№1 【出会い】
ここに入れられてどのくらい経ったんだろう。
ここに入れられてどのくらい経ったんだろう。
日替わりで監視が入ってきては、私の体を好き勝手に使う。
もう『人扱い』なんかされてない。
あぁ、また朝か・・・・
また、『モノ扱い』されるんだ・・・・。
そんな毎日を過ごしていたある日。
日替わりの監視役が次の人の番になった。
ガチャ
「・・・・入るぞ。」
私はその時「はぁ・・・・。また『モノ扱い』か・・・・」そう思っていた。
しかし、その日の監視は特別だった。
彼は、部屋に入るなり部屋の隅にあるソファに腰掛け、
小説を読み始めた。
今までの監視の人たちは部屋に入ってくるなり、『モノ扱い』し始める。
でも今日は違った。
そのあと、お昼の時間になっても、日が落ちても
彼が近づいてくることはなかった。
私は、不思議と期待を胸に翌日を迎えた。
しかし、その日は今までと何も変わっていなかった。
また、『モノ扱い』だ・・・・。
私は、「あの人が特別だったんだ」と気が付いた。
数日がたって、また彼が監視の番が来た。
彼はまた、部屋の隅にあるソファに腰掛けて、小説を読んでいた。
私は勇気を振り絞って、彼に近づいていき聞いてみた。
「・・・・あの、あなたは何もしないんですか?」
彼は少し考えてから答えた。
「監視役なのに監視以外に何するんだ?」
彼は、『モノ扱い』の事など何も知らなかった。
「え?でも他の人は・・・・」
『モノ扱い』のことを言おうとした瞬間ある光景を思い出した。
『いいか?このことは、誰にも言うんじゃねぇぞ』
監視が終わる時間になると、みんなこの一言を言って部屋を出ていく。
私は、『モノ扱い』されているときのことを
思い出し急に気分が悪くなった。
『ハァ・・・・ハァ・・・・』
男の人の気持ちの悪い息づかいが頭の中でリピートされる。
「おい、どうした?顔色悪いぞ、大丈夫か?」
彼はそう言いながら私の肩に手をかけた。
「いや!」
私は、彼の手を弾き返してしまった。
「・・・・!ごめんなさい!」
私はカタカタと震えながら、頭を抱えてしゃがみこんだ。
反論などをすると、いたるところを幾度となく叩かれた。
「こっちは大丈夫だからお前が大丈夫かって聞いてんだよ。」
「大丈夫です。」
私がそういうと彼は安心したように言った。
「はぁ・・・・よかった。」
体中を幾度となく叩かれたせいで、体のいたるところに痣があった。
彼はその痣を見て察したらしい。
「あと、俺はお前の事叩いたりしないから安心しろ。」
そう言ってくれた。
ここに来てから初めて私を『人扱い』してくれる人に出会えて嬉しかった。
その日から、彼・・・・匠さんが監視に来ると、いろいろな話をして、
私にとって唯一の楽しい時間ができた。
超短編小説です

今回はここまで!
では
