F16とF18 | まもちゃんのブログ

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どの様なものでもデビュー当時とその後の評価に違いがある物ですが、空軍戦闘機F16と海軍艦上戦闘攻撃機F/A18にもそれがありました。今回は戦闘機F16とF18について語りたいと思います。

F16とF18は元々80年代の主力戦闘機のハイーローミックス構想から生まれた戦闘機です。
アメリカ空軍はF4での成功から大型の制空戦闘機を望みましたが、予算の都合上、F4ファントム戦闘機を全て最新式の大型戦闘機に機種変換する事が出来ない事が判っていました。そこで生まれたのがハイーローミックス構想です。

大型重戦闘機とは別に小型の軽戦闘機を開発し、大型戦闘機を補佐し、2機種でF4ファンム戦闘機と同数の新型戦闘機への機種変更しようと試みたのです。

大型重戦闘機とはF15イーグル戦闘機です。そして軽戦闘機として採用されたのがF16ファイティングファルコン戦闘機です。

軽戦闘機開発にあたって、アメリカ軍は2機種の軽戦闘機開発を命じます。最近までとられた手法ですが、2機種を開発させ、競争させ、優れた方を採用するという方法です。
この2機種が後のF16(YF16)とF18(YF17)です。

2機種の開発が完了した時点ではYF16が圧倒的に支持されました。新しい工夫が多く盛り込まれ、性能もYF17を上回りました。当然アメリカ空軍はYF16を採用し、F16を事実上の主力戦闘機としました。

F16のデビューは花々しいものでした。F15イーグルの調達価格が予想以上に高価だった為、予定以上の機数が採用され、又、ヨーロッパを中心に多数輸出されました。総生産機数は実に4500機です。
F15イーグルが1200機程度ですからどれほどの大成功かが判ります。

しかし、花々しく躍進したF16ですが、ある日、突然評価を下げます。
それは湾岸戦争やイラク戦争でした。これらの戦いで単発(ジェットエンジンが1機)の戦闘機の弱点が暴露されます。この戦いで、最もサバイバリビリティ(帰還率)が低かったのです。

湾岸戦争で活躍したF14,F15,F18,A10は全て双発機でしたが、F16だけが単発機でした。
戦闘機も航空機ですから、双発機の方が万が一の被弾に強い事は予め判っていたのですが、実戦でこれ程差がつくとは思われていなかったのです。
F16が単発なのはコスト削減の為でした。開発時は極めて有利だったコストの問題も、そもそも帰還出来ないとなると意味がありません。

一方F18ですが、最初空軍戦闘機として開発されたYF17をアメリカ海軍が拾ったのです。アメリカ海軍でもF14トムキャットという大型戦闘機を調達予定でしたが、空軍同様、F14を多数調達する事が困難で、又、攻撃機A7の後継機という意味もありました。

YF17は当初より設計変更されやや大型化されF18として採用されました。
F18はこの世代の最後の戦闘機という事もあり、多くの新しい技術、特に電子機器については最新の物が搭載されました。F18は最初から戦闘機としてだけで無く、攻撃機としても考えられていた為、カタログデータの性能以上に使い勝手が良い戦闘機でした。何より、稼働率が高く、整備も容易です。

F16もF18も不思議な事に同じ様なミッションに使用する戦闘機となりました。それは補助戦闘機と攻撃機として使われるという事です。大型戦闘機の機数が少ないため、事実上の主力戦闘機である事です。

現在評価が高いのはF/A18です。F18は最初から戦闘機と攻撃機という2つの要求を考えて設計された為、今で言うマルチロールファイターというジャンルにぴったり当てはまります。又、現在は大型戦闘機はやや古い思想となっています。ステルス戦闘機の登場により、レーダー反射面積が極めて大きい大型戦闘機は敵軍に早期に発見され、空戦にて最も重用しされる先に敵機を見つけるという点において劣ると考えられています。F18は中型の戦闘機ですので、現在の考えではとてもバランスが良いとされます。
又、電子機器の発展により小型、中型の戦闘機でも優秀な火器管制装置が搭載でき、この点の有利を大型戦闘機は失っています。

F16とF18は最初と最後で評価が全く異なる戦闘機となりましたが、どちらもかなり長期間使用されそうです。F16もF18も機数が多く、その全てを新鋭機に機種更新するのは不可能です。
現在開発中のステルス戦闘機F35が当初の予定通り、安価で製造できればそれも可能だったかもしれませんが、価格はかなり高騰しそうです。

当分この2機種は航空祭等で見る事が出来ると思われます。

以上