はと | THOUSAND WINDS

はと

忘れていた。
会社の近くの駐車場あたり
街路樹の根本に
はとがつぶれて死んでいた。
半壊になったはとの死骸が落ちていた。
車道からかなり離れており、
車にひかれた形跡はない。
あえて誰もそんな、車に引かれたようなはとの死骸を
わざわざそこに持って来て捨てようとも考えられない。
つまりこのはとは空から落ちてきて、
地面に激突して果てたんだ。
昔この近くで私は、
ほぼ生前とままの姿で、
まるで目をつぶって眠ってるみたいな、
スズメの死骸を見たことがある。
はとが空から落ちて死んでるのを、
誰か見たことがあろうか。
空を飛んでて力尽きて、
そのまま墜落死するの、
考えられなくはないはず。
だったらなぜそれを見ないのだろうか。
某矢追氏の言い張るような、
動物の死体は自然に消失するのだ、みたいな
トンデモな話は信じがたい。
大抵は野良犬とかが死骸を処分するのだろうが
それにしても町中でそうは野良犬もいるまい。
だからもっと頻繁に目撃してよさそうなものなのだ。
空を飛ぶ鳥は滅多な事じゃ
落ちないのだろうか。
私には不思議でならない。
でも私にはわかるのか、
その鳥はきっと幸福な死を
迎えたのだと。