「ハーバード流交渉術」を読んだ。

交渉となるとついつい自分が勝つことを目的としてしまいがちだが、それが必ずしも最善の結果ではない。この本では最善の結果を導くための原則が紹介されている。以下はあくまで自分の言葉でまとめ直したものである。

<基本原則>

自分の立場に固執しない

最初に出した自分の案や置かれている立場からくる考え方(ポジショントーク)をしてしまっては相手との交渉は平行線かお互いにとって意味のない譲渡をすることにしかならない。まずは自分の立場を離れ、客観的事実に基づくことから交渉は始まる。

お互いの利害に焦点を合わせる

立場を離れて立脚すべきなのは、お互いの利害に焦点を合わせることである。そのためには、自分の主張をするのではなく、相手の話を聞くことである。(これは全てのコミュニケーションの基本である。)家電量販店での交渉では、自分は価格を交渉していると思っていても、店員は価格を正当化する理由を求めているかもしれない。

<解決策を見つける>

客観的基準に基づく

自分の立場を離れお互いの利害を理解したら、客観的基準を探し、それについて話し合いを行うことが大切である。客観的基準であれば、恨みっこなしの結果を導ける可能性は高まる。

第三の道を考える

交渉において最善の結果は当初の主張を呑ませることや、お互いの中間の案を取ることではない。互いの利害を突き合わせると、異なる基準が出てくる可能性がある。そこから出て来た案は最初の自分の案よりよいものである可能性がある。

相手の顔を立てる

ほぼ結論が整ったら、相手の顔が立つようにまとめると気分よく交渉を終えられる。「あなたのおかげで交渉がまとまりました」ということにすればその後の関係もうまく行くだろう。自分の手柄はことさら主張しなくても周りの人は必ず見ている。

大々的な「交渉」でなくとも、普段の職場や夫婦での会話でも原則から離れた「絶対にうまく行かない交渉」をしてしまっていたことを反省した。以上のような原則を踏まえ、より幸せなコミュニケーションを取れるよう心がけたい。


ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)/三笠書房

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