すごい人に会った。

 

大学院の先輩で、彼も自分の会社を立ち上げている。その会社は世界の貧困層をなくすプロジェクトに取り組んでいる。

 

26歳で自分が何をしたいか考えた時の結論が、世界から貧困層をなくすということだったらしい。その後自分で会社を立ち上げ、まずは資金づくりと中国で富裕層の囲い込みに成功する。しかし、売上が億を超え、結婚も決まったところで、8年間一緒にやってきた中国人のパートナーに裏切られ会社を持ち逃げされてしまう。

 

それでも夢を捨てきれず、今はインドを中心に英語・IT・ 財務の知識を貧困層の子供達に教育することで、彼らを中間層を引き上げようとしているのである。

 

何がすごいって、中国で富裕層を囲い込む能力があるのに、自分を潤そうとせず貧困層をなくすという目標に向かって一直線であることだ。自分だったらその能力があればまず自分を潤すことを考えるだろう。しかし彼はそんなことには興味がないという。

 

会社の形も独特だ。やっていることは慈善的な活動なので、NPO法人にすれば財団等からの寄付も集まりやすくなるだろう。しかしそこはあえて株式会社にしている。貧困層を自立させることが目的なのだから、自分が自立していないことには始まらないだろうという考えに基づくからだそうだ。

 

彼のアプローチは僕と全く逆だ。僕は一人でも多くの人を幸せにしたいとは思ってはいるが、そのためにはまず自分が幸せになり、家族が幸せになり、目の前の一人のお客さんを幸せにすることで少しずつ拡大していきたいと考えている。一方彼は、最も幸せにする効果が高いターゲットにしている。

 

中国やインドに対する見識も、ニュースでは見ることのできない生の声が聞けてとても良かった。インドはインフラを作るにしても個人の声が強くてなかなか道路を一直線に通せないなどの問題があり、簡単ではないとのこと。それでも12億人の人口を抱え、英語・IT・財務の能力を付ければ、インドのこれからの成長は間違いないだろう。

 

この人に会う飲み会に参加できて本当によかったと思う。アプローチは違うが、将来この会社に出資できるくらいは頑張りたい。一期一会を大切に。