修正版(ぉ | 落ち行く下弦の月。

修正版(ぉ

「こいつがドラゴンの子供というやつか・・・」
ククク・・・と男は呟いた

洞窟の壁に声が反射し、何十にも重なって聞こえてくる
男は黒いフードで顔を隠し、異様な雰囲気を纏っていた
しばらくしてから男は手にした杖を振りかぶり何か呪文のようなものを唱えだした
「・・・・・・」
ひとしきり詠唱が終わると杖がぼんやりと光りだした
その杖を幼いドラゴンに向けまた二言三言呟く
「・・・・・・」
すると、突然杖の先から光が飛び出し幼いドラゴンに命中した
しばらく幼いドラゴンは不思議な光に包まれていた
しかしそれもつかの間、いきなり光が霧散した
幼いドラゴンの額には・・・稲妻が刻まれていた・・・


後ろには巨大なドラゴンが

大量の血を流しながら倒れていた・・・


第一章~日常~


ヒカルは平和な日常を過ごしていた
朝起きて飯を食べ
顔を洗い
与えられた仕事をこなし
友達と笑いあい・・・

・・・そんな毎日が続くはずだった・・・



曲がりくねった道

清清しい朝の森の中、ヒカルは走っていた

「おぉ~い、ヒカル~!待ってくれよぉ~」

周りの景色がどんどん通り過ぎていく
「追いついてみろって!」
「畜生!まてぇぇぇ!」
(いや、待てといわれて待つやつなんていないだろ)
頭の中で冷静に突っ込みを入れてからスパートをかける
「っ・・・!」
気がついたら一番でゴールしていた



「はぁっ!はぁっ!」
荒い息を整える
「お疲れさん、やっぱヒカルは早いなぁ~・・・」
こいつはハルキ、一応の幼馴染で親友だ
腐れ縁とでも言った方が早いような気もするが・・・
「そんなことないって、今日もぎりぎりだったし」
・・・と言いつつ後ろを振り返る
今やっと2位がゴールした
「自慢はいいから・・・ほら、これが景品だ」
「あざす」
「しかし毎回毎回ヒカルに景品を取られてばっかだなぁ・・・」
「まぁ他に足の速いやつなんてこの村にはいないからね」
ここはリザル村だ
このレクリア王国の中でもかなりの田舎にあたる
おかげで自然以外は何もない
だが、こんな田舎にもイベントというものは存在していて
月に一度、村の住民全員で足の速さを競うのだ
名づけてリザルマラソン
そのまんまな気がするのは気のせいというものだろう



全員がゴールしたところで形ばかりの閉会式を行い
ヒカルはそのまま家路に着いた

ヒカルの家は森の近くにあり、いつもならば遠回りでも村の中を通って帰るのだが・・・
(今日は疲れてるし・・・森を抜けるか・・・)



森の中は気持ちよかった
全身で緑を感じ、リラックスできるらしい
そのとき、ヒカルの目に何かが留まった
(ん・・・?なんだ?あれは・・・)
人・・・?人・・・なのか・・・?
ぱっとみかなりの確率で人っぽい
しかも地面に倒れている
ヒカルは恐る恐る近づいた
それは金髪の「少女」だった
「・・・あの・・・生きてます・・・か・・・?」
「・・・」
(し・・・死んでるのか?)
とりあえず突付いてみた
「う・・・」
少し身じろぎした
(よ・・・良かった・・・生きてるのか)
しかしまぁこんなところに放置するのも気が引けるというものだ
それに・・・
(よく見たら傷だらけじゃないか・・・)
少女の体には無数の傷がついていた
しかもそれのほとんどが切り傷だ
(・・・この年で戦士・・・なのか?)
もしくは魔戦士
後者の可能性は薄いだろうな・・・
(とりあえずは家に運ぶか・・・)



ヒカルは「気絶している人を運ぶには相当な体力がいる」ということを覚えた



「ん・・・」
少女が目を開けた
あたりを不思議そうに見回してみる
「や、おはよう」
「_!?」
いやいや、そこまで怖がらなくても・・・
「君、森の中で倒れてたんだけど・・・大丈夫かい?」
「え・・・っ?」
「いや、だから森の中で倒れてたんだって・・・」
「・・・」
「・・・」
しばしの沈黙
「とりあえずスープでも飲みなよ、温まるよ」
「・・・ありがとうございます」
ふむ、礼儀正しいな
少女は美味しそうにスープを飲み始めた
・・・俺も飲もうかな



