全国のアミ~ゴの皆様、ようこそ大川隆法ネット後援会へ。(^O^)/


前回記事の補足ですけれども、ホンダにはS360という幻のスポーツカーがあります。

DOHCの超高性能エンジンを積んで販売された、軽トラックT360後に販売されたスポーツカーS500~800と同じスタイルですが、当時の軽自動車枠に外寸が合うように、車体サイズが小さなスポーツカーでした。

(ホンダS360 模型 短い!)


ホンダがメーカーとして自動車進出する前に、モーターショーにも出品されましたが、結局販売されませんでした。

ホンダはその経緯に対して、「お家の事情」ということしか言わず、多くは語りませんが、結局本来はS360に積む予定であった超高性能エンジンを、特定産業措置法施行前に、急ぎ販売することを迫られた軽トラックT360に積んでしまったために、スポーツカーS360に積むエンジンが、なくなってしまったのではないでしょうか?


自動車の生産や販売は、一種の博打のようなものです。

エンジン開発には莫大な投資が必要で、高額なエンジンを、無計画に製造することはできません。

それは企業とすれば、至極当然のことです。


元来ホンダは、軽スポーツカーS360を一発目に世に出して、自動車メーカーとして華々しくデビューしたのち、現実的な販売戦略の元、軽トラックT360で、基盤を固める戦略ではなかったでしょうか?


軽トラックT360に詰まれた、360cc4気筒DOHCは、販売台数があまり期待できないスポーツカー用だったので、販売台数の多いT360に詰まれたことで、本来計画されていた製造数に達してしまったのではないでしょうか?

そして当時のホンダは、S360の後継として企画されていた、普通自動車規格のスポーツカーS500から、販売せざるを得なかったと僕は考えています。


となれば、当時の通産省(現経済産業省)が机上で「良かれ」と思った、特別産業措置法案は、日本から名車をひとつ消し去ったことになります。


ホンダは、メーカーとしての戦略を邪魔されましたし、実際にプリンス自動車は、日産と合併して消えました。

このお役人の、お役人らしい判断は、現実的に日本国民の仕事を邪魔し、会社を奪い、財産を奪ったのです。


自動車から見える日本と世界は、いつも不埒で傲慢で、目先のことしか見えない役人による邪魔と、それに健気に立ち向かう現場の日本人の、創意と工夫と、汗と努力の歴史なのです。


その1963年に立法直前まで行った、国家によって自動車メーカーを統合する特別産業措置法案に影響を受けたのは、プリンスやホンダだけではありません。


東洋工業(現マツダ)もそうです。

中小自動車企業を統合する、産業特別措置法が実施されれば、地方のオート三輪や軽自動車しか作っていなかった当時のマツダは、トヨタなどの大きなメーカーに吸収されます。

それに企業としての危機を抱いたマツダは、独自企業としての地位を賭けて、超越した技術力を市場に示す必要がありました。


当時のマツダの下した決断が、ロータリーエンジンの開発と、搭載車市販の成功だったのです。


通常のエンジンは、燃焼室で空気に混ざった燃料を爆発させて、ピストンを下方に移動させて、その上下の運動を、回転方向に変換させているのですね。


(一般的なピストンエンジン=通称レシプロエンジンの動き)


ところがロータリーエンジンは、ひょうたん型の燃焼室で混合気を爆発させ、それをおむすび型のローターを動かして、直接駆動軸を回す仕組みです。


(ロータリーエンジン動き)


ご覧になっていただけるとわかるのですが、どこにもまっすぐな直線が存在しません。

また、直線的な動きをする部品が存在しません。

すべてが円構造であって、すべてが回転しているのが、ロータリーエンジンの特徴です。


ロータリーエンジンは、通常のレシプロエンジンと比べて、構造がシンプルで、部品も少なく、軽量コンパクトです。

またどこにも直線的な動きがないので、振動が少ない(理論上はゼロ)なのが大きな特徴です。

また、高回転になっても、燃焼トルク(回す力)が落ちないので、小さな排気量で大きな出力が出せます。


レシプロエンジンは、上下動するパーツや、燃焼室を仕切るバルブなどの部品のため、どうしても、本来のトルクが出せる回転数が、構造上決まってしまうのです。


ロータリーエンジンの発明者はドイツの技術者バンケル氏ですし、最初に市販したのは同じくドイツのNSU社でした。

しかし、ロータリーエンジンを積んだ、NSUのRo80という自動車は、エンジンの、頻繁なトラブルのクレーム処理が原因で会社経営が頓挫し、アウディに吸収されてしまいます。


(ドイツ NSU Ro80)


またフランスの老舗シトロエンも、ロータリーエンジン車を販売しますが、これまた頻繁なトラブルが発生し、市販車のほぼすべてを回収して、スクラップとしました。


(フランス シトロエンGSビロトール)


世界の名だたる自動車メーカーが挑戦した、夢の動力源ロータリーエンジンの開発に成功し、市販車としてのレベルにまで到達させたのは、日本のマツダだけなのです。



(マツダコスモスポーツ)


