レジリエンスとは、失敗しても再起する力のことを言うそうだ。これが今、にわかに注目を集めているという。そんなわけで、この本を読んでみた。

人間は失敗したり怒られたりすると、恐れを感じてネガティブな感情を生じてしまう。そしてネガティブな感情が繰り返してしまうことで、悪い方向へと向かう。この悪いループを断ち切るためにはネガティブ感情を解消することが必要だ。

技術的な話では、「運動系」「呼吸系」「音楽系」「筆記系」の方法があるという。要は、ネガティブな感情が生じたら自分に合った方法で気晴らしをして、次に引きずらないということだ。これはネガティブな感情が生じやすい職場では特に有用だと思う。イライラしたら一呼吸置いて気晴らしの手段を取るのだ。本文中にある、一旦席を立ち早歩きをするというのは地味だが有用だと思う。

また、ネガティブな感情が生じる原因として、7種類の「思い込み犬」が心の中にいるとしている。7種類とは「正義犬」「批判犬」「負け犬」「謝り犬」「心配犬」「あきらめ犬」「無関心犬」のことだ。これらは過去の経験から生まれてしまったものであり、自己防衛のためについつい顔を出してしまう。そういう時は、「また思い込み犬が出てる」と自分を客観的に見ることで、理性的な反応を心がけることが重要だ。上記の気晴らしとあわせて考えるとよりよい。

「レジリエンスマッスル」という言葉があるように、レジリエンスとは筋肉に例えられる。筋肉は、一度壊れても超回復作用でより強い筋肉へと生まれ変わる。精神の問題も、筋トレと同じだと思えば、困難な問題に突き当たっても、何くそと思って乗り越えれば必ずまた強くなる。アスリート出身の自分としては、この考え方がとてもしっくりきた。


世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方/実業之日本社

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