全国のアミ~ゴの皆様、ようこそ大川隆法ネット後援会へ。(^O^)/


「ここ最近、記事が自動車ブログ化しとるんちゃうかぁ?」というご指摘を、メッセージでいただくことの多いアモ~レです。(爆笑)


カテゴリーが、「自動車から見える日本と世界」ですので、一応、社会派ブログ記事であることで、どうかご容赦くださいませ。(^^;


僕のブログのお客様には、自動車にお詳しくない方も多いので、自動車に関する説明が多くなり、記事も長くなる傾向があって、大変申し訳なく思います。


ただ、日本の基幹産業として、今まで国の富を形成してきたのは、それだけ支持されてきたという証であり、社会派としての学びも大きいのです。


そこからは、国民の価値観はもちろん、経済構造まで一目瞭然なのです。


今回も、その技術者たちの、創意と工夫の物語です。

今回の主役は、三菱ミラージュ(初代)です。

http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-9c-7c/humihirolam/folder/365207/63/7213663/img_0

(1978年発売 三菱ミラージュ)


三菱ミラージュを、コロンブスの卵・・・とか、三大発明・・・とか、言う人間はいなかったと思います。(爆笑)

まぁそこらへんが、このブログのオリジナリティーでございまして(笑)、その根底には、仏教修行で培った、歴史を因果の理法で見る・・・という思考技能があるのでございます。


さてミラージュですが、超いかしたデザインですね。

小型車として、日本史上トップのデザインでしょう。


アメリカのAMCペーサーが元デザイン・・・ということらしいですが・・・どうでしょうねぇ。(爆笑)

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/99/AMC_Pacer.jpg


ペーサーより、ルノー5が近いような気が、管理人には致ししますねぇ。

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/53/cf7b50728a97279b948b733a205b1bc3.jpg


さてミラージュですが、三菱最初のFF車です。

エンジンは横置きです。


実はFF車の種類には色々ありまして、大きく分類すると、エンジンを縦置きにする方式と、横置きにする方式があります。

1978年当時はFR車もたくさんあり、FF車も少なかったですが、エンジン搭載方法も、縦置きもあり横置きもありと、ずいぶんと混在していました。

みなまだ、方法論の選択で、迷っていた時期だった・・・というのが通説です。


今世界の自動車製品の販売台数では、99.9%横置きFFです。

しかもジアコーサ方式というタイプですが、ジアコーサ方式・・・というのが一般的になった発端は、三菱ミラージュだった・・・と言うのが、偏屈自動車評論家(爆笑)のアモ~レ説なんですね。


三菱がなぜ、エンジン横置きにしたか?

まぁ、僕が思うには、中島飛行機であるスバルのFFが、縦置きエンジンだったから・・・ではないでしょうかね。(笑)


戦前から、三菱と中島飛行機はライバル関係でしたので、時代の流れでFFの開発は致し方ないにしても、スバルと同じ方式には、絶対にしたくなかったのではないでしょうか?(爆笑)


それ以外にも、三菱はことごとく、対スバル方式を貫いていますので、FF車を開発するに際しての三菱的には、エンジン搭載は絶対に、横置きしか選択肢がなかったと思います。(爆笑)


そしてメンドクサイ話なんですけれども、横置きエンジンの搭載方法も2種類あります。


イシニゴス方式と、ジアコーサ方式です。

http://blog-imgs-45.fc2.com/e/h/o/ehonkuruma/100812_6.jpg


イシニゴス方式というのは、エンジンとギアとの2階建て方式です。

代表例は、ミニクーパーですね。

http://www.carsensor.net/CSphoto/cat/RV/S001/RV_S001_F001_M002_4_L.jpg

(ミニ)

とにかく、前後左右のスペース効率に優れますので、ホンダN360など、日本車の初期のFF車はイシニゴス方式が多いんです。


前輪の上にエンジンが乗っかる形ですので、前後のスペースは要らないですし、FR車のエンジンがそのまま使えます。

しかし、変速ギアから先は、どうしても専用の設計が必要です。


重心が高くなるのと、エンジンとギアとが同じオイルを使うため、オイル管理を怠ると、エンジンを痛めるのが欠点です。

ドライバーがズボラだと、走っている途中で、いきなりエンジンが壊れる可能性があるんですね。


ジアコーサ方式は、エンジンとギアボックスを横並びにして、最終的にデフという駆動ギアにつなぐ方式です。

重心が低いのと、ギアなどを専用設計する必要がないのが特徴です。


ただ横に長いので、エンジンルームには余裕はありません。

またタイヤの前に、エンジンを載せる空間が必要です。

今主流はジアコーサ式ですので、FF車には、前タイヤの前に、もっさりとした空間があるはずです。

http://nennen-car.up.seesaa.net/image/new20cooper20s.jpg

(同じミニでも、新型はジアコーサスタイルです。)



そして横に長い関係上、どうしても左右が非対称で、左右の重量バランスが取れません。

そして、タイヤを駆動するシャフトも、左右で長さが違ってしまいます。

これは、左右の駆動輪で、回す力が違うことを意味します。


走ってしまえば問題はないのですが、最もタイヤにまわす力がかかる発信時に、ハンドルが取られるという現象が起こります。

これが、トルクステア・・・という現象です。(これを克服したのは、後年のマツダです。)


まぁこのように、進化論的に、何のこんなところが優れているので、時代の流れでこうなった・・・的なものではないんです。

すべて、何か良いところがあれば、それと同じだけの欠点があるもんなんです。

そのネガを、克服していくところに進化があるんですね。


で・・・ミラージュが採用したのは、今主流のジアコーサ式のFFです。

なぜミラージュが、ジアコーサを採用したか?


