経営のサイズ感について、少し経験値が上がってきたところで考えることがある。

果たして自分は会社を大きくしたかったのか、それとも自分で自由にやりたかったのか。

 

人を雇ってみて、その良さと難しさを実感した。

複数の人間がいれば、扱いには悩むが、やっぱりできることは増える。

特に今は、会員サービスをある程度任せて、自分は外に集中できるようになった。

また、外部向けの発信も自分がやめたブログを通じてやってくれる人がいる。

 

これって何なのかということを考えると、自分が切り開いてきた畑を誰かに譲って、自分はまた次の畑へ行くことではないか。

自分にとって、これが「他の誰かと一緒にやる」意味ではないかと気づいた。

 

自分はいつも、自分が経験したことのないことを切り開きたいと思っている。

しかし、築き上げてきたものがあればあるほど、それを続けなければならない。

自分にとって、そこに居座ることが望ましいとは言えなかった。

 

必ずしも好きではないことを人に譲り、自分は新しいことをする。

このやり方なら、続く人にはそのやり方を教えればそれは続けられるし、自分はまたやりたいことができる。

会社を売却するような極端なことはせず、あくまで自分の目の下に置くことができるのだ。

 

もっとも、このやり方で重要なのは、渡した畑を耕作する人に余計な口を出さないことだ。

彼らは彼らなりのやり方で畑を耕したいだろう。好きな作物を植えたいだろう。

これは自分がやる場合とのトレードオフなのである。

(もちろん、その方向性を与えることやアドバイスは惜しまない)

 

この「開墾経営」こそが、自分がやりたい会社としての姿ではないかと思うようになっている。

アイデアを実現するのは自分、それを育てるのは誰かにやってもらうということだ。

こうやって、少しずつ開墾地を増やしていけば良いのではないだろうか。

 

土地が増えれば、いずれ収穫量も増える。それが地主としての報酬である。