4話 【発火】


―廃工場―

「おい!有梨沙はどこだ!」

私が抵抗できないでいると、葵が駆け付けてきた。

「葵くん!?何でここにいるの!?」

葵はものすごい怒った顔で安斎さんに近づいている。

私と目が合って一瞬葵の顔が落ち着いた。

かと思うと私が服を脱がされているのに気が付いて、

一瞬引いたと思った怒りが再び燃え上がった。

「お前ら!有梨沙になにをしてる!」

私は口元のタオルをおさつけている力が

弱くなったことに気付き、大声で葵に言った。

「あお、こらえて!」

ボォッ

その瞬間、葵の手から炎が出た。

「あお!」

その炎を見た途端、安斎さん達が後ずさりする。

「葵くん、能力者だったの!?」

安斎さん達が後ずさりしていく中、

私だけが葵の方へ歩いて行った。

「あお、私は大丈夫だから・・・・。

その炎しまって、みんな怖がってる。」

私は手を横に広げ、葵の目の前に立った。

「あ、有梨沙。」

葵の手から出ていた炎はみるみる小さくなり、なくなった。

すると葵は私の元に駆け寄ってきた。

「有梨沙!大丈夫だったか?どこもケガしてないか?」

私は、葵の頭を優しくなでながら答えた。

「うん、大丈夫!どこもケガしてないよ。

・・・・早く帰ろ、小太郎が待ってるよ。」

「・・・・うん。」

そう言って私たちは、

怖がっている安斎さん達をおいて家に帰った。