昨日は帰宅後もジェットコースターは下り続け
ちょっとやけになって飲んだり、深夜までテレビを見たりしまった
たまたま妻と二人の夕飯だったので
少し仕事の苦労話を聞いてもらった
正月の特別番組でWBC日本代表監督を務めた
栗山英樹氏と、ファースト・リテイリング代表取締役会長の
柳井正氏との対談を見た
小さな町の洋服屋を、世界のユニクロに
育て上げた柳井氏に
日本代表を世界一に導いた栗山氏が
社員をやる気にさせるには
ボトムアップ式のマネジメントが良いかと尋ねたら
柳井氏は、「トップダウンもできない経営者に
ボトムアップなんてできるわけないでしょう」と
即答した
なるほどなあ、と感心してしまった
妻と話している間に
なかなか、自分の考えが伝わらないもどかしさに
もう、60にもなったし
遠慮しないで、何でも思ってることを
ズバズバ言ってしまった方が良いのか、と思った
確かに、部下としては
白か黒かはっきりしてもらった方が
どっちにしてもやりやすいのかもしれない
変に部下の希望を取り込もうなどと
遠慮するのは、間違っていたのかもしれない
寝不足の朝を迎え、体調も気分も
ろくでもない状態だった
とにかく、自分の思うことを
はっきり伝えてみようと
半ばやけくそになって思っていた
朝の幹部会で、来年度の計画について
こう考えていると話してみた
案の定、幹部たちはとても不安そうな表情を見せた
しかし、その時
ずっと否定的な考えを持っていると
思っていた幹部の一人は
意外にも、私の目指すものは
理想的なものだと話し出した
そうなればいいとは思うが、教員の現状は
残念ながら準備が整っているようには思えない、と
幹部会の後、副校長に
昨日から考えていることを話した
そんな調子で一日がスタートし
心がさびしいような、ざわめくような時間を過ごした
その後、私も副校長も急ぎでやらなければならない
雑務(と言っては何だが)に終われ
ようやく、4時前にゆっくり話す時間が取れた
副校長に、いろんなことを話しながら
校長になって以来、組織の長として
自分にできることはすべて精一杯やったが
一番大事な、部下に自分の思いを
具現化させることについては
これまで一度も成功したとは思えないという話をしていた
そして、最後に、これまでの教員人生で
私が唯一強みとしてきた、広報活動について話していた
校長になるまで、自分自身は
どちらかというと、この人ならついていきたいと
みんなに思ってもらえるようなスタイルだった
それを支えてきたのが、書き物だった
そういえば、私にはそれしかなかったなあと
思い出した
そして、「あれ?」
そういえば、校長になってからも
私は、自分の思いを書いたものを
ちょくちょく配っていたなあと思い出した
とっておいた原稿を閉じたファイルを開いてみたら
思いのほか分厚いもので
ああ、ここ数年忘れていたけれど
こんなことをしていたっけなあと
コロナになり、ICT化を促進していく中で
極力、紙でなくデータで配信することを心掛けていた
もちろん、まだ、紙のほうが伝わりやすいことも承知の上で
気が付けば、自分の思いをつづることもなく
ただ、ネット上にある情報を
自分の「代弁者」として職員に配信するだけになっていた
私が、どういう思いでその記事を配信したのか
以前は、手書きでしっかり伝えていたのに
ただ、データを丸投げしているだけ
さらに、こちらは「伝えた気」になっているのにもかかわらず
実際、配信された記事を読んでいる職員は数名だった
この両者の抱える「誤解」は
お互いを疑心暗鬼にさせるものだ
ICT活用は、そのような危険性をまだ有している
副校長が話の途中で呼び出されいなくなったとき
何を書いていたのかとファイルの中身を見てみたら
今、伝えようとしていることと
何も変わっていなかった
自分の中で、職員に一番伝えたいことは
校長になったときから、まったく
ぶれていなかったということがわかった
自分の経営ビジョンを
遠慮せずに伝える努力が足りない
何のための責任者なのか?
その部分が、今一つうまくいかなかった理由かもしれない
ちょっと新鮮な驚きであり
喜びでもあった