Kさんとの契約を終わらせようとした。
なぜそうしようと考えたのか。考えるきっかけになったのは、Kaさんの下で働くMさんの給与の件からだ。
Mさんは、かなり安い給与で働いているという。
だったらうちに来たら良いのではないか?
そう考えると、そもそもKaさんもうちに来たほうが良いのではないかと考えるようになった。
Kaさんは、そもそもうちの仕事がしたいと思って帰ってきた。
しかし、S社に戻ると他の仕事もしなければならなくなっている。
これは本人も余り望んでいないようだったし、こちらとしても関わる人は一体感を持ってやっていきたい、同じ目標に向かって動きたいという意図があった。
また、かつてはKさんのアドバイスがあったからこそ契約の意味があったが、いまやその指示というのも見込めなくなっている。
どうせ自分が指示しなければならないのなら、中に入れてしまったほうが得だと思った。
「得」という考えからすると、払っているお金も高い。
指示が見込めないのなら、それだけの金額を払う意味はないように思えた。
結局の不満はこの「高い」というところにあったように思う。
要は、やってもらっていること、特に指示の部分について物足りなく感じていたのだ。
まして、今の感じだと、Kaさんも徐々に離れていく方向性に感じて、こちらとしても危機感があった。
一方で、契約を終了してKaさんだけ連れて行くというのは、たしかに信義則上疑問が残る。
できれば、そういうことはしないほうが、今後の人生のためにも良いだろう。
これらを踏まえて、落とし所が決まった。
S社としては、Kaさんをこちらの専属にしてもらう(コミットメント)。
そして、Kaさんが「指示」の部分までしっかりやってもらう。
うちは、これまで通りの契約を続ける。
S社としても、利益は出ているので、契約は続けられたほうが良い。
契約終了リスクを減らすには、当社ビジネスへのコミットメントが重要になる。
これで、両者の利害が一致するはずだ。
もちろん、結局一番のポイントは、KaさんやS社が対価に見合うだけのものを提供してくれるかどうかだ。
当社としても、高いお金を払っている以上、それを最大限活用しなければならない。
任せるのではなく、いかにモチベートして良い方向へ導くか。
それが、今の僕に与えられた使命だと感じる。