第二十一話

ラーメン一杯で、社内がざわついた(笑)

前回、究極にケチだったTさんの話を書きました。
100円の割引券を取りに、わざわざ会社まで戻る。
晩酌のお酒を買うお金がなくて、漫画本を売りに行く。
なかなかの人でした(笑)

でも実は、もう一人いたんです。
社内で、

「あの人は、本当にケチだ」

その人は、関西で弊社の代理店をされていた〇〇さん。
当時、60歳くらいだったでしょうか。

年齢の割には、とにかくガタイがいい。
そして、いつも持ち歩いている営業用の鞄が、なぜかめちゃくちゃ重い。
あまりにも重いので、

「あれ、筋トレ用なんじゃないか?」

と、みんなで勝手に言っていました(笑)
それも、あながち間違いではなかったのかもしれません。

よくよく話を聞いてみると、若い頃からずっとスポーツをやっていて、
その頃もマスターズの大会に出ていたらしい。

確か投擲競技だったような……。
重量挙げだったような……。
そこは、もう記憶が曖昧です(笑)

ただ、とにかく体がデカかった。

関西の方でしたが、大学は都内の有名私立大学を卒業。
その後、それなりの会社に就職されたようです。

私が知り合った頃にはすでに会社を退職し、
自分で事業を営みながら、弊社の代理店としても活動されていました。

ある時、その〇〇さんから、
以前勤めていた会社での話を延々と聞かされたことがあります。

自分がどれだけ仕事ができたのか。
部下からどれだけ慕われていたのか。
それはもう、なかなかの武勇伝でした(笑)

ところが、後になって面白いことが起きます。
うちの社長が別件で、ある方と会いました。

いただいた名刺を見ると、〇〇さんが以前勤めていた会社。
しかも部署まで見て、

「もしや?」

と思って聞いてみたところ、
なんと、その方。

〇〇さんの元部下だった(笑)

そこで当時の〇〇さんについて聞いてみると――
本人から聞いていた武勇伝とは、どうも話が違う(笑)

もちろん、そんなことは本人には言いません。
陰で笑っていました。

そんな〇〇さん。
もう一つ、社内で有名なことがありました。

とにかく、ドケチだった。

関西圏の代理店権を持っていたので、
関西で案件があれば、こちらの担当者も客先に同行します。

営業のサポートもする。
〇〇さんが商工会か何かの展示会に出れば、その手伝いにも行く。

こちらは新幹線に乗って関西まで行き、
場合によっては宿泊までします。
もちろん交通費も宿泊代も、こちら持ちです。

それなのに、関西担当の連中は口を揃えて言っていました。

「缶コーヒー一本、奢ってもらったことがない」

新幹線に乗って手伝いに行っても、です(笑)
それほどの人でした。

ところが、ある時。
なぜか私が〇〇さんの現場へ行くことになりました。

たぶん、人がいなかったんでしょう(笑)

現場確認が終わったあと、〇〇さんと二人でラーメン屋に入りました。
カウンターしかないような店で、二人並んでラーメンをすすった。

そして会計。

なんと――

〇〇さんが、私のラーメン代まで払ってくれた。

あの〇〇さんが。
缶コーヒー一本奢らないと言われていた、あの〇〇さんが(笑)

なぜ私には奢ってくれたのか。
今でも、本当に謎です。

社に戻って、

「あのドケチで有名な〇〇さんに、ラーメン奢ってもらったぞ」

と話すと、

「お前が物欲しそうな顔しててんだろ?」

そういうことか?(笑)
いやいや、ちょっと待て。

缶コーヒー一本奢ってもらえない自分を、まず反省しろ!

