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日本は技術大国です。

日本の貿易収支の、半分を占めるのは部品です。

日本の部品が、世界で占めるシェアは、実質100%です。


つまり部品が、日本の基幹産業であると同時に、世界の工業製品は、日本の部品なしでは立ち行かないというのが、厳然たる事実なのです。


かつて東日本大震災のとき、東京が計画停電となりましたが、それで世界中の工業製品の生産が、多大な影響を受けました。

東京の下町で作られている部品の生産が、停電で止まったからです。


この事実から導き出される結論は、日本はただの経済大国というだけの、責任を負っているのではないということです。

日本のエネルギー政策であるとか、そういったひとつひとつの判断が、世界の人々の生活に直結しているという、大きな大きな責任があるということなのです。


そして今このブログでは、自動車に焦点を当てておりますが、自動車関連に従事する国民は、2000万人以上に及ぶとお聞きしております。

それだけの多くの国民が従事し、生きる糧を得ている業界について、果たしてお役人や政治家は、深く認識しているでしょうか?

また日本人のみならず、世界の人々への責任を、彼らは認識しているのでしょうか?


僕のお気楽な趣味記事ではありますが、そういうエッセンスが伝わればなぁと願う次第です。


さて、自動車の業界には、基準車・・・という分類がございます。


自動車というのは、最も高価な嗜好品・・と呼ばれます。

自動車というのは、購入者の価値観や美意識が、とても反映されやすい商品なのですね。


「かっこいい車がよい。」とか、「速くなければ欲しくない。」とか、「たくさん荷物が積めないとヤダ。」とか、「燃費が問題よ。」とか、「維持費が安くないと・・・。」などです。

また、「壊れなければ、何でもよい。」という意見だってあるわけです。


そういう、多種雑多な価値観が、自動車の購入動機には存在いたしますから、「これぞ、理想の自動車!」と、言い切る基準というのが、存在しないのが自動車という商品なんですね。


しかし、高級車であるとか、高性能車であるとか、安モンであるとか、お買い得車であるとかの、なんらかの基準は、商品としては絶対に必要なんですね。


それが、基準車です。

その基準車というのは、生産台数=販売台数で決まるのですね。

なぜならば、自動車は、移動手段でもあり、同時に嗜好品だからです。


つまり、最もよく売れている自動車製品というのは、買うお客さんから見れば、「購入するのに、お金を払う価値あり。」という評価を、受けているからそうなっているわけですから、最もよく売れた自動車製品というのが、世界の基準となるわけです。

裏を返せば、それしか、基準の作り方のないのが、自動車という商品なのです。


高額な自動車、低価格な自動車、性能の良い自動車、性能の劣る自動車の、4つの価値の軸があるとしますと、この中心にいるのが基準車なわけです。


これに選ばれると何が良いかと申しますと、基準車より内容が薄い商品なのに、基準車より高額であれば、お買い得感がないので、売れなくなるわけですね。


基準車でなければ、基準車が持つ商品としての魅力に加えて、何らかの付加価値として持っていない限り、基準車より高い値段は付けられないわけです。

また基準車と違う構造であれば、特異車か、時代遅れの商品として扱われるわけです。


また基準車であれば、いろいろと商品販売分野で仕掛けができるわけですし、その他の分野での商品開発においては、さまざまな研究や投資が、余裕を持ってできるわけです。


つまり、世界基準車を持っている自動車メーカーは、商品の販売と開発において、世界レベルで主導権を握れるわけですね。


その世界の基準車として、長年君臨してきたのが、トヨタのカローラだったのです。

                トヨタ カローラ(初代)


カローラ以前は、おそらくフォルクスワーゲン(VW)社の、ビートルであったと推測します。

カブトムシの愛称で知られるこの車です。

                  フォルクスワーゲン ビートル


そして今の世界の基準車は、フォルクスワーゲンゴルフとなっていると思います。



          フォルクスワーゲン ゴルフ現行型



VWビートルが世界基準車から脱落するまで、世界にはビートル型の自動車が存在しました。

ビートルの特徴と言えば、空冷エンジンとRR(リアエンジン・リアドライブ)です。


エンジンの熱を、空気で冷やす冷却システムが空冷エンジンです。

そしてRRは、車体後方にエンジンを積み、後輪を回す駆動システムですね。

ビートル陥落以降、世界から空冷エンジンは消え、RRもポルシェ911以外は姿を消しました。


今世界の自動車は、水冷エンジンを横に置き、前輪を回すFF(フロントエンジン・フロントドライブ)が主流です。

横置きFF車は、製品の種類で言えば90%以上、販売台数比で言えば、99.9%がこのタイプです。

しかもDOHC4バルブという、以前なら、レーシングカーにしか搭載していなかった、超高性能のエンジンしか今では存在しません。


これはなぜそうなったかと申しますと、あるときからカローラが、そうしたからなんです。(笑)


