昨晩、研修後に初台のオペラシティに

向かいました。


横山幸雄さんが

ショパンのピアノソロ作品全212曲を

1日にして完全演奏するという試み

観るためです。

ちょうど20:20からの第3部パート3から

拝見することができました。

午前8時から休憩をとりながらも

ほぼぶっ続けという過酷なスケジュール。

作品番号の順番にショパンの歴史をたどってゆくと、

作曲家の人となり、心までもが見えてきます。

ちょうど30歳から亡くなるまでの最後の10年間の

作品を俯瞰し、音楽が深遠な世界に片足を入れる

瞬間を垣間見、音楽がその作品を生み出した人間の

感情と見事にリンクしていることがよくわかりました。

ショパンの場合でいうと、故国ポーランドの

庶民の舞曲である「マズルカ」に彼の本質をみました。

体調が思わしくない、死を自覚した上で書かれた

最晩年の「マズルカ」はまるで心の叫びです。


ところで、肝心の横山さんの演奏。

感動しました。まったく軸がぶれず、

最後の最後まであくまでショパンだけを感じさせるピアノ。

バラードの4番も、ソナタの3番も、舟歌も幻想ポロネーズも

とにかく素晴らしかった。

僕にとって横山幸雄というピアニストはこれまで

視野の外にいる音楽家でした。好き嫌いではなく、

ともかく聴こうとしていなかった。

実演を初めて聴いて、テクニック、音楽性

そして何より体力&精神力、いずれも

人間離れしたすごい人だと実感しました。

意外に(?)、ピアニシモのなでるようなぞくぞくする

音も良かった。


ひとつ感じたこと。

自分を信じて「やるべきことを徹底的にやる」ことが

大事だということ。


ありがとうございました。

おわり