……と思った私の方がお門違いでしょうか(笑)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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第二十話

ビール代は、漫画本だった。

昔、うちの会社にTさんという社員がいました。
このTさん。
社内では、とにかく「ケチ」で有名な男でした(笑)。

ある日、
みんなで昼飯を食べに行こうと、
会社から歩いて出かけた時のこと。
会社から7〜8分ほど歩いたところで、
ケンタにしようと決まった途端、
Tさんが突然、

「割引券取ってくる!」

と言い出したのです。
それは、ケンタの割引券だそうで、
しかも割引額は100円程度……汗

手間を考えたら、
行かない選択肢が普通だと思うが、
彼は100円のために、
わざわざ会社まで戻った(笑)。

Tさんのケチぶりは、
運転にも表れていました。
とにかく、
絶対に割り込みを許さない(笑)。

地方に行くと、
こういうタイプは結構いるんです。
特に群馬(笑)。

ところがTさんは、
東京生まれの東京育ち。
渋滞の多い都内では、
合流地点で一台ずつ、
順番に譲り合って入ることも多い。
でも、
Tさんは一切譲らない。

それはもう見事なくらい、
何が何でも割り込みを許さない男でした(笑)。

ところがです。
そんなTさん。
なぜか車には金をかける。

しかも、
ドアをわざわざガルウイングに改造して乗っていて、
めちゃくちゃ乗り降りが大変だった(笑)。

100円をケチる男が、
なぜ何十万もかけて乗りにくい車に改造するのか。

私には理解できなかった(笑)。

そんなTさんの家に、
私が泊まったことがあるのですが、
なぜ泊まることになったのかは、
もう覚えていません。

たぶん、
一緒に仕事に行って、
帰る電車がなくなったとか、
そんな理由だったと思います。

Tさんの家には、
とにかく漫画本がたくさんありました。
ただ、
いわゆる誰もが読むような漫画ではなかったような気がしますが……。

そこはTさんです。
やっぱり、ちょっと変わっていました(笑)。

当時の私にとって、
晩酌は日課でした。

ところが、その夜は困ったことになった。

二人とも、金を持っていない(笑)。

これでは、晩酌ができない。
さて、どうするか。

そこでTさんが、
家にあった漫画本を何冊か持ち出した。

そして私と一緒に近くの古本屋へ行き、

漫画本を売った。

その手に入れた数百円のお金で、
自販機で発泡酒を買い、
Tさんの散らかった家に戻り、
発泡酒にありつけた。

ドケチで有名だったTさんに、
おごらせた男として、
社内外を問わず、
私の名前はとどろきました。

あんなに大事にしていた漫画を売ってまで、
発泡酒をおごらせた男として(笑)。

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第十九話


ホテルに泊まれなかった。
でも、それなりに楽しかった。






前回は、夜行バスで大阪へ向かった話を書きました。
交通費を少しでも抑えるために、夜行バスを使う。
考えてみれば、結果的には宿泊費まで浮いていたわけです(笑)



そして、どうしても泊まらなければならない時。
私が使っていたのが、カプセルホテルでした。



今のカプセルホテルとは、
たぶんずいぶん違います。
そもそも当時のカプセルホテルは、
今のように「泊まってみたい」と思って
選ぶような場所ではなく、



やむを得ず泊まるところ。



そんな雰囲気がありました。
宿泊している人たちを見ても、
楽しそうにカプセルホテルを満喫している人なんて
見かけませんでした(笑)





出張ですから、当然スーツです。
着替えもあります。
キャスターバッグも持っています。



ところが、初めて泊まったカプセルホテルで
あてがわれたロッカーを見て、固まりました。



小さい。



上下二段に分かれている、
事務所によくある、いわゆる6人用の
スチール製ロッカーです。




「……これ、スーツどうやって入れるんだ?」




ハンガーに掛けたところで、丈がないのだから、
折り曲げて無理やり収める以外ありません。



そして、キャスターバッグ。
これはロッカーには、
どうやっても入るわけがありません。



皆はどうするのか周りを観察していると、
どうやらフロントに預けるらしいことが分かった。
そこで私も預けることにしました。



ところが、キャスターバッグの中に
必要なものを忘れていることに気づいた場合。



これが面倒なんです。



カプセルのある階から、
わざわざフロントまで降りて、
「バッグお預かり券」を渡し、
奥からバッグを持ってきてもらう。



必要なものを取り出したら、
またバッグを預けて、
お預かり券をもらう。



これで終わればいいのですが、




「……あ、あれも忘れた。」




となると、また同じ作業を
繰り返すことになります。



トホホ……(笑)



