星の色が消えた日 | THOUSAND WINDS

星の色が消えた日

大昔の頃まだ子供だった頃は、
家の前の道もじゃり道で、
越してからしばらくは街灯すらもなくて、
そのおかげで家の前から肉眼だけで、
天の川が見えていたのを覚えている。
中学に入りたての頃に、近所の年長の子供に、近くの山の上で
天体観測をさせてもらい、
反射望遠鏡でオリオン大星雲を初めて見た時には、
確かに星に色がついて見えていた。
それがいつしか大人になり、周りは光害のせいで明るい星しか見えなくなり、それでも
あの頃と同じ大きさの反射望遠鏡が買えたのに、
家の前からオリオン大星雲を一人で見た時には、
もはや星の色は消えてしまっていた。
すばる望遠鏡などで写されたきれいな遠い銀河の写真など、
ちゃんとカラフルな色がついているけれども、
あんなのいんちきだ、あれは白黒に着色をしてるんだと、
つい思おうとしたが、
かつて見たあのオリオン大星雲の色を覚えている為に
一概に否定出来ない。
いつか人類がその間近まで出かけて行って、
肉眼でそれを眺める事が
出来るだろうか?