20余年前に亡くなられた作曲家の武満徹さんは、
晩年に新聞の連載をもたれていました。
そこには、
音楽のことに限らない、時事問題を含めた
それこそ「社説」と言っても良いくらいの、
今読んでも感心するほど深みのある記事がたくさんあります。
例えば、1994年4月11日付毎日新聞夕刊に掲載された
「音、それは個体のない自然」と題するエッセーに
次に様な件がありました。
自然から学ぶことは余りにも多い。自然の(この地球の)記憶の層の、深い、遥かな連なりを見出すのは、私のような者には、とても容易なことではないが、せめて季節毎の変化の相、その推移を感じとれる感受性を身につけたい。それは、私に、音が語りかけてくる毀れやすい言葉の表情のいろいろを聴き逃すことがないように、働きかけてくれるだろう。作曲は音と人間との協同作業だと思うから、作曲家は音に傲慢であってはならないだろう。
~「武満徹著作集3」(新潮社)P242
世界にその名を轟かせた作曲家の、
最晩年の言葉にしてこの謙虚さに吃驚します。
※本日の外堀沿いの桜。
桜の季節になるごとに思うのは、
まさに武満さんがおっしゃるように
自然から学ぶことの多さ。
大それた意図を持たず、時期が来れば必ず花を咲かせ、
また実を成らせる、
その字の通り「自然」にあることの大切さです。
※こちら本日の靖国通り沿いの桜並木。
何にせよ「無理」はしないことですね。
今日もありがとうございます。
新潮社
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