まあ、これを何度かやっているんですけどね……汗。





そして、風呂。



当時私が利用していたのは、
サウナとカプセルホテルが
一緒になったような施設でした。



今のサウナブームでは、
ちょっと考えられないような場所もありました。



体を洗わず、
そのまま湯船に入るおじさん。



平気で痰を吐くおじさん。



そんな人たちが、
当たり前のようにいました。



風呂に入ったはずなのに、



なんだか体が汚れた気がした(笑)



サウナもすごかった。



でっぷりした腹から吹き出した汗を、
手で絞り出すようにして、
床は汗だらけ。



もう、それはそれは地獄絵図でした(笑)



今考えると、
喫煙のルールにしてもそうですが、



昭和のおじさんたちの無謀ぶりというのは、
なかなかのものだったと思います。



あの時代って、
やっぱりすごかったですね(笑)





ただ、カプセルそのものは
嫌いではありませんでした。



むしろ、狭くて楽しかった。



子どもの頃、押入れの中に入って遊んだ時のような、
ちょっとしたドキドキ感がありました。



中にはテレビもついています。



狭いカプセルの中で
寝転びながらテレビを見ていると、



いつの間にか寝落ちしている。
それが定番でした。



狭くても、翌朝には
不思議と疲れも取れている。



そしてまた、
ネクタイを締めて、颯爽とお客様の元へ向かう。



当時は、それを特別な苦労だとも
思っていませんでした。



新幹線を使わず、在来線で移動する。



高速道路を使わず、下道を走る。



夜行バスで大阪へ行く。



泊まるならカプセルホテル。



節約といえば聞こえはいい。



でも、本当のところは違います。



なかったのです。



新幹線に乗るお金も。



普通のホテルに泊まるお金も……汗。



だから、その中でやるしかなかった。



今振り返れば、



よくやっていたなと思います(笑)






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今日の、ひとつ。


対応ひとつで、
一日が変わる。







今日は、本業の仕事で
平塚市へ行ってきました。



環境機器を設置するにあたり、
条例について確認したいことがあり、
担当部署を訪問しました。



対応してくださった担当者が、
これが実に感じのいい方でした。



こちらの質問にも的確に答えてくださり、
話もスムーズに進みました。



「行政の対応は悪い」



そんな話を耳にすることもありますが、
少なくとも、今日の担当者には
まったく当てはまりません。



相手が誰であっても、
態度を変えず、丁寧に対応する。



簡単そうに見えて、
これがなかなかできることではありません。



感じのいい人と話をすると、
こちらまで気持ちよくなりますね。





せっかく平塚市まで来たので、
ついでに伊勢原市まで足を延ばしました。



……まあ、それほど
「足を延ばした」という距離でもありませんが(笑)



目的は、大好きな
【なまらうまいっしょ】でのランチです。



このあと打ち合わせがあることは、
もちろん分かっていました。



分かってはいましたが……



ニンニクチップを載せないという選択肢は、
私にはありませんでした(笑)



結局、がっつり食べてしまいました。



感じのいい対応をしていただき、
美味しいものも食べられた。



今日も、いい一日でした。



ただし――



このあとの打ち合わせ相手にとって、
いい一日だったかどうかは分かりません(笑)











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願うだけでは、変わらない。



前回、私は『思いは実現する』と書きました。
ただ、誤解していただきたくないことがあります。
強く願えば叶う。
私は、そんな単純な話だとは思っていません。
もし願うだけで実現するなら、
世の中は成功者だらけのはずです。


