私が尊敬してやまない、坂本龍馬先生らが活躍して成った明治維新革命。
黒船来航以来、幕末日本は動乱に至りますが、ではなぜ、明治政府ができて、幕末の国難は去ったのでしょうか?
明治は、富国強兵のスローガンのもと、国力を上げていきますが、幕末期のような、列強諸国による侵略の危険はありませんでしたが、さあそれはなぜなのでしょうか?
幕末のドラマなどを見ても、ここらへんがよくわからない部分ではないでしょうか?
徳川政権から、薩長政権に移った、まるで政権交代劇のように語られる明治維新ですが、これは単なる政権交代ではないのです。
ありていに申さば、徳川幕府がなくなり、廃藩置県を断行することで、日本と言う国家が、一つの軍事指揮命令系統によって国防できるようになったから、列強は日本の侵略を諦めたのです。
これが、明治維新革命の真相です。
列強諸国は、武器は近代的で殺傷能力は高かったですが、何せ小さな黒船で来るので、大人数で攻めて来れるわけではありません。
ですから、100万人の武士のいる日本が、一元化した国防体制であれば、たとえ砲撃などで攻撃されたとしても、絶対に占領されることはないんです。
列強諸国は、侵略的意図を持っておりますので、攻撃というリスクを冒しても、何ら得るものがなければ、侵略そのものをしなくなるんです。
それが侵略への対峙の仕方の、一つ、とても大事なことなんですね。
この明治維新の真相を理解すると、兵法家であった吉田松陰先生が、なにゆえ「幕府を倒せ」と訴えたかも理解できます。
つまり、
「列強から日本を護るには、幕藩体制を改める必要あり。」
「幕府が体制を変える気がないなら、日本のために倒すべし!」
という、極めて論理的な国防論なんです。
つまり、江戸時代の日本は、300以上の藩という、言わば半独立国家の集合した国で、統一した国家の防衛体制にはなっていなかったからです。
しかも、「二度と戦国時代には戻らない」という強い理念のもと、藩同士の付き合いも話し合いもできない状態でした。
これだと、どこかで藩が勝手に列強と戦を始めたら、そして力学的に負けるようなことがあれば、どんどん切り崩されていきます。
事実、薩摩も長州も、イギリスらと戦争を経験しました。
結局負けて、賠償金を払うなどで収めましたが、こういうのが続けば、どこでどう日本が切り取られるか、それは時間の問題となるわけです。
なぜならば、侵略とは国家による略奪ですので、弱いところを付け込んでくるからです。そういうことで、全世界が、欧米列強の支配の軍門に下っているのです。
今、中国は日本の尖閣諸島などを物色しておりますが、まだ本格的に、軍事的行動を起こしていないのは、起こす気がないのではなく、現時点では起こせないから起こしていなのです。
つまり日米同盟下での、日米両国と中国の軍事力を鑑みた場合、まだ現時点では日米の方が優位なので、リスクを恐れて、様子を見ております。
この動きから、「中国に侵略の意図あり」と見抜かねばなりません。
ですから、「弱い相手に行い、相手の弱いところを攻め、相手が強ければ弱くしてから行う」という侵略の鉄則からすれば、中国は当然のごとく日米同盟を切りに来るし、沖縄の米軍基地を追い出そうとするし、日米の世論を画策して、国防力が落ちるよう仕向けるはずです。その方が、リスクが減るからです。
さてそのような中、今年11月に決まる同盟国アメリカでの大統領選に、大きな動きがありました。
民主党候補のヒラリー・クリントン元国務大臣が、肺炎で倒れたとのこと。http://blog.goo.ne.jp/sakurasakuya7/e/69951377349b1fd637796c6480d497e2
68歳で肺炎はキツイです。
ましてやこの時期に。
大統領選に、大きく影響すると思います。
しかし共和党トランプ氏であろうと、民主党ヒラリー女史であろうと、日本の国防は、「これまでと同じ」では済まないことは同じです。
トランプ氏は、同盟国と言えども、それなりの負担を強いてくるでしょう。
ヒラリー女史ならば、最悪の場合、米中同盟を結ぶ可能性だってあり得ます。
これは、戦前と同じ体制であって、日本が危機になる体制です。
「米中同盟ならば、米中戦争が起きなくてよいではないか?」と思うのは甘いです。
最悪日本が、米中両国に、ケーキのように切り取られる可能性をはらんでいるからです。
「いやぁ、日米中三国同盟だと、完璧じゃぁないの?」と仰る方もいると思いますが、日英同盟が破棄されたのは、アメリカ提案による、日英米仏4カ国同盟を締結したからです。
その後、日本は孤立化しますが、多国間同盟は、重要な二カ国同盟を分断させるのに、とても有効な手段であることを見抜かねば、歴史から学んでいるとは言えません。
繰り返しますが、侵略的意図を持つ者は、「弱い相手に行い、相手の弱いところを攻め、相手が強ければ弱くしてから行う」のです。
http://the-liberty.com/article.php?item_id=4933
ともあれ日本は、この秋に迫る米大統領選の結果の如何にかかわらず、独自に十分防衛できる体制を、いち早く構築することです。
国防は当たり前のことであり、「国を護ることは、将来侵略戦争をする危険性がある」などというのは、暴論の極みです。
今、国家を護らなければ、そもそも、将来の杞憂などないんですから。
そもそも、国防に関しては、与党も野党も、見識を一致しておくものです。
国防が、政局化すること自体が危険だからです。
少なくともこれは、日本以外の国々では常識です。
なぜそれが常識なのか?
それが常識でない国のほとんどは、もうすでに今は存在しないか、南北朝鮮のように、分断国家になっているからです。
国防を政局化させてしまったら、国家は滅ぶのです。
国防は、健康を維持することと同じです。
健康を大切にしなくて、どうやって健やかに長生きなどできましょうや?
それでは、またのお越しを。