8話 【できないじゃない】
「あおが・・・・あおが連れてかれちゃった。」
私の目からはポロポロと涙が溢れ出した。
私はしばらくの間子供のように泣きじゃくっていた。
気が付くと、あたりはすっかり明るくなっていた。
「うっ・・・・ひっく。あお、あお!」
私がいつまでもメソメソしていると、小太郎が近づいてきた。
「クゥーン、クゥーン」
小太郎は心配そうに私を見つめ、頬を伝っていた涙を舐めた。
ペロッ
「小太郎、ありがと。小太郎は優しいね。
ねぇ小太郎、私には何もできないのかな?
このまま、あおが帰ってくるのをただただ
待ってる事しかできないのかな?」
すると突然小太郎が
私の膝を前足でベシベシと叩き「ワン!」と吠えた。
それはまるで「気弱になってんな!」と言われているようだった。
「・・・・そうだよね、小太郎。できないじゃないよね、やらなくちゃ!
いつまでも、守られてるだけの私じゃダメなんだ!
・・・・私、あおを助けに行く!」
私は、涙をふき立ち上がった。
「まずは情報収集から。だよね、小太郎!」
「情報収集って言っても、どうすればいいんだろ・・・・?
情報収集って言ったら、張り込みとかかな?」
私は少し考えてから、ある店のことを思い出した。
「そういえば、監獄の近くに定食屋さんあったよね!
あそこ行ってみようかな。
職員の人がお昼食べに来てるかもしれないし。」
私はその日初めて学校を無断欠席して、
その定食屋さんへ向かった。