ロータリーエンジンは、レシプロエンジンに比べて燃焼室が大きく、また構造上、熱の逃げが大きいです。

ですから爆発による熱が逃げてしまうので、熱効率は低く、それが燃費の悪さにつながります。

また重いローターを回しますし、レシプロエンジンのように、爆発に間隔がないことから、エンジンブレーキがあまり利きません。


レシプロエンジンは、たとえば4気筒ならば、一回転あたりで実際に爆発しているのは、実は1気筒だけです。

その他の燃焼シリンダー(気筒)は、爆発以外の他の仕事をしているんですね。

ですから、エンジンブレーキが良く利きます。


エンジンブレーキというのは、このレシプロエンジンが持つ、動力ロスを利用したものなのです。

ですから常時連続で爆発しているロータリーエンジンは、エンジンブレーキが苦手です。


というロータリーエンジン特有の、ネガティブな評価はあるのですが、それはそもそも、市販にこぎつけたから評価できることであって、世界中どこもこのエンジンの商品化できたのは、マツダだけなのす。


なぜマツダだけが、この難儀なロータリーエンジンを商品化できたのでしょうか?

それは、ロータリーエンジンの構造を見ればわかります。


ロータリーエンジンは、回転工程の中に直線が存在しません。

すべてが、円の構造です。

ということは、ひょうたん型の燃焼室も、丸みを帯びたおむすび形のローターも、すべてが円です。

このすべてが円構造であり、そのすべてが回転する構造ならば、きわめて精度の高い部品と、その部品を、完璧に組み付ける技術が必要なのです。


ほんの少しでも、設計と違うものがあれば、高回転で回るエンジンでは、あっというまに磨耗して壊れてしまうのです。

エンジンは、高度な精度と耐久性の両立がなければ、市販化はできないのです。


結局、マツダ以外のメーカーは、その精度の高い部品を開発できず、高度な組み付け作業ができなかったということです。


また部品点数の少ないロータリーエンジンは、他の部品を使ってのごまかしができません。

料理でたとえるならば、化学調味料を一切使わない料理のようなものです。

素材と、料理人の腕だけで、料理の味が決まってしまう・・・みたいなもので、シンプルな構造ゆえに、基礎技術の差が、はっきり出てしまうのですね。



これが意味するものは何か?

それは、日本の広島の、一自動車メーカーに過ぎないマツダが、世界最高の技術を持っているという、厳然たる事実を証明しているんです。


マツダは、企業として何度も経営危機に直面しています。

しかし、世界最高技術の会社を、世界が放っておくわけがありません。



最近では1990年代に、販売網の弱さを克服するための、販売網の多角化が要因で、バブル崩壊のあおりを受けて、存続の危機になりました。

それはマツダの、経営面の甘さを指摘する声が主流ですが、僕はそうは思いません。


あのとき、バブルがはじけなければ、マツダの戦略は正しかったのです。


あのバブル景気はバブルではなく、実態を伴った経済成長であり、僕は役人によるバブル潰しだと思っています。


となればマツダは、やはり役人の、勝手で幼稚な判断による、被害者だと言えますよね。


とりもなおさず、マツダはその後、アメリカのフォード社に経営権を渡しました。

しかし、世界最高技術のマツダの真骨頂は、このときに発揮されます。


フォード社は、ドイツやイギリスにも、現地生産会社を持っています。

実はヨーロッパで生産される、小型のフォード車のエンジンやボディーなどの基幹部分は、マツダが作っていたのですね。


フォードグループは、独自では小型車を作る能力がなくなっており、子会社のマツダなしでは生きていけなくなっていたのです。

つまりマツダは、資本はアメリカのフォード社に握られましたが、技術では食い破ったのです。


そして近年、マツダは経営権を、フォードから取り戻しました。


ZoomZoomや、スカイアクティブテクノロジー、また日本車離れした車体デザインなどが、最近のマツダのイメージですが、そういう浮ついた面ではなく、しっかりとした基礎技術、しかも世界最高技術の上に、このメーカーは存在しているのです。


(マツダアテンザ BMWが野暮ったく見えます。)


今ロータリーエンジン搭載車は販売されてはいませんが、それは売れなくなったからであって、作れなくなったわけではないのですね。


このメーカーには、日本のほかのメーカーとは違い、ZoomZoomやスカイアクティブテクノロジーや、レベルの高い車体デザインなど、商品の開発だけでない、企画と演出ということが考えられるメーカーでもあります。


それは、フォード社の傘下にいたことで、身に付けたものかも知れません。

しかし、日本車に必要なことは、マツダのような企画と演出なのです。


企画力と演出力と、世界最高技術持った稀有なる自動車メーカーが、日本のマツダです。

これからのマツダは、大きく飛躍するでしょう。


僕はマツダという企業が、神様に愛されているように思えて仕方がないのです。

それはマツダのロゴ MAZDA が、ゾロアスター教の光の神、オーラマズダから来ているからかも知れません。


マツダ(MAZDA)=光の神の名を冠した、世界最高技術を持つ日本の自動車メーカーの飛躍を、一自動車ファンとして、また神を信ずる者として、心から応援したいと思っています。




それでは、またのお越しをー。(^O^)/


 (よろしければ、ポチっとクリック、お願いします。)