昨日とはうって変わって

雨戸を開けた瞬間眩しい光が差し込んできた

今日は滅多にないくらいの素晴らしい晴天だ

通勤途中のお気に入りの桜は満開で

写真を撮ったらまばゆいばかりの光が

しっかり写り込んだ


今日は今年度の入学式が行われる日だった

今年から始業式より2日遅く実施することが

区教委の方針で決定したため

準備期間はたっぷりあったのは良かった


今年で7回目の入学式となるが

卒業式と違って、入学式に話す話は一貫して変わらない

そのときに合わせた話題が変わるだけで

伝えたいメッセージはほとんど同じものだ


先日の卒業式で、壇上であがってしまい

うまく話せなかったことがあったので

今回はきちんと準備もして何度か練習も行った

初めての午後開催だったので

午前中にも確認する余裕があった


園から上がってきたばかりのかわいい新入生を前に

スピーチを始めた

今回は落ち着いて話すことができ

ホッとしたところだった



式終了後、来賓の一人から
「2箇所、間違えちゃったネ」と言われた
何のことかわからなかった
挨拶や写真撮影を終え、校長室に戻った
副校長に、「校長先生、式辞の中で
98名、と言ってました」と言われた

? 98?

その数字は、スピーチの開口一番
「98名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます」
の98だった

今年の入学児童は、各クラス30名で一人だけ足りない
そう話していたのに
なぜか89ではなく98になってしまったのだ

気づいた人たちは驚いたようだった


しかし、一番驚いたのは自分自身だった


本来だったら、定年退職している春だった 
着任したときから、あまり長く
いすぎないようにした方が良いと思っていた
気がつけば7年目に突入し充分長くなっている

そして、年齢の数字が一つ増えただけで
特に何も変わらないと思っていたのだが
実際のところ、微かに気力の衰えを感じるときがあるし
大事なところで、致命的なミスをすることが
確実に増えてきている
始業式でも、新任の先生の名前をいい間違えるという
失態を犯したばかりだった

今日は、間違えたことにすら気づいていなかった

とても大きなショックだった

自分のやっていることに対して
大丈夫なのだろうかと、急に不安になってしまった

責任ある立場にいるのは危険なことかもしれない



こんなことを考えるようになったのは
郡山史郎著の「定年格差」という本を読んでからだ
日本人の肉体的な状態は
相対的に格段に若くなっているが
脳の老化は確実に進んでいて
定年が70歳になったら、使いものにならないという
それまでの経験は、貴重な財産だと言うが
時代の変化も激しく、若い脳についていくことは
実質上無理だという
年を取ったら、取ったなりの働き方に
シフトしていかなければならない
それは雇う側にとっても、自分にとっても
幸せなことなのだ




ショックで、どっと疲れが出た
入学式のあと、一件面談を行ったが
話を聞いているうちに、気が遠くなった
時計が16:45になるのをまって
今日は退勤することにした