足立区の北のはずれの中学校でスタートした教員生活

最高の三年間を終え、初めての異動を経験した

台東区の中学校で、その当時の校長には

ご栄転だなと言われた

(足立区などは周辺区と呼ばれ、皇居に近づくほど

都心の学校ということになる

当時、周辺区の学校は荒れていて

学力も低いと言われていた)

一緒にやっていた学年主任から

異動先の学校は、台東区内一荒れているという

噂があると聞いた


卒業生を三回出して、一通りの経験をさせてもらって

足立区史上初とも言われた都大会入賞という

勲章を胸に、台東区の中学校に転勤した

事前に面接に行ったとき、当時の異動先の校長から

「何でもできるんでしょう?」と言われた

2年の担任をやってもらうからね、と言われた


確かに、都心に近い学校は

何もかも違っていた

教員は年配者がとても多く

私は男のなかでは一番年下だった

教員は、皆スーツを着ていた

ジーンズの教員は一人もいなかった


初めての学年会

とても雰囲気が悪く、学年主任は

年配の女性で、ツンツンした偉そうな顔をしていた

私に一番年齢の近い先生が

六歳上で、初日から学年主任と激しく喧嘩をしていた

私がその二人の間のクラスを担任し

その他に、ずいぶん年上の副担任が数名いた

みんなの仲が悪いのは一目でわかった

カルチャーショックだった