スープを飲み終えたら一通り質問をすることにした
だが・・・
「何も覚えてない・・・?」
「はい・・・」
あろうことかこの少女は自分の名前以外なにも覚えてないのだ
名前はトウカらしい
「・・・本当に・・・?」
「はい・・・」
「これっぽっちも?」
「はい・・・」
このトウカという少女は記憶喪失というやつらしい
基本的なことは覚えているようだが・・・
自分の体についている傷の記憶など、自分について名前以外のことすべてを知らないという
(・・・どうしたものかねぇ・・・)
しばらく思い悩んでたが・・・
うむ、結論が出ない
とりあえず
「今日は泊まっていきなよ?どこかにあてがある訳でもないだろう?」
「あ・・・ありがとうございます」
「いいっていいって、ベッドはあっちな」
「あの・・・それではあなたは・・・?」
「いいよ、そこら辺で寝とくって。怪我人は怪我人らしくおとなしくベッドで寝てな」
「・・・はい・・・ありがとうございます」
トウカがベッドに入るのを確認してから自分もソファーに寝転がる
(・・・寝るか・・・)
そのままヒカルは深い眠りへとついた



翌日、ヒカルはトウカに村を案内することにした
・・・が、なんせ何もない村である
村の中心に陣取っている肉屋と馬の飼育所
薬屋がわりの薬草屋、それに張り合っている漢方屋・・・
案内すると言ってもそんなに時間はかからなかった



一通り案内を終え、小腹が空いたから飯にしようという時には
すでにトウカの噂が村中に知れ渡っていた
村に一つだけある井戸の周りに集まっているおばさん連中には格好の餌だったらしい
(そりゃそうだろな・・・)
なんせ小さな村である
しかも山に囲まれているとあっては動物以外の来訪者はほとんどいない
そんな村の中を見ず知らずの少女と一緒に歩いている
しかもご飯まで一緒に食べているのだ
(仕方・・・ないよな?)
村に一つしかない集会所で飯を食べながら聞き耳を立ててみると
主婦連中の間に出回っている情報の大まかな内容が分かった
『ヒカルにいきなり見ず知らずの許嫁が嫁いできた』らしい
(どんな設定だよ)
「・・・どう思うよ?」
「・・・」
微妙に頬を赤らめていた



飯を食い終わり、一服しているとハルキが寄ってきた
「お?それが噂の許嫁かい?」
「いや、違うって」
「・・・」
そこ・・・頬を赤らめない・・・



「えっと、紹介すると、こいつはハルキ」
「ども、ヒカルの親友兼・・・ほmぐはっ!」
「こいつは俺の親友だ」
あぶねぇあぶねぇ、そんな紹介嘘でもされたくねぇよ
「・・・トウカです」
俺はハルキに事情を説明してやった
もちろん記憶がないことについてだ

「・・・で、自分のことが全部分からないのかな?君は」
「・・・はい」
最後にトウカ自身に確認をとると、ハルキは考え出した
~10分後~
「分からん!」
「俺の10分を返せっ!」



その後はまた村をぶらぶらと歩き回った
最後のほうは・・・丘で寝ていた気がする



「ご馳走さん」「・・・お粗末さまでした」
その晩、トウカの意外な一面を発見した
何故か料理がとても上手いのだ
「・・・今日はどうもありがとうございました」
ふむ
「いやいや、まぁ自分の下手糞な案内で理解してくれたんならこちらとしても嬉しいよ」
「そ・・・そんな、下手なんかではありませんでしたよ」
そうだなぁ・・・
「それより、さ。そろそろ敬語とか使うの、止めにしない?」
「ぇ・・・。」
「いやぁ、なんか堅苦しいイメージがあるんだよねぇ、敬語って」
「そう・・・ですね、分かりました」
(いやいや、それがすでに敬語だっての)
「いきなり話し言葉って言うのも無理ですが・・・」

「なら・・・さ、もう少し親しくしようよ?ね」

「はい、分かりましたです」
ぉ・・・。
「ま、今日はもう遅いことだし・・・寝るとするか?」
「はい、そうですね」



そしてその日は寝た・・・



周囲から荒い息音が聞こえてくる
時々小さな罵声が聞こえてくる
どうやら足を踏んだ踏んでないでもめているようだ
背の低い青白い肌をし、それぞれ違った兜、鎧
そしてある者は棍棒、ある者はナイフを持ち
主人からの命令を今か今かと待ちわびていた
そのとき、どこからか背の高い男が現れた
男の周囲には二人のフードを被った異様な雰囲気の人がいた
(・・・こいつらはもう少し静かに出来ないものだろうか)
男は奴等のにおいに顔を顰めながらも、さっさと自分の役割を果たすことにした
「全員、この村を取り囲め!」
怪物たちは闇夜へと消えていった・・・・・・



