20余年前に亡くなった

作曲家の武満徹さんが、

晩年に書かれた言葉から

いくつか抜粋したいと思います。



人びとが相集って歌うのは、すばらしいことだと思う。
性差や年齢の違いを超えて、共に歌うのは、すばらしいことだと思う。
人間の生き方は、ひとによって、それぞれ、さまざま。だが、合唱の美しい響きをつくりだすには、他人のうたを聴かなければならない。
そして、他人はまた自分の声に耳を傾けているのだということを知らなければならない。
うまく歌うのもだいじだけれど、合唱でなによりもだいじなのは、互いを信頼し、敬うこと。他人の声を好きになること。
そして、人間はそれぞれの顔かたちと同じように、めいめい違った声をもっているのだということに、驚きと歓びが感じられたら、あなたの合唱は、きっと、これまでより多くのひとの心を打つだろう。

「歌うこころ」
福岡フロイデコール第10回演奏会パンフレット、1994年11月27日
「混声合唱のための『うた』」(武満徹・詞/曲。谷川俊太郎・詞)ほかを演奏
武満徹著作集3(新潮社)P316







ハーモニーは、互いに聴くことが始まりだと。

それには信頼と尊敬が必要だと。

まさに「ヨコの関係」をいかに創出するかが鍵。

武満さんの言葉に僕は思わず感動しました。






そしてまた、「若いひとたちのための音楽詩《Family Tree》

と題するエッセイで、彼は次のように書くのです。



私たち人間にとって、どんなに時代状況が変わっても、家族というものは素晴らしいものです。なぜなら、それはこの社会での、最小ではあっても、最も純粋なユニットだからです。そして、それは外へ向かって開かれるダイナミズムを秘めたものです。
だが、同時に、家族という単位は、そこにある種の危険性を抱えてもいます。それは時に、外に向かって開かれるべき力が、内へこもって閉ざされ、排他的になってしまうことです。それは人種差別や国家主義に結びついてしまうものです。そして、今日の世界の状況はその傾向の方が未だに強いのです。

‘95サイトウ・キネン・フェスティバル松本 パンフレット、1995年9月7日、9日
~同上書P320



「外へ向かって開かれるダイナミズムを秘めた」

という言葉の重み。

さらに、亡くなる1ヶ月前の書き下ろし原稿の最後に、

彼はこう記しました。



だが、この地上の異る地域を結ぶ海と、その千変万化する豊かな表情に、しだいに、こころを奪われるようになった。できれば、鯨のような優雅で頑健な肉体をもち、西も東もない海を泳ぎたい。
「波」1996年3月号(1996年1月執筆)
~同上書P321



ある種「諦念」ではありますが、

ここには何だか魅力的な希望を僕は見出だします。





ところで、昨日、良いことを教えていただきました。

「損をする」というのは、

余計なものを削ぎ落とすことだと。

だから、「得すること」と同等に大事なんだと。


納得。

武満徹さんの言葉に、その言葉を僕は重ねました。









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