独立まで1年半となったが、それまでは当面サラリーマンとして過ごしていなければならない。しかし、その期間が不安になるほど頭に上ることが2回ほどあった。どちらも上司に関することだ。

一つはよくあることだが、会社の偉い人が思いつきのようなことを客に提案しろと言ってきた。そのお客をずっと見ている自分としてはそんな提案はあり得ない。過去にもそんな話をして完全否定されている。

しかし、今の上司はその経緯を知らない。偉い人と直接話していたのは上司であり、本人が知らないのでその場で否定することはできなかった。僕はその話を聞いて荒唐無稽であることを説明するのだが、上に言われたことだからと納得する様子はない。しまいには「ありえないと言うことを文書で証明しろ」と言ってくる。そんなものあるはずがない。僕は途方に暮れてしまった。

またその上司、議論ができない。言っていることがロジカルじゃないのに、自分の言ったことを否定されるとすぐにキレる。こっちが何とかロジカルに説明しようとしても、上記のように無理難題を言って「証明しろ」の一点張りである。そのくせ僕の説をひっくり返す新たな提案はない。これではどこにもたどり着かない。

自分の方が長く同じ仕事をしているので、自惚れているという面は否定できない。全く知らない人のことでも素直に聞き入れることでブレークスルーになることはある。また、まだ積み重ねが十分ではなく、僕が信用されていないだけかもしれない。

では、残り1年半をストレスなく過ごすにはどうしたら良いか。

無視する。これは問題を直視していないだけで、居心地も良くない。職場の空気を悪くなるようなことはしたくない。

徹底抗戦する。これは僕が正しいという確信があれば、仕事はうまくいくかもしれない。しかし、相手はプライドが高く、仮に仕事がうまく言ったとしてもやり方によっては禍根を残しかねない。

場を取り繕う。できるサラリーマンが用いる方法だ。僕はサラリーマンになりたいわけではないので拒否反応はある。しかし、これでじっくりと自分の考え方を伝えて最終的に仕事もうまくやるのが現実的な選択肢ではないだろうか。

職場の問題の大部分はコミュニケーションの問題である。今回は自分の思い上がりもあり、相手のプライドを挫いてしまっていたのだと思う。言い争いで職場の人に「勝って」も何の意味もない。そこは自分が折れて、話を正しい方向に持って行くのが本当の正解だと思う。

まずは相手を受け入れる「イエス、バット」の気持ちを持とう。