遺されたレコード盤 | THOUSAND WINDS

遺されたレコード盤

あるおばあさんが聞いているのは、
かつての旦那だった人の声の入ったレコード
独りになってからと言うもの
毎日のようにそれを聞いて
いつものように答えてる
やあ元気かなおタネさんや
はあわたしゃ元気ですよ
今日もいい天気だなや
外はざあざあ雨が降ってる
いつも同じ話
それを飽きもせずに聞いては答えてた

それがある日
あんた何かふけましたなあ
あれ?と思ったおタネさん
びっくりしたかね?
なあに
ちょっとこの「仕組み」が分かったもんでね
ただいま!
何十年ぶりの
オリジナルな会話が始まる
このレコード盤を介して

やがて
遺族の者が遺産の整理に追われ
古びた故人のレコード盤を見つける
孫にあたる人がそのSP盤を鳴らしてみると
その中にはご老人二人の
たわいもないおしゃべりが詰まってた
とてもしあわせそうな声で
何だつまらない
何でこんなもの後生大事に持ってたのか
ちっともお金になりゃしない
誰も知らない
魔法のレコード盤のお話

↑ちっとも詩じゃねえ!