読書っていいですよね

読書っていいですよね

世の中、いろんな本がありますよね。本を読んでいるとき、私は無常の喜びを感じます。本はどこでも持っていけるので、天気の良いには、日がな近くの公園のベンチで本を読んでいたりします。このブログでは、日々、本を読んで新たに知ったこと、感じたことを書いています。

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ご無沙汰しております。久しぶりの投稿となります。

 

「メタボラ」が、出版されたのは2007年、リーマンショックの少し前で、しばらくして、派遣切りなどが社会問題化した頃の作品です。経済的に不安定な人々の生活に社会が注目していたころで、まさに時期を得た作品といえるでしょう。

主人公は、ネット集団自殺の生き残りでです。土壇場で死ぬことを拒否して逃げ出しますが、その時のショックで記憶を喪失してしまい、沖縄の森の中をさ迷っているところ、「あきんつ」と出会います。彼に「ギンジ」という名前を付けてもらった主人公は、過去をなくした男として、その恐怖と戦いながら、ギンジとしての新しい人生を歩み始めます。

過去の記憶がないことがこれほど、恐ろしいとは。所持金は0。まさに極貧から、住み込みで働いて、次第に生活を確立してゆく主人公。あきらかに怪しい人間なので、疑われたり、さげすまれたり、なかなか一か所にとどまれないが、ついにある民宿で自分の居場所を見つけます。宿の主人に自分の境遇を初めて打ち明け、スタッフとして働き始めるのです。

その後、宿の主人は、政治に目覚め、主人公は秘所的な立場で働くようになります。そういった中で、TVに映ったことがきっかけとなり、過去を知る人間が訪ねてきて、主人公は自分が誰だったか、その人生も併せて思い出してしまいます。悩んだ末に彼は、その人生を捨てて、新たなに獲得した人生、すなわち、「ギンジ」として生きていくことにするのです。

悲惨な境遇から這い上がる道が見えてきたところで、ホストクラブで働いていた「アキンツ」が、客の高跳びで借金を抱え、ヤクザに暴行されて死にかけていることを知ります。ギンジは、主人の政治資金を持ち出して、今後を生きていくために必要な一手に打って出ます。

親ガチャといわれるように、親は選べません。誰しもそのような、アンラッキーな境遇に落ちる可能性はあるでしょう。その恵まれない人生の中、ひたすら受動的に生きて、生きて、生き抜いていく。それよいですが、その結果道が開けても、その受動性や、甘いところがある限り、再び同じような陥穽に落ちてしまう。やはり、自分自信が、自らの道をつかみ取るべく、強い意志で未来を切り開く以外、道はないのだということを、強く感じさせてくれるお話です。