僕は最近、「人に仕事を任せる」ということについて、ずっと悩んでいた。

「任せたほうがいい」「人を育てることが大事」——そんなことは頭では分かっている。
だけど現実は、なかなかうまくいかない。頼んでも伝わらなかったり、期待していたレベルに届かなかったり、結局手間も時間もかかってしまう。
最悪の場合、放っておくとクオリティがどんどん下がってしまい、後からがっかりするようなことになる。

そんな状況が続くと、ふと思ってしまう。
「自分は、他人のことを根本的に信用していないのかもしれない」と。

信じたいのに、信じきれない

もちろん、信じたくないわけじゃない。
むしろ、「任せたい」と思っているし、相手に成長してもらいたいとも願っている。
でも、期待した分だけ裏切られると、こちらのダメージも大きい。

一度はうまくいったとしても、しばらくすると元に戻っていたりする。
そんな時は、「せっかく育ってきたと思ったのに…」と虚しさを感じる。

そういう経験が積み重なると、「任せるって面倒だな」「だったら自分でやったほうが早い」と思ってしまう。
それでも、どこかで気づいていた。
**「このままでは自分も、組織も、大きなことはできない」**と。

解決のヒントは「任せることの本質」にあった

改めて、自分の中で整理してみた。
任せるということは、放っておくことじゃない。
関わり方を変えること。見守ること。支えること。責任を引き受ける覚悟を持つこと。

そして、人を育てるというのは、一度できたらそれで終わりではなく、波があって当然のプロセス。
最初はできなくても、何度も引き上げながら、その人なりのやり方で成長していけるように支える。

つまり、任せること自体が自分の修行でもある。

僕がやるべきこと

たくさん本を読み、考えた。
そして今、ようやく自分の中ではっきりした。

今の僕がやるべきことは、「人に任せることができる自分」になること。
それができれば、自分も、組織も、もっと大きな物事に挑戦できる。
自分の力を活かす場所も、仲間の力を引き出す場も、もっと広がっていく。

もちろん、まだ完璧にはできないし、これからも悩むだろう。
でも、ようやく覚悟が決まった。

任せるという挑戦を、面白がってみようと思う。