この月が出た日は

いくつか、ショックなことが起こり

少し退勤時間が遅くなった

それで、この月を見ることができた訳だが

気分はとてもローだった


夜が暑いせいもあるが、夜中に何度も目が覚める

目が覚めると同時に

ショックなことが思い起こされ

なかなか寝付けなくなることが続いている

翌朝も、そんな朝を迎え

気が付くと、朝食が喉を通らない感じがあった


週末は、土曜が地域のお付き合いで

一日外にいたが、とても疲れて早めに寝た

夜中に何度も目が覚めて、寝返りをうつので

妻が心配していた

日曜日は、7時に起きて

朝からやる予定だったことを

淡々とこなしていった

金魚の水槽の掃除と水換え

買い物

買い物から戻ってもまだ11時だったので

図書館に行くことにした


ずっと悩んでいる問題について

ヒントになるような本はないか探しに行った

少し前から、経営について学びたいと思っていたので

探してみたが、図書館には「経営」という分類はなかった

それでも、それらしいところに

少しだけそれらしい書籍のコーナーがあった

学問というか、研究者の書いた本は

ドラッカーの関係くらいで

あとは、名をなす経営者たちの

自伝や語録なとがほとんどだった

何冊か手に取ってみて

興味深い二冊を借りて、一冊はアマゾンで購入することにした 

帰り道、村の売店で宮代町産の二種類の葡萄を買った


昼食後、宮沢賢治研究の番組を見て

番組のテーマ曲のピアノ譜をネット購入して

少し弾いてみたりした

久しぶりにピアノを弾いたら

手の筋がつりそうになった

3時半ころ、少し汗かいておこうと思い

ゴルフ練習場に行って、一時間ほど球を打った

散歩をしようかとも思ったが

そのまま帰宅してシャワーを浴びて

ビールを飲みながら、またピアノを弾いた

夕飯後は何杯かワインを飲んだため

早めにベッドに横になった

やはり、夜中に目が覚めてしまった



今朝は久しぶりに雨が降っていた

駅に着くまでに服がかなり濡れてしまった

電車は満席で空きがなかった

昨日借りた本を読み始めたら、

二つ目の駅で前に座っていた人が降りて座ることができた


オフィスに着くと、起案の書類が机上にあった

本来なら一月前に届くべき書類だった

そしてそれは、毎年、恒例の

気分を下げるタイプの文書だった

このタイミンクで読みたいものではなかった


それは前期の教職員の業務に関するアンケート結果だった

自分が平教員だった時は、それこそ

得意気に批判的なことを書いたものだった

それが、校長になってみると

初めて、すべての批判は

自分自身に対するものだと受け止めるようになった

大抵、肯定的な意見はほとんど記載されず

何か自分たちに不都合な点を、

読んで傷つく人かいるなどとは

これっぽっちも思わずに、

辛辣な書き方をしている場合が多い


それで、ちょっと後回しにして

別の緊急でない仕事を先にやった

気持ちを落ち着けて

いよいよ書類に目を通すと

意外にもこれまで見たうちで

最も前向きな結果だった

呆気にとられた

よく確認したあと、これは一人で悩むのではなく

副校長とよく話し合おうと思った


昼は久しぶりの給食で

副校長と二人でいただいた

そこで、簡単に結果についてふれ

午後、改めてちゃんと時間をとって「雑談」することにした


一つ一つ、思い付くままに話しながら

データの裏側にある意図を理解しようと努めた

そうして、二人の目と心で考えを整理していくと

何が問題なのかが見えてきた


なぜ、組織が思ったように動かないのか?

結局は、最上位の「何のために?」が

合意形成がはかれていないことが一番の原因であった

そして、手段が目的化し

手段についてああだこうだと言い合っているので

一向に埒が明かないのだった


それは、実ははじめからわかりきっていることだった

校長になったときから、ずっと悩み続け

未だ克服できていない課題だった

自分の思いは伝えているつもりにはなっていても

ほとんど伝わっていないことを認めざるを得ない

どうすれば良いのか?

日々の雑務の中で

じっくり話をする時間なんて皆無なのだ


それでも、これまで必要なことには

時間を割かなければならないと

いろいろと試してみた

職員会議のやり方を変えて

みんなで、目的についてじっくり話す時間にしようと思った

しかし、現実的には

それはいろんな意味で難しいことだった


そんな愚痴を漏らしながら

副校長と話していると

それじゃ、こうしてみたらいかがですか?と

何気なく副校長が呟いた


私は「みんなで」ということにこだわっていたが

副校長は、みんなで同時にではなく

少人数でわかれて、同じテーマについて

話し合ってもらえばいいのでは、と言ったのだ


次の瞬間

私の何年にも渡るパラダイムが

崩れた


私は、こういう時間を求めているのだと

感謝とともに、副校長に伝えた


やってみよう

とにかく、具体的に動いてみよう