魔女ポプリ(7) | THOUSAND WINDS

魔女ポプリ(7)

「いやぁ~、たびたび失礼いたしました」
どうでもいいけど、そこなじいさん、
あぶら汗みたいなのが滝みたいにあふれ出してるんですけど。何とかとりつくろうとしてるみたいだけど、
もう遅いからね。
何かもう飽きてきちゃったから、
お腹の方も腹八十分位になった事だし、
そろそろまた気ままな一人旅に出かけたい気分なの。
お師匠に見つかるまでの命だけどね。
あえて無言で、さも怒ったみたいにして、
おもむろに立ち上がって、
すこすこと出口の方向かって歩いてみたらね、
後ろの方からひぃ~みたいな奇声とか、
どうかお慈悲を~みたいな懇願してたり、
食べないでねってあたしオオカミ男みたいなんじゃないし、
いろいろ連中ぱにくってて、
ああいとおかし、
もうちょっとからかってやろうかな。
昨日あんな目にあったんだしなあ。
「どうか、このまま行かないでおくんなまし。
ご希望の物、何でも包んでお渡ししますので、
あれはごく一部の者のしでかした事。
きやつらは早々に処分する所存にてございますゆえ、
何とぞお機嫌をお直し下され!」
あんたが命じたんだろ?
何かね、いつもこんなんで末端な人が、とかげの尻尾になるのよね。
「ギャアアアアアッ」
ああ、早速シッポさんの絶叫が聞こえる。
早々にこんな気持ちの悪いとこ退散しないと、
また犠牲者が出るわね。
哀願する村長さんほっといて、
玄関力任せにビシッて開けたら、
おもむろに壊れてしまったり。
何て安ふじんな作り、
また今ので後ろおびえてるし、
玄関開けて外に出たら、
ヒュンって風切る音がして、
気がついたら何だかあたし
首輪はめられてるし、
首輪には細いけど頑丈そうな
ロープ結びつけてあるし、
これは一体?!
「よお。待たしたな。色々と取り込んでてな、
遅くなって悪かったな。
こんな所で何遊んでいるんだ、さあ、帰るぞ」
お師匠だあ!ついに見つかっちゃった!!
別に逃げ出して来たわけじゃないけどね。
でもこれでまたいつもの
地獄のお仕置フルコース確定だぁ。
しかも今回無断で魔法も使っちゃったからね。
「ウワアアアアッ、た、助けてくれ、し、死にたくない~っ」
あっ、さっきの大男さんだ。
裏から逃げ出して来たみたいね。
体中ムチのアザみたいなのやら、
なぜかろうそくのろうがいっぱい裸の上半身に
こびり付いているんですけど。
あんた一体どんなおしおきされたの?
その大男、あたしのお師匠の足元にしゃがみ込んで、
必死になって嘆願してるのね。
「ゲシッゲシッ」
無慈悲にもお師匠、すがりつくその大男、こともあろうに
つま先でひっきりなしに
蹴り入れてるし、ああ可愛そうにね。
「ああっ、おにいさん、いいっ!!
・・・もっと下さい」
あんたM夫なんかいな!
もうやっとれんわ、お師匠、
もうどうなったっていいですから、
帰りましょう。
今回のであたし、こりました。
もう一人でふらっと出ていったりしません。
世間がどれだけ異常なもんであるか、思い知らされましたから、
早くこのけったいな所から退却しましょ。
あたしだんだん頭おかしくなりそうなのね。
ちょっと長くなりました。
ここらで筆を置きます。
きりがないし