令和4年度が終わった

23日が卒業式で24日が修了式の日だった

今年は生憎の雨模様で

何だかさみしい感じが強かった


この一年は、過去5年間で

最も苦戦を強いられた年となった

その原因は何だったのか

ふりかえって見れば

私自身が、自分の立場を見失い

自分が直接

問題に関わってしまったせいだった

組織は指揮官を失い

混乱を来してしまった


では、あの時どうするのが正解だったのか

おそらく、私は

自分が動くのではなく

職員をもっと信頼して

任せるべきだったのだろう


年度の始めに

父を亡くしたことも原因の一つだったろう

精神状態が不安定だったのかも知れない



王子さまとは

2月の終わりから、この日に向けて

一年間のまとめをし

新しい年を迎える準備を続けてきた

当然のことながら

こちらの思う通りには動いてくれなかったが

自分でも、今の状態が

「普通」ではないことはわかっていて

「夢」の中にいるようだ、という感覚をもっていた

修了式が近づくにつれ

少しずつ、自分のこだわりや不安を

手放すことができた


この間も、職員は

これから先どうなるのかと心配していた

彼のことを信じられるほどには

なれなかったのだろう


前の晩に、以前一緒に働いた仲間が

里に帰ることになったというので

お別れ会に出たのだが

ちょっと早めに失礼させてもらい

家に帰って、王子さまの過ごした

「夢の世界」での学びについて

通知表を作ってやることにした


職員間の情報共有のために行ってきた

指導支援記録のおかげで

書く内容には全く困らなかった

裏表紙には普通の通知表と同じ様に

修了証も付け、校長印も捺してあげた


王子さまは体育館で行った修了式にも出たが

あちこち動き回って音を立てたりするので

注意されると癇癪をおこし

しばらくの間暴れていたが

三時間目になる頃には

ようやく落ち着きを取り戻した


通知表には、私の他に

一番お世話になった二人にも所見をいただいて

三人で修了式を行った

通知表も修了証も何のことかわからない王子さまは

始め、私の背中に飛び付いて覗きこんでいたが

どうやら、自分の頑張ったことをが書いてあると理解して

大人しく読み上げるのを聞いていた


最後に体育館で行ったように

修了証を授与すると

まんざらでもなさそうな表情で受けとることができた


そのあと「さあ、教室に行こうか」と声をかけると

黙って用意を始めた

そして、最後に部屋の電気をぱちと消して

自分の教室に向かった

夢の世界から、現実の世界へ戻る儀式が終わった


教室で優しい友だちに囲まれて

担任から、本物の通知表をもらった


特別教室を出るとき

「この修了証はスペシャルだから

他の子にいうなよ!」と言っておいたが

教室で、他の子に話していた


「このランドセルに入っているのは

スペシャルだから、見せてあげないよ!

校長先生と約束したんだから」



みんなが帰って職員打ち合わせを行った

来年度の体制について簡単に説明した

ほっとして、疲れが出た


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昼は数ヵ月ぶりにひのでへ

鱈とあさり、野菜のヴァプール、というのを注文

さっぱりした料理だった