呼ばれるわけですね

 

 

オレイン酸(シス型)とエライジン酸(トランス型)は

 

炭素・水素・酸素の個数や結合の順序

 

二重結合の位置は同じですが

 

オレイン酸は融点約13℃

 

エライジン酸は融点46℃と

 

シス型とトランス型の違いだけで

 

両者は全く違う性質となります
 

 

 

自然界に存在する

 

不飽和脂肪酸のほとんどはシス型の構造をしています

 

トランス脂肪酸は

 

自然界に存在しないという方もおられるようですが

 

実際は

 

牛などの胃の中でバクテリアにより生成されるため

 

牛肉やバターには多少は含まれているようです

 

 

また

 

トランス脂肪酸は体内で代謝されずに

 

どんどんと蓄積されてしまう

 

もしくは

 

代謝に大量のミネラルやビタミンを消費してしまう

 

といった話も聞きますが

 

実際のところはどうなのか?

 

 

結論から言ってしまうと

 

トランス脂肪酸は

 

体内でしっかりと代謝されるようです

 

 

食べた油脂というのは

 

中性脂肪(トリグリセリド)の形をとっています

 

トリグリセリドの”トリ”は

 

”モノ””ジ””トリ”のトリで

 

”3”という意味です

 

グリセリンに3つの脂肪酸が結合して

 

トリグリセリドは構成されています

 

 

トリグリセリドは

 

膵液などに含まれる

 

リパーゼという加水分解酵素によって

 

モノ(ジ)グリセリドと脂肪酸に分解し

 

さらに

 

グリセリンと脂肪酸にまで分解します

 

因みに

 

胆汁はこの反応が進みやすくなるように乳化させます

※乳化とは本来混ざり合わない水と油のようなものが混ざり合う事です

 

 

 

分解されてできた飽和脂肪酸は

 

肝細胞においてβ酸化という代謝過程で

 

さらに細かく分解されていきます

 

 

不飽和脂肪酸は

 

二重結合を持つため

 

飽和脂肪酸のように

 

すんなりとはβ酸化を受けないのです

 

 

不飽和脂肪酸経路を

 

全部は説明しませんが

 

不飽和脂肪酸の代謝過程で

 

エノイルCoAヒドラターゼという酵素による反応に注目します

 

 

この酵素は

 

トランス型の二重結合に水和して触媒するため

 

シス型脂肪酸の反応を進める事はできません

 

なので

 

シス型の脂肪酸は

 

イソメラーゼという異性化酵素によって

 

トランス型に変換されて

 

エノイルCoAヒドラターゼを作用しやすくするという手順を挟みます

 

自然界の不飽和脂肪酸は

 

ほとんどシス型であるため

 

この反応を挟むわけです

 

では

 

トランス脂肪酸はどうなのかというと

 

トランス脂肪酸は

 

元々がトランス型なので

 

そのままエノイルCoAヒドラターゼが働くことができます

 

ですから

 

トランス脂肪酸が

 

代謝されないということはないようです

 

 

 

なんだじゃあ特に問題ないじゃないか

 

と考えるのは早計です

 

 

問題なのは

 

余って代謝されなかったトランス脂肪酸です!

 

 

 

先程自然界の不飽和脂肪酸は

 

ほとんどがシス型といいましたね

 

 

ヒトの身体も同様で

 

ヒトの身体を構成している脂肪酸も

 

ほぼ全てがシス型でできています

 

 

ヒトの細胞膜は脂質から構成されています

 

詳しくはコチラを

https://ameblo.jp/orange-ca-21/entry-12273158703.html

 

 

シス型脂肪酸とトランス脂肪酸で

 

何が違うのかというと

 

ズバリ

 

長さです

 

 

シス型はくの字に曲がっており

 

トランス型は比較的真っすぐです

 

 

もしも

 

本来シス型脂肪酸が入る位置に

 

トランス脂肪酸が配置されてしまったらどうでしょう

 

細胞膜は凸凹になってしまいますよね?

 

細胞膜が凸凹では

 

正常では通れないような分子の大きな物質まで通してしまい

 

種々のアレルギー症状や炎症反応を引き起こしてしまいます

 

 

コレステロールは

 

本来はシス型脂肪酸の

 

曲がった部分を隙間を埋めるために配置されますが

 

凸凹の細胞膜では

 

余計にコレステロールが沈着しやすくなってしまうでしょう

 

 

トランス脂肪酸の

 

多少の摂取では

 

身体が代謝してくれるでしょうが

 

まあ出来るだけ避けたほうが無難でしょう

 

トランス脂肪酸が

 

どの程度の割合でエネルギーに変換されているのかも分かりませんしね

 

 

日本ではトランス脂肪酸に対して

 

制限等行っていませんから

 

自分で管理していく必要がありますよー

 

 

トランス脂肪酸で最低限押さえてほしいポイントは

 

①高熱を加えられた油脂は避ける

 

②加工された油脂を含む食品には注意する

 

これですね

 

 

ではではー