モットの髪は銀色に輝いていた。隅田川の心地よい風にモットは目を細めたこう言った。「ひとみ・・・それから、その金属の物体はどうなったの?」私は、小林先生からは口止めをされていたのだが、モットの言葉は魔法の様に私のそういった気持ちを解き放ってしまった。「うん、何か政府の秘密機関が持ち去って行ったみたい・・・今、アメリカと共同で研究を始めたって・・・小林先生もそのメンバーに入っているんだって。」モットはまた遠くを見つめてこう言った。「ひとみ、地球に住んでいたのは俺たち人間だけじゃないんだ・・・その金属の物体は彼らの乗り物・・・そう命をつなぐための乗り物なんだ・・・彼らは大昔から人間と戦ってきたんだ・・」モットは私の方に振り向きこうも言った。「俺は彼らと戦う為に生まれてきたんだ。彼らの名前はシーケイダ・・・とても人間の勝てる相手じゃない」私はモットの言っている事をできるだけ理解しようとしたけど判らなかった。「でも人間はこうして生き残っているんじゃない?」モットはうなづいた。「たまたま、前回の戦いは幸運だっただけだ。彼らの文明は俺たちのはるかかなたにあるんだ。かれらは今もこの地球の奥深くに何十億ものカプセル、そうあの物体に入って生き続けているんだ。そして戦いはこれからまた始まろうとしている。」隅田川に雨が降り出した。夏の日の夕立だった。