最後の審判の場に立つ貧しい人の弁明 | THOUSAND WINDS

最後の審判の場に立つ貧しい人の弁明

そんな宗教があるなんて知りませんでした。
ただその日その日食べていくので精一杯でしたから。
私の村でも何人もの人が餓死しました。
時たま思い出したようにボランティアの人が来て、食べ物を置いていってくれるのですが、
彼らが去った後は、その乏しい支援物資の、醜い奪い合いとなりました。
隣村に強奪に行く事もありました。
人の畑の作物を盗みに行く事もありました。
それもみな生きる為です。
そのうち近くで戦争が始まり、私たち弱い者は戦争に駆り出される事はなく、
ただ近くに落ちた爆弾の為、何の関わりもない人が死にました。
私もこうして、地面に埋められていた、対人地雷を踏んだ為、亡くなった次第です。

あなたが神なのですか。
一体何をお望みですか。
私の罪状をお調べになるのですか。
一体私が、何をしたと言うのですか。
何かの宗教に入っていれば、
無条件に救われたのですか。
どうして私たちは、こんな目に会うのですか。
今さら裁かれて地獄に落ちようが構いません。
生きてる間こそが、私には地獄そのものでしたから。
私には分かりません。
どうして地上をあんなままにしておくのですか。
もう地上は用がなくなるのですか。
この終わりの刻を迎えて、
今後救われるべき人らには、
一体どのような楽園を提供されるつもりですか。
私なら別に何もいらない。
あの私が暮らしていた村で、
毎日食べていけるだけの食料があって、
戦争さえなければあとは何もいらない。
すいませんでした、長々と話ましたが、
後はただ、
御心のままに。
Let it be.