【映画】メガロポリス~寓話感が足りなかったかな | 鶏のブログ

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”ネタバレ”を含みがちなので、その点ご容赦下さいませ。

【監督】フランシス・フォード・コッポラ

【原題】Megalopolis

【制作国】アメリカ

【上映時間】138分

【配給】ハーク、松竹

【出演】アダム・ドライバー(カエサル・カティリナ)

    ジャンカルロ・エスポジート(フランクリン・キケロ)

    ナタリー・エマニュエル(ジュリア・キケロ)

    オーブリー・プラザ(ワオ・プラチナム)

【公式サイト】

映画史に残る古典、「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」で知られる名匠フランシス・フォード・コッポラ監督の最新作でした。今年で御年86歳。クリント・イーストウッドと並ぶ、まさに“生ける伝説”による作品ということで、大きな期待を抱いて鑑賞に臨みました。

 

しかしながら、そのストーリーはあまりに独創的で、凡人の私には到底理解が及びませんでした。

物語の舞台は、未来のニューヨーク――もとい「ニューローマ」。カエサル、キケロ、クラッススといった古代ローマの政治家たちの名を冠した登場人物たちが、まるで古代ローマを彷彿とさせる“政争”を繰り広げます。極端な貧富の格差、富裕層による卑俗な権力闘争といった現代社会の病理を描いた、いわば「FABLE(寓話)」という体裁の作品でした。

テーマとしては非常に興味深く、個人的にも好みのジャンルでしたが、物語や演出が直截的過ぎる印象で、“寓話”としての含蓄や奥行きを感じられなかった点が惜しまれました。

 

また、舞台となった「ニューローマ」の都市映像も、どこか平板でチープな印象を受け、未来都市としての説得力に乏しく、IMAXで鑑賞した意義を見出せない出来映えでした。俳優陣の演技についてはさすがと言えるものでしたが、最後はハッピーエンドでまとめられており、鑑賞後に心に残る余韻や象徴性も薄く、寓話としての力強さにも欠けていたように思われました。

 
そんな訳で、本作の評価は★3.2とします。

 

総合評価:★★★

 

詳細評価:

物語:★★
配役:★★★★
演出:★★★★
映像:★★★
音楽:★★★