死神さんデスの(10) | THOUSAND WINDS

死神さんデスの(10)

市民病院に来ました。
レンタルビデオ屋で会った死神に教えてもらった相手に会いに。
564号室、これだきっと。
中に入ってみると、
「お前何でここにいるんだ。どっからかぎつけたんだ」
あの貴明君がいました。ベッドには今回ターゲットの沢口さんが寝てます。
はじめまして、えっと急で申し訳ないんですが、
あなたにあの世のご紹介させていただきませんかね。
ちなみにダイナと言います。死神してます。
「何で私の所に死神が?もう長くないから?」
「帰れ、それしゃれになってねえって。沢口さんは不治の病で入院してる。死神なんて縁起でもねえ」
あーあ、この子いたらせっかくの楽な案件もパーですね。
ちょっと長くなるかもですが、契約の話させて下さい。
人はみな死んだらあの世と呼ばれる所に行きます。
でもそこは天国でも地獄でもなくて、
生前の記憶に囚われた者ばかりの集まる暗い場所です。
そこで死んだ霊は生前の記憶を振り返り続け、
無期限に苦しみ続けたりする。
まれにその呪縛から逃れて、
転生の道に立ち返る霊もいるのですが、
大抵は死んだ自覚もないまま、
暗い場所で引き込もってしまいます。
続きます。