昔書いた小説のサイドストーリー | THOUSAND WINDS

昔書いた小説のサイドストーリー

「グー、スピョー。グ~スピョ~」
寝ている。
神社の境内の縁側で、竹ほうき持ったままで、ちいちゃい巫女さんが安眠をむさぼってる。
全くしょうがないなあ○び太くんは。
別の竹ほうきを探し、代わりにこの無駄に広い境内を掃除する。
私はこの神社の神、正確にはここ「星辰神社」の敷地内にある、
末社「根古神社」の氏神だ。
神社って所は大抵、年末年始位しか人手がない。
彼女はここの神主の親戚、現在修行中との事、それにしてはこのていたらく、誰か叱ってやって欲しい。
「ジャランジャラン」
「パンパン!」
おっ、珍しく私んとこにお客さんだ。神としちゃほっておかれない。
「やあどうも」
「えっ、あなた誰?ここの神社の人?
ただ今お参りに来ましたけど、何か?」
「いえいえ別に、ただどんな願い事されたのかなって」
「あんたの知った事じゃないでしょう、ほっといてよ」
「そうはいきません、一応ここ担当なもので」
「あんたもしかして神様?」
「oui, マドモアゼール。ここが恋愛成就の神様だと思って参られたのですかね」
「そうよ、友達に聞いたから隠れた迷所だって。好きな先輩がいるのよ。
あんた神だったら何とかしなさい!これでも百円もふんばつしたんだからね」
「安、まあいいか。まことに残念なお話がありまして。
どう聞いたかは存じませんが、
私どもの神社は「安産成就」のご利益なわけで」
「何よそれってサギじゃないよ。神様ウソついていいの!
お賽銭返しなさいよ、この泥棒ネコ!」
「はい、ここに、なくさないでね。確かにここ根古神社ですけど、私はネコじゃありませんので」
「そんなものどうだっていいのよ。この役たたず!もう来ないからねっ。あんたほんとに神様?」
「oui, マドモアゼール。いい事がありますように、私からも大神様へお願いしときます」
あれ、何も礼も言わずに行っちゃいましたか、最近の子は。
でも私のお祈りの力、たいしたもんなんですが。
さて日もかげて来ましたし、
さっさとお掃除すまさないと。