では、何が違うのでしょうか。


私は、
思いが毎日の選択を変えること、
そこに大きな意味があるのではないかと考えています。
本気で実現したい未来があるとき、
何を選ぶか、
誰と会うか、
何に時間を使うか。
そうした小さな選択が
少しずつ変わり始めます。
その積み重ねが、
数年後に大きな違いになって現れるのだと、
私は思っています。



振り返ってみると、
私が今取り組んでいる環境関連機器の事業も、
最初は頭の中にある構想に過ぎませんでした。
それが一年や二年で形になったわけではありません。
二十年間、諦めずに考え続け、動き続けた結果、
今の仕事があります。


だから私は、
『思いは実現する』という言葉を、
願い事ではなく、
行動の積み重ねの結果として受け止めています。



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第十八話

すっ飛んでいく。
ただし、夜行バスで。

大阪着、午前5時。約束は10時半。

前回、役員三人で蕎麦を食べようとしたものの、
三人の財布を合わせても、二千円しかなかった話を書きました。

役員でさえ、金を持ち合わせていなかった時代です。

もちろん、地方への出張にも、
無駄な金など使えません。

だからといって、

「金がないので、お伺いできません」

とは言えません。

一応、メーカーです。

少しでも興味を示してくれるお客様や、
代理店候補の企業があれば、
どこへでも、すっ飛んでいきました。

「すっ飛んでいく」と聞けば、
飛行機や新幹線で颯爽と向かう姿を
想像するかもしれません。

しかし、当時の私は違いました。

電車なら、在来線。

遠方なら、高速バス。

車なら、高速道路を使わず、
ひたすら下道です。

新幹線なら50分で着く場所も、
在来線なら90分。

時間は約2倍かかります。

それ以上につらかったのは、
座れないことでした。

スーツ姿で荷物を抱え、
目的地まで立ちっぱなし。

もちろん、これが普通だとは思っていませんよ。

地獄だと思ってました(笑)

そういえば、一度、
大阪まで夜行バスで行ったことがあります。

座席は、普通のバスより少し広い程度。

これで大阪まで眠れるのかと思いましたが、
まったく眠れませんでした。

大阪までに、何度休憩するんだ。

サービスエリアに停まるたび、
乗客が次々とトイレへ向かいます。

前の方に座っていた私は、
人が通るたびに目を覚ましました。

結局、ほとんど眠れないまま、
大阪・梅田へ到着しました。

時刻は、午前5時。

お客様との約束は、
午前10時30分です。

あと、5時間半。

どうしろっていうんだ。

今のように、
スマートフォンもiPadもありません。

時間をつぶそうにも、
できることなど、ほとんどありませんでした。

ようやく開いている喫茶店を見つけ、
そこに置いてあった週刊誌を手に取りました。

興味のない記事を読み終える。

時計を見る。

まだ、ほとんど時間は進んでいない。

仕方なく、
さっき読んだ記事を、もう一度読む。

そんなことを繰り返しながら、
午前10時30分を待ちました。

在来線では、
こんな失敗もありました。

滋賀へ行った時だったと思います。

電車に乗ったまではよかったのですが、
しばらくして、
反対方向へ向かっていることに気づきました。

次の駅で慌てて降りたものの、
戻る電車は1時間後。

最悪、タクシーでもあればと思いましたが、
そんなものも見当たりません。

何もない駅で、
ただ次の電車を待ちました。

こんな失敗を何度も繰り返しながら、
あの時代を乗り切ってきたのです。

そして今、
これを書きながら気づきました。

そういえば、ほかの役員から、

「各駅停車で移動した」
「夜行バスで大阪まで行った」
「高速道路を使わず、ひたすら下道を走った」

そんな苦労話を、
私は一度も聞いたことがありません。

もしかして――

ここまでやっていたのは、
私だけだったのか?(笑)

移動に金を使えないのですから、
当然、泊まる場所にも金は使えません。

当時、私がよく泊まっていたのは、
今ではすっかりきれいになった、あの場所です。

カプセルホテル。

しかし、当時のカプセルホテルは、
今とはまったく違う場所でした。

続きは、次回。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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今日の、ひとつ。

あなた、本当にAI?