横置きエンジン搭載車も、FFも、DOHC4バルブエンジン搭載車も、それ以前に確かに存在はしているのですけれども、カローラのすごいところは、カローラに付いているものをつけていないと、商品としては存続できなかったところなのです。


ではなぜトヨタカローラが、世界基準車と呼ばれるくらい、世界中で支持されていたのでしょうか?


それは大きく分けて、理由は3つあると思います。

第1に、壊れなかったことです。


つまらない故障を、日本人は嫌います。

ドイツ車などは、基幹部は丈夫で、20年乗ることができたりすることがあるのですが、もともとが、金持ちの趣味道楽から自動車の歴史の始まっているヨーロッパでは、自動車は整備するのが当たり前であり、故障すれば、自分で直すのが当たり前でした。

ですから、特にヨーロッパ車は、日本人から見れば、つまらない故障がとても多かったのですね。

壊れないカローラ出現以降、ヨーロッパ車の商品価値が下がり、凋落が始まりました。


第2に、価格がお手ごろだったのがあります。


低価格車であれば、それこそ日本には軽自動車なるのもありましたが、盆と正月に実家に帰省する習慣のある日本では、ある程度、長期ドライブが快適に過ごせる自動車が必要だった背景があります。

その点、性能面でも空間的にも、ある程度余裕のあるカローラは、その自動車枠では最もお手ごろ価格でした。


そして第3。


僕は結局、これが一番大きな理由ではないかと思うのですが、カローラが、「小さな高級車」であったからだと思います。


カローラは、装備の簡素なスタンダードモデルから、豪華な装備を備えた最上級モデルまでをそろえていました。


最上級モデルでは、クラウンなどの上級車種の装備が搭載されていたんですね。

それが、とても低い値段設定で販売されていたんです。

カローラですから。(笑)


それが結局、超お買い得感を、ユーザーに与えていたんじゃないかなぁと推測します。


世界の自動車産業で、どうしても成功しない企画として、「小さな高級車」という分野があるのです。

代表的なのは、イギリスのバンテンプラプリンセスというものが知られているくらいです。


                   バンテンプラ プリンセス


どのメーカーも、この小さな高級車分野で、ヒット作を出せていないのですけれども、その大きな理由は、とっくにカローラがその役割を果たしていて、シェア独占が、既に終わっていたからではいないかというのが、アモ~レ説です。



(カローラの内装 輸出仕様車)


初代カローラは、1000ccの排気量だったライバルのサニーより、車体サイズを少し大きくして、排気量を100㏄だけ上げて、「プラス100ccの余裕。」というキャッチコピーでデビューしましたので、元々の企画段階で、ちょっとだけですけれども、高級志向だったのです。


販売台数だけが注目される、大衆車の代表という観点から、僕ら日本人はカローラを見てしまいますけれども、そのカローラの本質は、小さな高級車だったのではないかと、僕は思っております。


ともあれ、爆発的な生産台数を、20年にわたり毎年続けたカローラ。


その偉大なる日本の工業製品は、工業立国日本の金字塔であると同時に、厳密な部品を大量に生産し、トヨタの工場に提供する必要性を生み出しました。


それはとりもなおさず、日本の基幹産業である、部品産業を鍛えまくった歴史でもありました。

壊れない自動車を大量につくるには、当然ですが、精密な部品を、大量に作り続ける必要があるからです。


日本の金字塔カローラは、偉大なる世界の基準車として、世界の自動車の、基本的な構造を変えるまでが、商品としての使命だったのかも知れません。


その世界の基準車は、今ではVWのゴルフがやっておりますが、その転換に一役買った人物がおります。

その国賊とも言える(笑)人物とは誰か?


その話は、またいつかの機会に。


それでは、またのお越しをー。(^O^)/