私には尊敬する文鳥がいました。

鳥なんて多少の個体差はあれど
だいたい同じでしょうと思っていました。

彼女に出会う前の私は
ただの文鳥好きでした。

「女好き」「男好き」
みたいな「文鳥好き」です。
死んでしまったら悲しいけど
次の子が来れば興味が移る。

でも今回は違いました。

ペットショップで白文鳥に踏まれてたちっちゃい子。
桜の季節にお迎えした桜文鳥のさくらちゃん。

私が彼女を尊敬する理由を
3つお話しします。

尊敬するポイントその1:
場の空気を読んだり
人の気持ちを察するのが
とても上手な気配り上手なところ

例えば一緒に泣ける映画を観ていて
私がぐずぐず泣いていると
さくらがちゅーっと涙を飲んでくれて
大丈夫?という目で見上げてくれます。

落ち込んで帰ってきた日は
それを察知して飛んできて肩にとまり
気が済むまで一緒に居てくれます。

尊敬するポイントその2:
しっかり自分を持っているところ

今までの文鳥達は、人間の都合で
小屋から出す時間を決めていました。
そうしないといつまでも小屋に帰らないからです。

ところがさくらは
今日は小屋から出ないと決めたら
遊ぼうと声をかけても来ません。

そしてずっと小屋を開けっ放しにしていても
間違えて家の外に飛び出したりしない安心感。

さらに、理不尽な扱いを受けたと感じたら怒ります。

自分を大切にしている感じが見受けられました。

尊敬するポイントその3:
長生きするための身体作りをするところ

文鳥って脚が弱って止まり木に止まれなくなると
そこから急速に身体も弱って死んでしまうことが
多いのです。

なので彼女が4歳の夏、脚が少し弱って
止まり木にやっと止まっているような状態
になってしまった時
正直もうダメかもと思いました。

あるとき視線を感じて
ふとトイレのドアを見ると、


筋トレしてる!?

私、15年以上色んな文鳥達を見てきたのですが

窓に垂直に張り付く文鳥なんて

見たことなかったんです。


インコと違って文鳥の脚では

縦に止まることは出来ないと思っていました。


さくらはきっと脚が弱ったら

ダメになってしまうことを悟ったのでしょう。

何度も窓に張りつき

1分程耐久トレーニングをしている

光景を見かけました。


ちなみに先ほどの写真のドアは

トイレのドアなので、

中に入っていたら窓に張りつく文鳥と目が合って

ぎゃー!っと叫んだこともあります笑


こうして脚力を取り戻したさくらは

このあと約6年

10歳まで生きました。


体力脚力が長生きの秘訣と知っていたさくらは

亡くなる3日前まで家の中を飛びまわっていました。


そして最期の日

さくらはずっと私と母の手の中にいました。

きっと自分の死期が分かったのでしょう。

その日は決して

私達の元から離れようとしませんでした。


辛くて目を閉じていたはずのさくらが

気づいたら目をしっかり開けて

私の顔を凝視していました。


私はたださくらがいつまでも

手の中に座っていてくれるのが嬉しくて

ただ微笑み返しました。


日付が変わる少し前に

さくらは息を引き取りました。


最期は大好きな家族と

時間が許す限り一緒に居たいという

さくらの強い意志を感じました。


亡くなった日はたまたま予定がない日で

一日でもずれていたら

そんなに一緒に居てあげることは出来ませんでした。


そしてさくらが最後に

目一杯尽くさせてくれたおかげで

辛かったけれど悔いは残らずに済みました。

本当に感謝しています。


私もさくらのように強く生きたいと思いました。


以上尊敬する文鳥の話でした。


長々とお付き合い頂いた方がいらっしゃいましたら

心より感謝申し上げます。



Hope to see you  again.

Best wishes, ことりヒヨコ