初めて音声で話したら、人間としか思えなかった(笑)

昨日は、仕事で草津温泉へ向かっていた。

俺は仕事柄、
車で移動する時間が結構長い。

この時間、何とか有効に使えないかな。

そう思って、以前から気になっていたChatGPTの音声会話を
初めて使ってみることにした。

これまで文字では散々やり取りしてきたけど、
声で話すのは初めてだった。

運転しながらブログの打ち合わせでもできれば、
これは便利だなと。

正直、その程度に考えていた。

それに音声で会話するといっても、

Siriに毛が生えたくらいのものだろうと思っていた(笑)。

ところが。

話し始めて数分で、
俺は何度も同じことを聞いていた。

「あなた、本当にAI?」

返事の内容だけじゃない。

間がおかしいくらい自然なのだ。

こっちが話し始めようとした瞬間に、
向こうも話し始める。

会話が被る。

「あっ……」

となると、
向こうが引いて謝る。

いやいや。

そこまで人間っぽくする必要ある?(笑)

こっちが笑えば、
会話の空気も変わる。

冗談を言えば、
普通についてくる。

俺が話したことに対して、
少し間を置いて返してくる。

この「間」が妙にリアルなのだ。

俺はAIと話しているはずなのに、
途中から普通に誰かと電話しているような感覚になっていた。

そして、さらに困ったことが起きた。

声が、俺の主治医にそっくりなのだ(笑)。

これが本当に困る。

普段、文字でやり取りしているChatGPTには、

「違う違う!」
「そうじゃないって!」

なんて、
俺は結構強めにツッコむ(笑)。

ところが声が主治医にそっくりなものだから、

なんだか先生に文句を言っているような気がして、
いつものように強く言えない。

AI相手に気を遣う俺(笑)。

AIって、

「質問したら答えてくれる便利な道具」

くらいに思っていたけど、

俺が思っていたところより、
ずっと先まで来ていたらしい。

62歳。

まだまだ世の中には、

「なんだこれ!」

と思わせてくれるものがある。

それはそれで、なかなか面白い。

ただ……

次に話す時までに、

主治医じゃない声に変えておこうと思う(笑)。

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本から、ひとつ。|『ザ・シークレット』第1回

願いではない。
思いは、実現する。

「念ずれば叶う」

この言葉は、昔から知っていました。

『ザ・シークレット』を初めて読んだ時、
私は思いました。

これは、「念ずれば叶う」の西洋版ではないか(笑)

もともと前向きというか、肯定的というか。

この本を読んで、
自分の考え方を証明してもらったような気がしたのです。

ただ、こうも思いました。

ここに書いてあることが本当なら、
誰も苦労などしなくて済むじゃないか、と。

思ったことが現実になる。

欲しいものを思い描けば、それが引き寄せられる。

そんなに簡単なら、
世の中は成功者だらけになっているはずです。

しかし、実際にはそうなっていません。

なぜなのか。

おそらく、普通は、
この本に書いてあるようにはできないからです。

「そんなことが本当に起きるのか」
「自分には無理なのではないか」
「現実は、そんなに甘くない」

人間は、どうしても疑います。

頭では信じようとしても、
心のどこかで疑っている。

無理やり思い込もうとするのとも、少し違う気がします。

願い続けることとも違う。

うまく言葉にするのは難しいのですが、

疑うことも、躊躇することもなく、
その世界の中に入れるか。

私は、そういうことではないかと思っています。

梅干しを口に入れるところを、
想像してみてください。

梅干しを食べたことがない方は、レモンでも構いません(笑)

あの酸っぱさを思い浮かべただけで、
口の中に唾液が出てきませんか?

