温かい土曜日の午後

高校の還暦記念同窓会に出た

40年以上前に卒業したわけだが

8クラスもあったそれぞれの世話人さんたちが

ずっと絶やさずに続けてくれていた

5年ごとにやってきたらしく

確か、10年前、50歳の時

唯一の親友に誘われて参加したことがあった

これで卒業した直後の20くらいの時から

3回目の参加になる

 

高校時代は、常に陰の時代で

学校のことで覚えているのはわずかなことだけ

補欠入学が許され

入学した時の順位を知っている

稀有なスタートだった

 

高校受験の重圧から解放されほっとしたのも束の間

入学初日から、大学受験の話をしている同級生を見て

入学生の下から5番だったという

コンプレックスいっぱいの生活が始まった

 

おそらく私のことなど覚えている人はいないだろう

10年前もそんな気持ちで出た

友達らしい友達もほとんどいなかったし

話をしたことのある人だってどれ位いただろう?

特に、女子とは口を聞いたこともほとんどなく

馬鹿にされたり

時に、不潔な時期もあり

激しく嫌われたりしていた

それでも、音楽をやっている時だけは

存在感を示すことができていたようで

昨日の同窓会でも、何人かが

そんなことを口にしてくれた

 

130余名が参加したという

8クラスあったということは350人くらいは同級なのだろうか

よく集まったものだ

 

一緒にギターを弾いていた仲間は

さすがによく覚えていてくれて懐かしく思った

40年以上経つというのに

みんな、やはりあの頃のまま歳をとったという感じがした

 

定年を迎える年で

全員が15秒で自己紹介・近況報告をしたが

話を聞いていて、ああ、自分たちの世代というのは

昭和なのだ、とつくづく思った

仕事がひと段落ついて

孫が生まれて

これから、のんびり楽しく過ごしたい

そんな挨拶をしている人が多かった

 

近くに座った女子(?)は

普通に話をしてくれた

こちらも、それなりにその後の人生の年輪も刻み

彼女たちに引け目を感じることもなくなっていた

 

会の3/4くらいは、1年生の時のクラスの席に座っていたが

2年生の時のクラス、3年生の時のクラスと

席替えが行われた

担任の先生を覚えていたので

うる覚えだった自分のクラスを思い出し

別の人とも話をした

自分は、なぜか正確なクラスを覚えていたが

中には全然思い出せない人もいたようだ

特に3年生のクラスというのは

受験モードで選択授業ばかりで

同じクラスの生徒が一緒に授業を受けることも少なかった

自分だけでなく、他の人たちも

あまり覚えがない様子だった

 

2次会が予定されていたが

私は、2次会に出るほどの仲間はいないので

1次会で失礼することにしていた

私の親友も同様に1次会でお別れになった

2人で近くの喫茶店に寄って

少し話をして帰った

彼は私よりはマシだったが、

高校生活に馴染めず、高校の中では

明らかなアウトロー的な存在で

目立つことはないが

密かに反抗心を絶やさずにいた男だった

 

私は、いわゆる「落ちこぼれ」だったし

音楽以外の話では

仲間からは、大学に受かるまで

全く相手にされなかったし

そもそも、存在を意識している人もほとんどいなかったろう

卒業した年は

あの高校では珍しく、専門学校に進学した

その次の年、彼らにも人気の高かった

東京6大学の一つに合格したと知った仲間は

驚きを隠せぬ表情ではあったが

「お前は、どっか違うと思っていたよ」などと言ってくれた

 

そんな端にも棒にもかからぬ男と思われていた私が

今は一つの学校を任される存在になっているというのは

高校の同級生にとっては

ちょっとした意外な出来事であったようだ

 

 

ギター仲間たちと言葉を交わした

みんな、それなりに社会人として成功を収め

自分で自由になるお金も稼いできたのだろう

高校の頃、憧れていた夢のギターを

何本もコレクションしているという話を

何人もから聞いた

ブルータス、お前もか?

そんなにギター好きだったんだっけ?

と思う人までギターを買っていた

 

で、そんなにたくさんあって弾いているのか、と尋ねたら

弾いているというのは一人もいなかった

コレクションは弾くものではない、と言っていた

 

自分は、15秒の自己紹介の時

「あの頃弾いていたギターを今でも弾いてます!」と話した

それも、修理までかけて

大事に(?)使い続けているギターだ

 

自分の人生の中で何にお金を使うかは

自分の価値観の問題だ

何も考えずにお金が使えるほどの収入もなかったので

あの頃憧れたギターを本気で手に入れようとは思ったことはなかった

(欲しいな、買えるかな?と思ったことはあったが)

 

あの頃手に入らなかったギターを手に入れたやつはたくさんいたけれど

あれ以来、今でもギターを弾いているというのは

他にほとんどいなかった

さらに、今でも人前で演奏する機会を持っているなんて

何てすごいことだろう

就職してからも、ギターは

仕事上でも非常に役に立ってきた

私の印象のかなり大きな部分を占めている

あの頃のままを大事にできている自分を

ちょっと、誇らしく感じた

 

 

 

 

 

祖母が高校入学祝いにくれたお祝いで買った

ヤマハのフォオークギター

指板は激しく減ってくっきりと凹みが見える

去年、リペアに出して

フレットの交換や、傷んでいたところの修復をしてもらった

そのギターで、去年のクリスマスには

三浦大知の歌を小さなコンサートで歌わせてもらった

 

今年もチャリティコンサートに呼んでもらい

歌わせてもらうことになっている

10年ほどかけて今年完成させたオリジナルの歌を歌う

非常に、全く、極私的な歌なので

人前で歌うのはどうかとも思ったが

完成してみたら、結構気に入ってしまったので

今年はこの歌を歌わせてもらうことにした

 

先週、YouTubeを見ていてたら

フォークギターに、ガット弦を張ってみたという人がいた

なんと、そういう弦が市販されているという

早速、Amazonで注文して手に入れた

今日、スチール弦から張り替えてみた

ガット弦は、落ち着くまで数日かかるので

どうかはわからないが、今までなかった音がする

パワーは半分くらいに落ちてしまったが

 

 

 

 

ボサノバなんか弾くのにちょうどいいかな?