おそらくそれは、ミラージュ以前に、日産チェリー(初代)が、イシニゴス方式のFFだったから・・・だと思います。(笑)

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/92/31f1a6770737a4ce4ae8435b079cc461.jpg

(日産チェリー 初代)


初代日産チェリーを開発したのは、日産と合併した、旧プリンス自動車のメンバーです。

旧プリンス自動車の前身は、スバルと同じく、中島飛行機なんですね。(爆笑)


三菱はやっぱり、旧中島飛行機(プリンス自動車)が開発した、チェリーと同じ方式には、絶対に(!)したくなかったのではないでしょうかね?(さらに爆笑)


三菱技術者の意地が、初のFF車ミラージュのエンジン搭載方法を、横置き横並び方式(ジアコーサスタイル)に導いたに違いないのです。

三菱の発想の根底には、対中島飛行機意識があると僕は思います。


しかし当時のジアコーサスタイルには、とても大きな欠点がありました。

ジアコーサには、専用エンジンが必要・・・と思われていたんです。


実は、FR車のエンジンを、ジアコーサスタイルで横並びにしますと、車が逆走してしまったんです。(爆笑)

なぜならば、当時は燃料供給システムが、気化器(キャブレター)時代でして、前向きにキャブレターを向けますと、冬場にキャブレターが凍ってしまって、動かなくなることがあったんですね。

ですから、キャブレターを運転席側に配置する必要があったんですが、そうすると、回転の関係上、後ろ向きに爆走しはじめちゃったんですね。


今では、燃料噴射装置という便利な道具がありまして、(これを普及させたのは日産です。)そういう心配は全くないんですけれども、当時はFR車用のエンジンでは、ジアコーサスタイルが取れなかったんです。


ホンダシビックなど、それまでジアコーサスタイルのFF車というのは皆、専用開発のエンジンだったんですね。


エンジンを一から開発するとなると、100億円以上の出費を覚悟しなければなりません。
ですから、それまで主流のFR車を作ってきた多くのメーカーは、空間効率の悪い縦型エンジンで、仕方なくFFを作ってきたと思います。


それは、大トヨタでも同じでした。

当時、縦型エンジンのFFというのは、売れなければ破産する自動車業界では、当然のリスク管理だったんです。

イシニゴススタイルでも、ギアから先は専用ですから、開発費は巨額だからです。

http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-9c-7c/humihirolam/folder/365207/01/3974101/img_0

(トヨタ初のFF車 ターセル 縦型エンジン独特の、顔が突き出たスタイルですね。)


でも三菱は、それまで使ってきたFR車のエンジンで、ジアコーサのミラージュを作ってしまったんです。

で・・・三菱は、どうやって、横置きジアコーサの逆走を克服したか?(笑)


もう傑作です。

現実主義、実用主義、あっぱれです。


エンジンとギアの間に、もうひとつ小さなギアを入れて、エンジン回転はそのままに、タイヤへの駆動回転を逆転させたんです。

それで、エンジン開発なら100億円かかるところを、ほんのわずかな出費で済ませたんですね。


おまけに、その小さな逆転ギアを、Hi&Lowの2段にして、ごく普通の4段変速ギアを、4×2の、8段変速ギアにしてしまったんですよ!


これを三菱は、「スーパーシフト」と銘打って、ミラージュに搭載し発売しました。

http://bleumonaco.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_ac4/bleumonaco/0919-3.jpg?c=a0


開発費は安いし(笑)、当時5段変速でも、「すごい!」といわれていた時代です。

今でも、オートマでなければ、6段変速が最高でしょう。

それが、いきなり8段変速ですからね。

それは、すごい商品価値です。


そしてこのスーパーシフトを見た、全世界の自動車業界は、「あ”~~~~~~~~~~!」と叫びました。

三菱ミラージュは、実に簡単な真理を、世界の自動車産業に提示してたからです。


それは・・・

「な~んだ。」

「今あるエンジンでFF化するには、エンジンの回転を、逆転させればいいんだぁ。」ということです。(爆笑)


そうなんです。

エンジン新開発なら、巨額の投資が必要ですが、エンジン回転を逆転させるだけなら、一部の部品を代えれば良いだけなんです。(笑)


それで、今まで巨大な投資が怖くて、FF車開発を試すことができなかった、世界の多くの自動車業界の、出費や心理面におけるハードルを、三菱が大幅に下げたのですね。

FF車をテストするのに、まず、専用のエンジンやギアをつくる・・・という必要がなくなったんです。


三菱のスーパーシフト自体は、それほど普及しませんでした。

三菱も、自ら逆回転の新エンジンを開発した時点で、スーパーシフトを止めています。(笑)


しかしこのスーパーシフトのアイデアは、世界の自動車製品のFF化を一気に広めると共に、その主流・・・というか、全てがジアコーサスタイルになるきっかけとなったんです。


三菱のやったこと、そしてやろうとしたことが、世界の主流になる。

この三菱が持つ、世界のトレンドメーカーとしての一端が、このミラージュスーパーシフトなんですが、それが、中島飛行機に対するライバル心という動機なのが、僕は実に面白いです。(爆笑)


そしてこのスーパーシフト。

他にも、この三菱の現実主義が生んだオモシロ製品(笑)から、超意外な発明がなされていて、それが今の主流になっています。


今回は、また随分と長くなってしまいましたので(爆笑)、いつかまた、それについてお話できればと思います。


それでは、またのお越しをー。(^O^)/


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