会社を経営するということは「仕組み」を回すことである。究極的には、スイッチを押せば、自動的にゴールまで連れて行ってくれるようにする必要がある。
問題は、その仕組みを何が担うか。これまでの世界では、人を雇うことが一般的だった。社長が号令をかけ、その意を汲んだ社員が猛烈に動く。汎用性も高く、勢いつけばどこまでも加速する。
一方で、今は他の方法もある。例えばITを使うこと。ロジックで1から10まで書けば、バグがなければ確実にゴールまで行ける。低コストでスピーディ、不確実性も小さい素晴らしいものだ。
しかし、ITは命令以上のことはしないので、命令を考えてプログラミングに落とし込むのは人間の仕事だ。AIがこれをやることにもなるのだろうが、「経営」をやるのはもう少し先のことになるだろう。
いま現実的に行われているのはこのハイブリッドだ。すなわち、社長が号令をかけ、エンジニアが頑張ってプログラムを組む。一回でうまくいくことはほとんどないので、結局人間が試行錯誤を繰り返しながらゴールを目指す。
このやり方をうまく回すため鍵を握るのが、社長の号令である。それが漠然としたものであるほど、エンジニアとのギャップは大きくなる。これがプロジェクトをダメにしてしまう。
さて、自分の話に立ち返ってみる。自分は「号令」をかけるのはあまり得意ではないが、「プログラム」を組むことはできる。もっともコードが書けるわけではないが、ロジックを作って文字に起こすことができる。これは大きな強みだ。
そう考えると、強みを活かした経営方法が見えてくる。プログラムを書いて、それを各エンジニアに依頼するのだ。これが正確にできれば、エンジニアは外注でも良い。幸い、いまはクラウドソーシングでいくらでもできてしまう。
そうなると、結局会社が成長できるかどうかは社長がスイッチを押せるかどうかということになる。要はやる気次第だ。やるべきことが決まれば、あとは要件定義書を書き、必要なリソースを集め、スイッチを押し、できたものをチューニングする。この繰り返しである。
「繰り返し」ということは、やはりコアの人材は固めておいた方が楽でもある。ここを社員として雇うことを検討するのだろう。このさじ加減は永遠の課題だ。