目の前に梅干しはありません。

実際には、食べてもいません。

それでも、頭の中で鮮明に思い描くと、
身体は反応します。

思いは、まだ現実になっていない段階から、自分の身体や行動を動かし始めている。

私は、そういうことだと思うのです。

私は今も、常に目に入る場所にドリームボードを貼っています。

そこには、これから実現したい仕事や暮らし、
スポーツ、家族、
そして人生後半の生き方が貼ってあります。

「こうなったらいいな」と願うためだけのものではありません。

その未来へ向かって生きている自分を、
毎日確認するためのものです。

振り返ってみれば、
これまで実現してきたことも、
最初はすべて私の頭の中にありました。

その一つが、今取り組んでいる環境機器の仕事です。

最初は、私の頭の中にある構想にすぎませんでした。

それが長い時間をかけて、現実の仕事になりました。

たとえ、それが20年先であっても、
思いは実現する。

私は、自分の人生を通してそう感じています。

そして今、私が新たに思い描いているのが、
AIブログの成功です。

まだ、始まったばかりです。

この先どうなるかは、誰にも分かりません。

それでも私は、
実現する日が必ず来ると思っています。

成功するまで、やめませんから(笑)

「願いが叶う」と言うのは、少し違います。

願いではない。
思いが、実現するのです。

これから先の20年も、
新たな思いが現実になる日は必ず来ます。

私はもう、その世界に入り始めています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

29歳で独立。
43歳で1億円の負債を抱え、
61歳で心筋梗塞。

それでも62歳の今、
私は新しい挑戦を続けています。

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第十七話

あの日の、狐そば

役員三人、財布に二千円。


前話のような素晴らしい出会いも、
確かにありました。


とはいえ、、、


現実は、
そんな良い話ばかりではありません。


ある展示会帰りに、
役員三人(社長、専務、そして当時取締役だった私)で、
「腹も減ったし、飯でも食べて帰ろうよ」ということになりました。


ところが、それぞれが不安になり、
財布を確認したところ、
三人合わせても二千円しか手持ちがありません。


三人で顔を見合わせ、
専務(女性)が「まっかせなさーい!」
と勢いよく近くのATMに飛び込みました。


遠くのこちらでも様子はうかがえ、
うまくいってなさそうだなあと想像はできました。


しばらくしてこちらを振り向き、
その満面の笑みを浮かべた表情をみた時には、
あ、やっぱりなかったんだなあーと確信できました。


直後に社長と顔を見合わせ、
こりゃ立ち食いそばだなとお互いが悟りました。


三人で暖簾をくぐり、
金額を気にしながらもそれぞれが好きな蕎麦をオーダーし、
一杯の掛けそばではないけれど、
大切に味わって食べたのを覚えています。


社長と私は確か狐そばだったような気がします。


本当にお金がなかったあの頃、
そんなエピソードはほんの一握りで、
もっともっと面白くて笑える話は(今だからですけど)たくさんありますが、
よくやってきたなあーとしみじみ思います。




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第十六話


頭を下げ続けたら、
紹介が生まれた。


このスタイルの変化は、すぐに結果へ結びついたわけではありませんでした。


正直、しばらくは何も変わらないように見えました。


それでも、続けているうちに。
少しずつ、変化が見え始めたのです。


ある中小企業の担当者の方が、こう言ってくださったことがあります。



「あなたは、他の営業マンと違いますね」


何が違うのか、その時は聞けませんでした。
でも後になって、分かりました。


契約が取れなくても、私は変わらず頭を下げ続けていたのです。
数字にならない相手にも、態度を変えませんでした。


それが、少しずつ信頼につながっていったのだと思います。



一度信頼していただけると、不思議なことが起こります。


その方が、別の会社の方を紹介してくださるのです。



「うちでは決まらなかったけど、あそこの担当者なら話を聞いてくれるかもしれない」


紹介は、飛び込みとはまったく違いました。
すでに、信頼という土台がある状態から、話が始まるのです。


門前払いされることは、なくなりました。


数字だけを追っていた頃には、絶対になかったことでした。



数字を追うのをやめたら、数字が、あとからついてくるようになりました。
皮肉なものです。





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