父がそれを望まれたから | THOUSAND WINDS

父がそれを望まれたから

聖おにいさんの1巻だけ持っている。
作者の父も何かの宗教関係者らしい。
ただのしょうもないギャグまんがだと思っていたが、
どことなく宗教的だった。
こんなギャグ漫画の中で一ヶ所でだけ
泣いた箇所がある。
父がそれを望まれたから。
イエスがサウナの中で見知らぬおっさんに語る場面。
自分が十字架につけられた経緯みたいなのを語る中で出てきた言葉。
よく分からない。泣いた理由が分からない。
ただそうじゃなかったのだろうかと信じこまされそうになる。
神の子かどうかは定かじゃなかったが、
本人マジでそう思いながら
ゴルゴタの丘に臨んだのかもと。
自分がなぜ?と思ったかも知れない。
順調に行きかかっていたメシア運動も、これで終わってしまう。
突然襲った思いがけない不幸、だったのかも知れない。
なぜ?と思った時にきっと
弟子たちよりもいち早くあの句に到達したのかも知れない。
かのイザヤ書の、ほふりの子羊の章。
それだけで納得はしなかったろうが、
自分に言い聞かせるように
この言葉をたむけたのだろう。
父がそれを望んだから。
幸も不幸もすべては神の計らい、
そう悟った人の子は実は
神以上の何かになった。