僕は基本的にテレビは観ません。

ところが、たまたま新聞か何かで「カラマーゾフの兄弟」 がドラマ化されることを

知り、観ています。

人の闇の部分がテーマになっている小説ですから、第1話も結構な黒さで・・・、

このまま観続けることを拒否したくなりましたが・・・、

結局不思議な面白さに心奪われて毎回楽しみにしております(笑)。


先日の第4話は黒澤家の三男、涼にフォーカスされていました。

舞台が現代の日本に置き換えられていますが、

使われている音楽然り、物語の進め方然り、なかなかのものです。
(原作のエッセンスはそこそこにきちんと抽出されていると思います)

第4話後半、園田教授が亡くなる直前に病室で涼に語るシーン、

その時の言葉がとても気に入ったので記しておきます。


涼:
僕は自分自身が正直一番わからないんです。

園田教授:
誰にとっても知らないこと、わからないことが一番怖いんだ。
でもね、人は自分が何者であるか知って、はじめて社会や他者と
向き合えるようになる。だから怖がらずに勇気を出して向き合ってみろ、
自分自身とも家族とも。
大丈夫だ。君は強くて思いやりのある立派な男になれる、僕みたいにな・・・。(微笑)



医学生の涼は原作でいうところの修道僧であるアリョーシャ、そして園田教授は

ゾシマ長老ですが、果たしてこんな言葉をドストエフスキーが語らせていたっけと

探しました・・・(笑)。


実は僕は江川卓訳の新潮文庫でしか読んだことがなく、

ミリオンセラーだけれど、(ドラマの基になっている)賛否両論の亀山郁夫氏の

ものは未読です。

多分、アリョーシャによるゾシマ長老の説教集のところだろうと具に確認しました

が、当然、上記のような言葉は見当たりません。

しかしながら、アリョーシャが書き留めたこの100ページほどの長老の生涯、そして

法話を久しぶりに読み返し、とても引き込まれました。

昔読んだ時はまったく理解していなかった・・・。

自然の上に人間があるのでなく、むしろ人間は自然の下、否、自然と共生している

のであり、傲慢になることの非をあらゆる言葉を使っておっしゃっている。

勉強になります。

もう一度じっくりと「カラマーゾフの兄弟」を読み進めようと思いました。