岡本浩和の「人間力」発見日記


昨日、朝一番で「風立ちぬ」 を観ました。

先日、知覧の特攻平和会館を訪れた 衝撃を懐に、

その流れで覚悟をもって(?)観たのですが、

戦争に携わりながら、戦争とはまた一線を画した、

ひとりの人間の素敵な生き様を目の当たりにし、

終わった後からじっくりと、ゆるりゆるり

感動が襲ってきました。



Le vent se leve, il faut tenter de vivre.

ポール・ヴァレリーのこの詩句を堀は次のように訳します。

風立ちぬ、いざ生きめやも。

何と高貴な日本語!

そして、この句がこの映画のモチーフとなるのです。



無限の時の中で、有限の人の生。

堀越二郎の、目先でない夢を追う姿は

まさに「今」を懸命に生きることの大切さを訴えかけ、

そして全体俯瞰でモノを観ることの大切さを教えてくれます。

さらに、決して自らのためではない

彼の謙虚さにも僕は惹かれます。



描かれる時代は大正末期から昭和の初めにかけて。

震災のシーンもあれば戦争のシーンもあります。

そんな厳しい時代だったからこそ

こういう人が生れたのかも・・・。

いわゆる「平和ボケ」に陥らず、命を懸けて生きたい

あらためて思いました。



とはいえ、映画の上での堀越二郎は完璧すぎます(笑)。

バランスが良すぎる・・・。こんな男がいたら

まず放っておかれないでしょうが、こんな「奴」は絶対にいない(笑)。

実際の堀越氏は違ったはずです。



※この映画は堀辰雄の「風立ちぬ」と「菜穂子」を折衷し、

実在の人物堀越二郎の半生を描いたものだそうです。

久しぶりに手元にある筑摩書房の「堀辰雄集」をひもときたくなりました。