最近メディアを賑わせているのが、芸能人や政治家の不倫のニュースである。不倫をした人に対するバッシングは昔にも増して凄まじいように感じる。

 

不倫は結婚相手を傷つけるという行為において倫理上はよくないことだろう。しかし、それは当事者間の問題であって、社会的なバッシングに至るほどの要因になるのだろうか。

 

これが法律に違反していたのなら、社会的なバッシングもやむを得ないと思う。法治国家の是非は別にして。だが、不倫は法律上は犯罪ではない。

 

かつて日本にも「姦通罪」が存在していたが、これは女性にのみ適用される不平等なものであり問題が多い。男女共に不倫が犯罪になる国もあれば、一夫多妻が認めれられている国もあり(これも男女差別だが)、法的な評価は世界でも割れている。

 

日本において法律に依拠するとすれば、不倫が離婚事由になるということであろう。しかし、不倫が法律ではなく当事者間の問題にすぎないと言うならば、結婚は私的な契約であり、その契約に「不倫はいけない」とすることになっていなければならない。

 

裁判所が一方的に不倫を離婚事由とするならば、そこにあるのは「社会通念上」と言う曖昧な基準のみであり、とすれば「社会通念とは何か」を掘り下げなければならない。

 

この「社会通念」は時代と場所によっても変わる。戦前は「妾」が公然と行われていたことからも、不倫に対する社会の捉え方は今と昔では大きく違っていると言って良いだろう。

 

連続テレビドラマ小説「ひよっこ」では、富さんが俳優と愛人関係にあった描写があるが、これを現代に直すとやはり不倫であり、ベッキーと何ら変わりない。それでも全くバッシング対象にならないのは、時代やそこに至るストーリーなどの「背景」が違っているからだろう。

 

私の意見としては、不倫はやはり個人間の問題にすぎないと考えている。問題は結婚と言う行為にに「不倫はいけない」と明示されているのかどうかがはっきりしないことだ。結局これも移りゆく「社会通念」によって決まるものだ。

 

石田純一は「不倫は文化」と言ったが、これほど的を射た発言はないと思う。文化であるからこそ、メディアに出るような人は時代の空気を読む力が要求されるのだ。

 

※筆者はパートナーを傷つける不倫には全面的に反対だし、まして自分がするつもりはない。不倫ダメ、ゼッタイ。

 

※筆者は法律の専門家ではなく、法律的な記述の正確性は不明。