次の日、朝起きてから周りがやたらと騒がしかった
俺とトウカの噂話なんかはそっちのけである
なんでも行方不明者が出たらしい
その名前は・・・
「ハルキだってぇ!?」
「あぁ・・・」
友人Aの発言

話によると、昨晩遅くに村の外の牧場に牛乳を買いに行ってから行方が分からないという・・・

牧場にも姿を現していないため、行く道のどこかで行方をくらましたことになる
(牛乳のために何故消えたっ!親友よっ・・・!?)
もっともな突っ込みどころである

実を言うと全く持って当てがない訳ではなかった
前にもこういったことがあったのだ
その時はこんな騒ぎにはならなかった
(・・・というのは、まぁ騒ぎになる前に俺が探し出したんだが・・・)
ふむ、一度あそこに行って見るとするか
「トウカ」
「はい?」
「トウカは村の中で色々と聞いてみてくれ、昨日はまぁ色々といわれていたが・・・。今日はそれどころじゃないみたいだからな」
「分かりました。・・・あの、ヒカルさんはどこへ行かれるのですか?」
「あぁ・・・少し心当たりがあるんだ・・・」



(着いたか・・・)
心当たりのある場所・・・というのは、森の中の秘密の広場のことである
丁度牧場に続く道を少しそれた場所にあり
しかも村のほとんどの人が知らないと言う場所である
あいつの性格を考えると、多分今頃どこかで笑っているに違いない
(見つけたらどうしてやろうか?)
その時、背後に何かの気配を感じた

反射的に身構える

草のこすれあう音、少し荒い息遣い

そこから姿を現したのは・・・
「なんだぁ?ヒカルじゃねぇか」

間の抜けた声
こ・・・こいつ・・・
「あ~ぁ、また見つかっちまったなぁ・・・さて、一緒に戻ろうぜ!」
「・・・」
「ん?どした?」
「お・・・」
「お?」
「俺の朝を返せぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「あっはっはっはっは」
その後ハルキが目も当てられないような状態になったのはいうまでもない



村へ帰ってみると・・・どうやら新しい騒動が起こっているようだった
『新しい行方不明者』が出たらしい
そのとき、向こうからトウカが走ってくるのを見つけた
(ぁ、転んだ)

「・・・で?何が起こっているんだ・・・?」
「そ・・・それが」
「なんだってぇぇぇぇぇ!」
「お前は黙ってろ」
「(´・ω・`)」

トウカの話によると、ハルキの捜索中に・・・
本当に一人行方不明になったらしい



そいつは持ち場で命令を待っていた

ご主人様の命令に逆らうことは許されない

命令があるまで動くこともできない

(・・・暇だ)

青白い肌をしたそいつは手にした武器を眺めながら言った

せめて侵入者でもあれば・・・

「おぉ~い、ハルキぃ!」

怪物は自然と声を出さずに笑い出していた

なんという偶然

(これで 暇 つぶせる)


・・・その後怪物の手荷物の中に頭が一つ増えていた

ハルキの行方不明騒動は村長に一言謝るだけで済んだが・・・
もう一人の行方不明者については全くもって検討がつかなかった
その後色々な場所を捜索してみたが、手がかりは全くつかめず
結局は明日へ持ち越し・・・という形になった



夜・・・
「なぁトウカ、どう思う?」
「どう思う・・・とは?」
「いや、この事件について・・・のことだ」
「不憫でしたね・・・」
(いや、それだけかよ)



翌日、騒ぎはさらに拡大していた
なんと昨日行方不明になっていた人の死体が発見されたらしい
しかもその死体には何かが食い散らかしたあとがあり、頭がなかったという
衣服や体つきからなんとか昨日行方不明になった人だと特定はできたらしいのだが・・・



今日は葬式か・・・

葬式は何事もなく終わった
いつものハイテンションなハルキも、こういうときはくそ真面目にやっていた

その日、村全体に村長からの命令が下った
「全員武器を必ず一つは携帯すること」
らしい



(武器、武器、武器・・・)
記憶によればここ最近は武器と縁がなかったからなぁ・・・
(お・・・これは)
見つけたのはおもちゃの手裏剣だった
(なんだよ・・・)



結局トウカの分も含めて隣村の武器屋に武器を買いに行くことになった
俺が大剣でトウカが太刀
・・・杖とかあったら持たせているんだが・・・


帰る頃にはすっかり日も暮れていた
「トウカ、少し急ごう」
「はい!」



背の高い男はこの機会を待っていた
今村にあいつらはいない
(今がその時・・・か)
「全員!前へすすめっ!」
こうして全てが動き出した・・・
もう誰にも止めることはできない

第一章完



一応修正

こんな感じかなぁ・・・

服装・・・まず名称が分からないという罠wwww