こんにちは。

空気が澄んで太陽が眩しいたまプラーザです。

12月も後半ですね。

今年の講義は今日で終わり。

2014年、残りの2週間も穏やかに

過ごしたいと思います。





仕事ができない(と言われる)人の特長のひとつに、

人の心の状態を読むことが不得意だという傾向があります。

「人の心を読む力」をメンタライジング能力というのですが、

それが欠けているがゆえに起こる状態です。

しかも、興味深いことにこれは学習能力とは相関しておらず、

仮に優秀で勉強が得意な人でも、場の空気が読めなかったり、

人の気持ちがわからなかったりするために

人間関係上、様々な問題が生じ、仕事がうまく遂行できない

ということにつながります。





この問題で悩んでらっしゃる個人や組織って多いんですよね。

それくらいに今の世の中、

メンタライジング能力に欠ける人が多い。

ちなみに、特性5因子のひとつに「調和性」というものがありますが、

それにまつわる記述に膝を打ちました。



自閉症患者が特異的にこのタイプのメンタライジング能力に欠けていることが示された。自閉症の患者は、他のタイプの認知課題では成果を挙げるものの、他者の心の状態を類推するのはきわめて困難である。さらに最近になって、「正常な」成人の間でもメンタライジング能力にはきわめて多くの個人差があることが明らかになった。
P171-172



そして、メンタライジング能力の個人差を

実証するための課題チェックを被験者に行ったところ、

次のような結果が出たそう。



たとえば課題を上手にやりこなす人は、それほどうまくない人にくらべて友達が多いのである。ベス・リドルは学齢期の子供用にこの課題を作りかえて実験を行った。その結果、子供の出来具合は、彼らが友達とうまくつきあえるかを評価した教師の査定と、強く相関していた。
P173



やはり、問題の根源は幼少時のコミュニケーション・レベル

(頻度・深度)にあるようです。根は深いわけです。





特に、こういう個人の問題から生じる組織の問題は

組織の存続にもかかわる大きな問題に発展することも

あるわけで、人材育成どころか人材確保における

かなりナーバスな課題になるのです。





もちろんそういう人を採用しないことが

一番の薬なのですが、実際にこういう人が

増えている以上、今後は

そういうメンタライジング能力に欠ける人たちを

いかに救えるか、助けられるかが課題になるように

僕は思います。

経験上言えることは、

とにかくコミュニケーションのエクササイズを

反復させることしかありません。

その上で、親子の絆を確固としたものにする

具体的アプローチが重要になります。

ということは自ずと家族の協力が必要になってくるということです。





まぁ、しかし、この手の問題を抱える人は

親子間に大抵問題を抱えていますから、

正直非常に難しいのですがね・・・。

しかしながら、本人に徹底自覚さえあれば

そこは間違いなく乗り越えられます。

最後はやっぱり本人の自覚。

それがないと何事も始まらないということ。

いかに自分自身への問題意識を持つか、

そして、いかに具体的に行動が起こせるかが

鍵だということですね。





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つい長くなりました。

今日もありがとうございます。





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